試合後のロッカールームで本田選手が「…すまんかった」と謝罪していた

  by 赤いからす  Tags :  

ビックマウスで知られる日本代表の本田圭佑(26)選手が謝罪していたことがわかった。

14日オマーン戦のアウエーで行われたW杯最終予選のザック・ジャパンは、アディショナルタイム間近の岡崎のゴールで辛くも2-1で勝利することができた。

この試合で精彩を欠いた本田選手は試合後のインタビューを無視した。しかし、ロシアに旅立つ前の空港で「全然ダメでしょ」と自らを酷評して心境を吐露した。

試合ではパスミスが目立ち、持ち味のボールキープ力も影を潜めた。

本田選手が所属するCSKAモスクワから寒暖の差が35度以上もある中東での試合で、しかも試合2日前からの合流では、本田選手がよく口にする「準備」が万全ではなかったのだろう。

サッカーや野球選手のインタビューで試合数週間前は同じ時間に同じモノを食べて体調を整える選手がいる。試合中にトイレに行きたくなってしまっては元も子もない。今回本田選手が風邪をひかなかっただけ奇跡かもしれない。プロの選手はギリギリのところで戦っているのだ。

その本田選手が試合後のロッカールームで「今日はみんなに助けられた。すまんかった」と言って回った。

マスコミは本田選手の意外な行動と伝えているが、サッカーファンならまったく意外な感じはしないだろう。

このニュースでのネットの反応は次のとおりである。

・むしろイメージ通りなんだが
・そもそも自己中なオレ様キャラってマスコミが作ったもんだろ
・俺様でもあるけど敬意もしっかり払ってただろ?いつからか自分勝手な男というレッテルになってるけど

以上のようにマスコミより冷静で驚きなど皆無なようだ。

過去に日本代表をけん引して、似たような境遇な選手といえば今は旅人となった中田英寿氏を思い出す。

中田氏がまだ湘南ベルマーレに在籍していた頃、マスコミとのトラブルがあって選手生命が脅かされる事態にまで発展したことがある。歪曲された報道によって、それ以来中田選手はマスコミ嫌いになってしまった。中田選手にはこんな逸話がある。ユース時代に海外の遠征先で、英語が喋れる中田選手が食事のメニューをなんなく注文しているのを見て、他の選手がお願いしたそうだ。ところが中田選手は「自分で注文しろよ」と言ったという。中田選手の対応は正しい。自分で食事の注文くらいできないと、世界で戦える選手になれないだろう。ただ、ドライな言い方がチームメイトを遠ざけ、孤立していったのかもしれない。

本田選手も北京オリンピックのときに反町監督に造反したことを示す発言をして問題になった。

「監督からオランダは巧いから深追いしなくていい、と言われた。それはごもっともだけどオレの考えは違った。そんなに怖くない。圧倒できると思ったから前からいこうと。他の選手に話したら全員それでいくとなった」

選手が監督の指示に背く行為はもちろん重大な罪だが、すでに2連敗して決勝トーナメントの道が絶たれたオランダ戦を前に選手達の力を信頼できないと決めつけた発言を監督がしてしまっては、選手達から反発されるのは致し方ないだろう。負けはしたが、オランダ戦の日本のチームは序盤からアグレッシブに前からボールを奪いにいき、試合内容は悪くなかったことを覚えている。

過去にこんなことがあっても本田選手はファンや周りの選手にも可愛がられている感じがする。中田氏に似ているようで全然中身のキャラが違う。存在感やオーラの中に憎めない部分があるのかもしれない。

今回のオマーン戦で印象的だったのが、試合が終わる直前のプレーである。かなり疲労していた状態で、本田選手は相手3人に囲まれながらボールキープしていた。あのとき、ピッチ中央に味方の選手がいて、そこへボールを出せば得点のチャンスになかったかもしれないが、本田選手は冷静に安全なピッチの端で時間を稼いで献身的な動きを見せた。

ああいうプレーが監督やチームメイトやファンの信頼を掴んでいるのかもしれない。

 

画像:from flickr YAHOO! (http://www.flickr.com/photos/norio-nakayama/4609836937/)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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