武闘派組織の元ヤクザが、今は子供のために旗振りで子供たちを見守る理由

どうも、ライターの丸野裕行です。

とある食事会で名のある元暴力団のレジェンドと呼ばれている林幸太郎さんに出会い、様々なお話をしました。
ひとりの人間の数十倍の濃さとも言える人生を送ってきた林さんは、引退したあとも様々な関係者に慕われ、今ではボランティア活動に勤しんでおられました。

武闘派組織の元ヤクザだった林さんは子供のために足を洗い、現在は規則正しい生活を歩んでおられます。
彼の半生にフォーカスを当て、様々なお話をお聞きしてみることにしました。

施設育ちの札付きのワル

丸野(以下、丸)「どのようないきさつで任侠道に入ったんですか?

林さん「私はこれまでに、少年時代を合わせると人生の半分を施設内で過ごしました。両親とは3歳ごろに別れて田舎に引き取られたわけです。小学校にも行かず、大阪に小学校5年生のときに引っ越しまして……。学校にも行かずに警察のご厄介になりっぱなしの人生でしたね

丸「服役されて通算何年ですか?

林さん「すべて合わせると25年ほど服役していました。いろいろとやりましてね。好き勝手に生きてきた人間で、とことんヤンチャして少年院からのフルコース、武闘派組織のヤクザをしてきて後悔がなかった。でもね、45歳のときに子供ができて、最後の服役を終えてからは真っ当に生きることに決めたわけです。初めてといえる社会生活、今ではありふれた生活がどれだけ幸せで大切かがわかったわけです。僕には両親がいない。そんな中で息子と2人暮らし、自分の人生を180度変えてくれたのは、最愛の息子でした

丸「それは素晴らしい

<写真:日々料理を作る林さん>

林さん「“幸多く”という意味を込め、【幸多】と名づけ、≪天の意志によって得た子供を“天に恥じない己に恥じない人間に育て上げる”という決意を持って歩きはじめましたね。今では、まさかのただの主夫、子育ておじさん。ヤクザの世界は甘くはなかったけど、人として理解のある親分に恵まれ、背中を押してもらったのが、堅気になったキッカケですね。毎日必死でただただ子供の育児と育成に励んでいますよ

今までの“人生の澱”を日々落とす

丸「毎日のルーティンとしては、なにを?」

林さん「僕の毎日はね、朝6:00に起きて、子供のための朝ごはんを作って、朝食の時間になります。食べ終わるとすぐ洗い物をして、洗濯機を回してから、仏壇の水を変えて勤行です

丸「勤行ですか?」

林さん「私に縁ある者たちを部屋に祀ってあるので、朝晩必ず子供にも“今日も一日よろしくお願いします”、夜は“今日も一日ありがとうございました、明日もよろしくお願いします”と手を合わせています。毎日の感謝を忘れることなく……という子供に感謝の心を教えながら手を合わせることを大切にしていますね

集団登校の見守りに尽力

丸「それからは、例の……」

林さん「そうですね。7:50になると子供の登校ですから、僕は子供たちのために登校の旗持ち、警備のために毎日休むことなく出動です。本来であれば持ち回りで、月に2回程度なんですが、自主的に子供たちの集団登校に寄り添って、交通整理をしています

丸「林さんがそれをやると目立つでしょうね」

林さん「私のような金髪でガッチリとした体の派手な男が、子供に付き添って旗持ちしているという違和感というのは絶大でしょう。ですが、これが今までの自分の人生に対する戒めのルーティンとして、欠かせない日課なんですね」

丸「なるほど、そういうことなんですね」

日々子供と寄り添うように暮らすということ

林さん「集団登校を見届ければ家事を済ませ、14時半まで友達の面会周りをしたり用事を済ませたりですね。それからは、帰宅してきた子供のおやつを食べさせて、宿題。16時からは夕食準備です。夕食を食べさせ、ボクシングジムの習い事に通わせているので、22時には就寝時間ですね。次の日も旗持ちのルーティンワークがあるので……

丸「武闘派で名をはせた林さんが随分と激変しましたね

林さん「この何気ない生活が幸せだと気がついたんですよ。私の子育てにおけるモットーとしては、“まず自然の中で豊かな子心を育むこと”なんです。現代っ子は、自然の中で遊ぶことが少なく、仕事で疲れた両親が休みの日に、なかなか子供たちを海や山などに連れて行くことはありません」

丸「たしかにそうですね。アウトドアブームといっても、仕事に追われる親御さんも多いですし

<写真:これもすべて子供のためにだ>

挨拶や常識など社会の当たり前を教えたい

林さん「その通り。結局は自宅でゲームに没頭して、現実とゲーム内の区別がつかなくなってきます。人との関係性も希薄になって、大人に成長してからの社会対応が困難になってしまうわけですね

丸「なるほど、そうですね」

林さん「僕が旗持ちを毎日しているのも、いろんな子供たちと接して挨拶を交わすことで、社会の当たり前な常識を教えたいからですね。挨拶ができる子とできない子では、将来に大きな差が出てしまいますから……

丸「社会性に礼節というのは特に大切ですものね

林さん「私は父と子の2人ですから、子育てを疎かにするわけにはいかない。つまり子供の将来を一番に考えるわけです。ヤクザも辞めて、父としての背中を示さないと息子の未来が同じものになってしまう……。私の時間はすべて子供の未来のためのレールを引いてやることに費やすことにしたんです。心豊かで、優しく思いやりのある大人に育てあげたいと思っています」

<写真:自宅でお話を聞いているときにご馳走になったすき焼き>

将来の夢は?

丸「林さんの将来の夢は何ですか?

林さん「僕の将来の目標は、更生施設を立ちあげることですね。これまで好き勝手してきた僕が、こうして人生最大の幸せを得たことに対して、どのように神様や仏様に返せばいいのか考えたとき、1人でも2人でも自分の過去の境遇に似た子供たちをちゃんとした人間として育てていこうと考えました。必ず更生施設を立ちあげ、悔いのない人生を送りたいと深く思ったんです

丸「なるほど」

林さん「人は僕のことをバカにするのかもしれません。“何を寝ぼけたことを言うとるのや”と……。しかし、人の評価なんてどうでもいい、自分が信じた道をひたすら歩んでいくだけです。評価してもらいたいという想いではなく、自分が納得のいく人生を歩みたい……そう思うからです。一番近くにいる1番大切な存在を幸せにできない者は、誰一人幸せにはできないとつくづく気づくことができました。夢を誠にしてこそ初めて納得できるのかもしれませんね」

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』やその他有名週刊誌で執筆、『プレジデントオンライン』の待機中。 『丸野裕行の裏ネタJournal』や『初めての不動産投資マガジン』のポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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