実弟に 年収約2千4百万円 の 公務員職 を与えた ニューヨークの新市長 エリック・アダムス

  by あおぞら  Tags :  

 今年の元日に第110代ニューヨーク市長に就任したエリック・アダム氏の前職はブルックリン区の区長。政治家へシフトチェンジする前はニューヨーク市警として22年勤務した。

 昨年度の市長選で市長に選出されたのは警察官出身という信用と、また、ここ数年ニューヨークの治安が悪化しているので、元警察官の候補者は、新市長への犯罪縮小の期待大を市民から引き出した。

 クリーンなイメージがあったが、1月12日付ニューヨークタイムズが報じた。

Eric Adams Cuts His Brother’s Duties After Giving Him Top Police Job
Amid concerns of nepotism, Bernard Adams will be executive director of mayoral security, not deputy police commissioner. He will earn $210,000.

エリック・アダムスは実弟に最高の警察の仕事を任命後、弟の義務を削減。
縁故採用懸念の中で、実弟バーナード・アダムズは副警察長官ではなく、市長の治安部長になり 年収は$ 210,000。

 $ 210,000、今現在1ドル114円なので、円換算すると23,940,000円! 年収、日本円で約2千4百万円
 
 ニューヨークタイムズの記事見出しの『最高の警察の仕事を任命』とあるが、記事本文によると詳細は市長の警備を担う部門の最高幹部とある。これは随分身勝手な人事に思う。

 ニューヨーク市は公務員が自らの地位を利用して、本人や縁故者に金銭的利益を得たり、得させることを禁止している。身内を公職に就けた市長もいたが、すべて無報酬。前市長のデブラシオ氏の夫人は、無報酬でニューヨーク市のために働いていた。

 黒人のニューヨーク新市長の期待値も高かっただけに随分酷い人事とも思うが、実はこのアダムス市長が記者会見でダイヤのピアスを付けていたのが異様に映ったし気になった。市長になると急に自由度が増して先が思いやられると思ったばかりなので、我田引水のこの弟に、自分を警備する職に就かせて年収約2千4百万円はあまりにもヒドイ。市政を舐めきっている。

 ニューヨーク市長の地位は高い。大統領選に立候補した市長も複数いるし、実業家であり、大手情報サービス会社のブルームバーグの創業者、マイケル・ブルームバーグも前々ニューヨーク市長だった。

 名誉なニューヨーク市長に選出され、アフリカ系アメリカ人として二人目としての期待を背負いながら、就任半月も満たないスタート時に、この人事、この采配。不正ってこういう判断力のなさから広がっていくのだと思う。

 どうやらニューヨークの新市長、エリック・アダムスは残念な市長になるような予感がしている。実弟に年収約2千4百万円の公務員の要職を与えたこのニュースは、ニューヨーク市の先行き不安を市民に与えた感がある。

 あ~、政治家はどこの国でもこういうものなのか?

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