土村芳インタビュー 市原隼人扮する給食マニアの強烈な教師に戸惑うも「好きなことに真っすぐ、媚びずに自分であり続ける強さにあこがれもします」

  by ときたたかし  Tags :  

市原隼人さん主演で2019年10月、テレビ神奈川、TOKYO MXなどで放送され話題となった「おいしい給食」の2年ぶりの続編が放送開始となりました。本シリーズは、市原さん扮する給食マニアの教師・甘利田幸男と、給食マニアの生徒・神野ゴウによる、どちらが給食を「おいしく食べるか」という闘いを描く学園グルメコメディでありながら、それだけでは終わらない深いドラマ性が共感を集めました。

そのファン待望「おいしい給食 season2」に、甘利田が勤務する黍名子(きびなご)中学校で、若くして3年の学年主任を担うバリキャリの先生・宗方早苗役として、数々の映画、ドラマに出演するだけでなく、舞台、CMの出演も多く幅広く活躍する土村芳さんが出演。真面目で責任感が強い先生で、生徒に厳しく指導する甘利田が給食に執着する姿に、得体のしれないものを感じて警戒している姿が見ものです。

このほど、土村芳さんへの単独インタビューが実現! 笑いと感動が奇跡の同居を果たす「おいしい給食 season2」の話題と、NHKの朝ドラ「べっぴんさん」出演以後、道が開けたという俳優の仕事についてもお話をうかがいました。

■公式サイト:https://oishi-kyushoku2.com/ [リンク]

●元の大人気シリーズの続編ですが、出演が決まった時はいかがでしたか?

わたしは、今までコメディー要素が強い作品にあまり参加したことがなかったので、今回のお話はとてもうれしかったのですが、同時に難しそうだなとも思いました。それこそ最初は、まるで未知の領域に踏み入るような感覚でした。

●前作は観ましたか?

はい!画面からエネルギーをとても感じる作品で、甘利田先生役の市原隼人さんが、とにかくすごいんです。早苗先生は、いろんな人に翻弄される役回りでもあったので、「わたしも頑張らないと!!と思いました。

●給食のことしか頭にない強烈な甘利田先生については、どう思いますか?

現実世界で会ったら、とても戸惑うと思います(笑)。ただ、時間をかけて理解を深めていくと、とてもうらやましい存在でもあるんですよね。好きなことに真っすぐですし、媚びずに自分であり続ける強さにあこがれもしますよね。

●宗方早苗先生については、どう理解して演じているのですか?

若くして学年主任を任されている人なので、とても仕事はできる人なんです。責任感が誰よりも強いのですが、一方で真面目さゆえの危うさがあり、柔らかさに欠けてもいる。だからこそ甘利田先生のことが理解できないんです。

●ほかの先生も濃いので、視聴者が一番、感情移入するキャラクターですよね。

そうですね(笑)。確かに早苗先生は観てくださる方にとって一番近い存在であり、いろいろな先生に囲まれ成長していくのですが、その過程は共感していただけるのではないかなと思います。

●2013年に大学を卒業後、本格的に俳優業に進まれましたが、10年目を前に思うことはありますか?

自分の感覚としてはいつまでもペーペーなので、ひとつでも成長できていればいいなといつも思っています。毎回、作品や共演の方たちから何かひとつでも持ち帰りたいと思っていて、今後も自分を高めていけたらいいなと思っています。

●今現在は、俳優業をどう受け止めて作品に臨まれているのでしょうか?

続けていてよかったなと思います。わたしは共演者、監督、作品、いただいた役柄も、全部に言えることなのですが、出会いに恵まれているなと思いますし、これまでの経験が今の自分を作っているんです。すべては無駄じゃなかったなと。

●転機は何でしたか?

朝ドラの「べっぴんさん」、そのオーディションで引っ張り上げてもらった感じですかね。朝ドラというひとつのポイントがなければ、今頃どうなっていたのかと思うことはありますが、自分でどうにか決まるものでもないんですよね。なので本当に感謝しています。

●今後、どういう俳優を目指したいですか?

今までわたしが現場で見てきた先輩方のような、共演する相手に身を委ねてもらえるような人になりたいですね。周りから信頼してもらえる俳優を目指して頑張りたいです。。

●この先のご活躍も楽しみにしています!

ありがとうございます。このドラマを一人でも多くの方に楽しんでいただけますように。そして私自身これからも一つ一つの作品との出会いを大切に頑張ります。

■ストーリー(公式サイトより)

前作で転勤になった給食マニアの教師、甘利田幸男。新しい中学に赴任して2年が経っていた。相変わらず生徒達には厳しく接する厳格な教師。だが頭の中は給食の事しかない。毎朝献立を執拗に確認し、ランチタイムに万全を期す。そんな折、甘利田の担任する3年1組に転校生がやって来る。朝、登校してきたその生徒に慄然する甘利田。それは、かつて甘利田と給食対決をくりひろげてきた宿敵、神野ゴウだった…。

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo