リモートワークにより、マンハッタンのビジネスシーンは一変した。日本の某メガバンクのニューヨーク支店では、コロナ禍でリストラも断行し、行員が減った分、オフィススペースもいち早く狭めたと言う話を人材派遣業の知人から聞いた。信憑性は高いと思った。
また、社員数人のメディアの会社は、昨年のコロナ禍でオフィス契約を解約し、完全にリモートワークにシフトして、事務所の賃料をゼロに切り替えた噂も耳にした。
バブル華やかな80年代のニューヨークの日本企業は、例えば三菱地所がロックフェラーセンターを買収したり、西武セゾングループが、インターコンチネンタルホテルを買収したりとブイブイ言わせていた。
今や、ニューヨークの日系企業は質実剛健に華美なオフィスビルに入ることなく、三菱商事なども結構地味なビルに入居している。移転前は五番街近くのマンハッタンの中心地だったのに、いきなり地味なビルに移転した時は驚いた。
さて、その流れはニューヨークの新興企業にも今、反映されており、以前ならマンハッタンにオフィスは集中していたが、新興企業はなるべく郊外にオフィスを構える傾向があると先週のウォール・ストリート、ジャーナルに出ていた。
家賃の支出が抑えられ、郊外の働き手を確保し、彼らに通勤時間の短縮とストレス軽減で、働きやすい職場環境を提供するという考えもある。
コロナ禍以前は、体裁を気にしていたニューヨークの企業も、リモートワークへのシフトで働く環境は大いに変わって来た。そして、新興企業は以前のように中心部でなく、郊外に焦点を当てている。