京都鉄板三昧!地域密着な「老舗京風お好み焼き」名店4選!

  by 丸野裕行  Tags :  

どうもライターの丸野裕行です。

お好み焼きといえば、大阪。やはり自他ともに認める《粉もんの街》なのですが、京都にも昔から街の片隅に古き良き時代の雰囲気を漂わせるお好み焼き屋さんというものが存在します。

お店の中にいると、春には地域の新小学生からの元気な挨拶が響き、夏には打ち水の懐かしい匂い、秋には一斉にキンモクセイが香り、冬には建てつけの悪い扉の隙間から冷たい風が入る─京都らしいノスタルジックな風情を楽しめるのが、老舗お好み焼き店です。

ひっそりと息をひそめるように街の歴史を見つめてきた、最高のお店を今回はご紹介いたします。調理をするおじいちゃん、おばあちゃんの深く皴の入った手が紡ぎ出す歴史の味。京都に来た際には、ぜひ立ち寄ってください。

下京区小稲荷町 『山本まんぼ』

以前は、行列が絶えない第一旭たかばしの脇道を入った市営住宅の1階にお店を構えていた『山本まんぼ』。素晴らしい昭和チックな香ばしさがたまらない名店で、ビールを飲みながらよくまんぼ焼きを食べていたものですが、昔ながらのパイプ椅子の座り心地もよかった。

今では少し離れた新店舗に移転して、お店も全面リニューアル。ここでは以前の味のある旧店舗に想いを馳せながら、その味を回想してみたいと思います。

《まんぼ焼きスペシャル》は、薄いクレープのような生地の上に、具材である豚肉、ホルモン、イカ、油かす、ネギ、紅ショウガ、たくあん、卵、製麺メーカーと共同開発したそばを入れて焼き上げたお好み焼き。ソースは、甘口or中辛or辛口が選べます。

焼きあがったあとは、ヘラ(関東ではコテ)で切っていただきくとしましょう。ひと口頬張ると、これがまた旨い。パリッとした生地とそば、アクセントになる具材のバランスが絶妙で、中身が少しトロっとして、口当たりがいい。他のお好み焼きとは少し違う食感がある京都ならではのお好み焼きです。

店名:『山本まんぼ』
住所:京都市下京区小稲荷町61-54
TEL:075-341-8050
営業時間:11:00~20:00(L.O.19:00)
定休日:水曜日

北区等持院南町 『ジャンボ』

等持院にある立命館大学衣笠キャンパス前駅から徒歩6分程度のところにあるのがこのお店、『ジャンボ』。なんといっても、このお店のウリは、750円でビッグサイズに焼き上げた《お好み焼き》と、同じく750円でそばを3玉も使用した《特大焼きそば》など、なんでもかんでもジャンボサイズでリーズナブル。

学生さんが多いためか、少しの金額でお腹いっぱい食べてほしいという店主の思いが届きます。手慣れたヘラ使いで、ササッと焼き上げるお好み焼きと焼きそば。最近はコロナ禍で、テイクアウトのみの営業になっていたそうですが、それは淋しい。やっぱり活気のあるお店の雰囲気を味わいながら食すガキ大将丸出しのソース味。

すべてを完食すれば、間違いなく「お好み焼き食ったぞ! 焼きそば食ったぞ!」感無量の満足感が得られます。もちろん、食べきれなければ持ち帰りができるので、安心して来店してください。

店名:『ジャンボ』
住所:京都市北区等持院南町35
TEL:075-462-2934
営業時間:[水~日]11:00~14:00(L.O)/16:30~21:00(L.O)
定休日:月曜・火曜・第4日曜

南区東九条宇賀辺町 『本多』

九条河原町を南行、松の木団地手前で東に曲がった、いかにも下町風情があふれる住宅街の中にこのお店『本多』はありました。隣には保育園、人の営みを感じる東九条ならではの雰囲気。映画『パッチギ』の舞台になったあたりですね。もう少し、南に行くと筆者の母校・伏見工業高校があった場所です。

渋い佇まいの外観で、色あせた暖簾をくぐると、時代を感じさせるあめ色の店内。昭和にタイムスリップしたような気持ちになり、思わずほっとしてしまいます。注文は、《豚玉そばのせお好み焼き》。一見、広島焼き風で、注文していなくても、ちくわやイカなどを入れてくれます。

おっちゃんが目の前にある鉄板で手際よくお好みを焼いてくれます。甘口OR辛ソースや青のり、かつお節粉は自分の好みでかけられ、そのボリュームはまさにずっしり。一枚食べただけでも、満足できる老舗ならではの技が光る逸品でした。

店名:『本多』
住所:京都市南区東九条宇賀辺町59
TEL:非公開
営業時間:11:00~20:30
定休日:月曜日

右京区西院西三蔵町 『野口商店』

阪急西院駅裏側の馴染みの飲み屋街に老舗のお好み焼き店『野口商店』があります。戦後、復興を目指して人々が奮起した昭和23年創業のお店は、田舎で見かけるホーロー看板のような味わい深いビジュアルです。

ガラス戸を開けると、昔ながらの土間打ちの店内。よく行った駄菓子屋さんのような雰囲気は古き良き下町にあるお好み焼き屋さんといった趣き。おそらくは、80近いオヤジさんが一人で調理と接客を切り盛りしています。一生涯現役を誓ったとしか思えないその心意気に惚れた常連さんが多くいるお店。いいですねぇ。

《豚玉》《豚焼きそば》を注文すると、腰を曲げたオヤジさん、大き目のキャベツを放り込んだ生地を鉄板の上にジュワ~。決して丸くないワイルドなカタチに成形。できあがったお好み焼きは、野菜のシャキシャキ感と辛みのあるソースが混然一体となって非常にバランスがいい。よっ! 名人技!

豚焼きそばもしっかりと焼き目が付いていて、香ばしい。ソースがしっかり絡んだところに目玉焼きを発動させてくれるところなんてたまりませんね! このお店、紋次郎イカの駄菓子や韓国のり、チーズなんかもあって、駄菓子屋飲みができるうれしいサービスもあります。

店名:『野口商店』
住所:京都市右京区西院西三蔵町24 1F
TEL:075-311-3612
営業時間:11:30~21:00
定休日:不定休

京都には多くの老舗お好み焼き店が点在し、その街の風景の一部になっています。決して目立つことなく、静かに訪れるお客さんを待ち続ける名店の数々。

郷愁を感じるレトロなお店の数々、ぜひあなたも訪ねてみてはいかがでしょうか? そこには、少年時代の自分が座っているかもしれません。

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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