永瀬莉子、声優挑戦の劇場アニメ『神在月のこども』で家族愛の尊さを再認識 「ありがとうとあえて言葉にすることが大切」

  by ときたたかし  Tags :  

モデル・ドラマ・映画と活躍中の永瀬莉子さんが、現在公開中の劇場アニメ『神在月のこども』で声優に挑戦しました。“この島国の根”と書かれる島根・出雲の“神在月”を扱い、出雲へ駆ける少女の旅を描くロードムービーの本作で、永瀬さんは主人公カンナの親友ミキ役を確かな表現力で演じています。日本の原風景を映し出す映像美が続くなか、本作の家族愛のテーマに感動したという永瀬さんにお話をうかがいました。

■公式サイト:https://kamiari-kodomo.jp/ [リンク]

■ストーリー(公式サイトより引用)

少女の名は、カンナ。
母を亡くし、大好きだった”走ること”と
向き合えなくなったこども。
そんな少女が、在る月、
絶望の淵に母の形見に触れたことで、
歯車が廻りはじめる。
現れたのは神の使いの、うさぎ。
出雲までの旅にカンナを誘う。
少女は問う
「本当に、お母さんに会えるの?」
白兎は答える
「ご縁が、あれば。」
行く手を阻むのは、鬼の子孫、夜叉。
行く先で出あうのは、大小様々な八百万の神々。
神無月と書き、全国から神々が姿を消す月を
神在月と呼び、神々を迎えてまつる神話の地。
島根・出雲、この島国の根と読む場所へ、
自分を信じて駆ける少女のものがたり。

●最初に出演が決まった時はいかがでしたか?

自分が経験したことがないジャンルのお仕事だったので、決まった時は率直にうれしい気持ちが大きかったです。実は声をほめていただくことが普段から多いんです。何度かありました。自分の声は好きでも嫌いでもないのですが、これが普通だと思っていたので、ほめていただいたことがすごくうれしくて、いつか声のお仕事ができればいいなと思っていました。こういうお話をいただけてとてもうれしかったです。

●もともと声優のお仕事に興味はありましたか?

そうですね。「チャームポイントは声だよ」と言われたこともあったので、声のお仕事もしてみたいなと思ってはいました。

●今も残る日本の原風景や神秘性を感じる作品でしたね。

これは島根が題材となっていて、わたしも広島県出身なので島根にはよく行っていたんです。家族で行く機会はけっこうありました。特に出雲大社はよく行っていたので、そういう面でもご縁を感じる場所でした。

●知っていると感動も違うものですか?

気持ちとして親近感が湧くので、と言いますか、見え方が全然違ってくると思います。

●ストーリーやテーマについてはいかがですか?

家族愛のテーマに感動しました。より家族を大切にしようと思いました。自分が声をあてている時にも、完成した映画を観た時にも思ったことなのですが、家族愛が観た方にもきっと伝わるのではないかなと思います。

●ご家族に、たとえば何か感謝の想いを伝えようと思ったりしましたか?

そうですね。家族ももちろんですが、友だちなど自分の身近に接している人たちへ言葉で感謝を伝えることは、大切だなと改めて思いましたね。

●普段はなかなか言いにくいものですが、こういう映画を観ると背中を押されたような気分にもなりますよね。

気恥ずかしさもありますからね。でもあえて言葉にすることは大切だなと思いました。わたしは上京してきて両親と今一緒に暮らしていないので、父の日や両親の誕生日に、いつも電話で「ありがとう」と言えたりしているので、それは離れて気づいたよかったことですね。

●役柄についてはどう理解して演じたのですか?

ミキちゃんはカンナのよき理解者であり、カンナは家族の中で悩むことが多かったと思うのですが、その彼女にいつも寄り添ってあげています。カンナの過去についても唯一知っている友だちなので、こういう友だちいたらいいなと思える子です。心優しい子だなと思います。

●カンナとはある意味正反対の子ですよね。

カンナが天真爛漫な子だったので、ミキちゃんは包みこんであげられるような子ですね。カンナのそばにいてあげて、カンナが居心地がいいと感じるような存在、そんな子を意識して演じていました。

●自分と比べてみていかがですか?

わたしが小学生の頃はミキちゃんとは似ていないと思います(笑)。どちらかと言うと、カンナのように元気いっぱいの子でした。わたしもけっこう友だちの相談に乗ったり人の話をよく聞くタイプなので、相談されることも多いんです。でも、その子の解決まではいかないけれど、気持ちが楽になるような存在でいたいとも思うので、そういう面で言うとミキちゃんと似ているのかなと思いました。

●アフレコはいかがでしたか?

とても大変でした(笑)。現場に行っても不安はとてもありました。完成はしていないけれど実際に映像があって、自分の声をあてることもまず難しかったですし、かけあいの相手もいなかったので、そこに自分の声をあてることも難しかったです。でも、完成した映画を観た時に素敵な作品ができていたので、ほっとしたというかうれしかったです。

●今後も声優の仕事はいかがでしょうか?

またやりたいです! 今回は収録の期間が短かったので誰かとかけあいが出来なかったから、いつかまた別の作品で、長期間じっくり作品に携われれることができればうれしいなと思います。

●収録前には準備をしましたか?

いつも以上に声には気をつかいました。枯れないように、温かい飲みものを飲んだり、オススメされたのど飴を食べてみたり、自分でできるセルフケアはしました。

●監督からはどういう説明がありましたか?

変にカンナとはお互いに気を使わない関係性というか、居心地のよい空間を作りたいということだったので、それを聞いてからはイメージが膨らみやすかったですね。

●今回の作品、どういう人に観てほしいですか?

わたしは19歳なのですが、映画を観て思ったのは年齢関係なく、、多くの方たちに観てほしいです。今このご時世だからこそ気持ちが落ち込むことが多いと思うのですが、背中を押してくれる作品なので、ちょっと疲れた方にもおすすめしたいです。今だからこそ多くの人に観てほしいです。

公開中

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo