なんともアナログチックな機構だらけの『KING JIM』の便利アイテム3点を使用してみた!

  by 古川 智規  Tags :  

キングジムといえばテプラ。しかし同社ではさまざまな事務用品、便利アイテム、面白グッズといっていいほどニッチな分野まで幅広く世に製品を送り出している。アイデアがあって作ってみたら売ってみるという同社の変わらぬ精神はコアなファンからは新製品が出るたびに愛をこめて変態扱いされるほどだ。今回はそれほど変態扱いはされないと思うが、新たな生活様式であればとても便利な製品3品を使ってみたのでレポートする。

ネスティ

写真のノートPCカバー「ネスティ」は、まぁ、ノートPC用のカバーである。ゴムバンドで留める方式で不思議はない。手前に開いたところがリストレスト(パッド)になっていて長時間のタイピングでも疲れを軽減させるアイデアあたりから同社のアイデアが炸裂する。

ノートPCのフタを閉じると現れるポケットは薄型のマウスや、ケーブル類を入れておくことができるので便利だ。あまり分厚いものを入れてしまうとケースのフタが閉まらなくなるのでほどほどに。

さらにケースの天板部にはマチが付いたポケットがあり、一時的なファイリングや書類ケースとしても使用できる。写真にはないがこのケースは巧みな機構で斜めに立てることができ、例えばタブレット端末では見やすく便利に使用することができる他、ノートPCでもプレゼンテーション用に相手が見やすくなるように使用することは可能だ。ただのケースだがビジネスシーンでの使用をよく考えられており、ただのケースとして終わらない工夫が盛り込まれている。

ジリッツ クリアーファイル

「責任者出てこーい」と叫びたくなるネーミングのアイテムがこれ。「ジリッツ クリアーファイル」は名前の通りクリアファイルが自立する。見た目は何の変哲もないファイルだ。

開いても普通にクリアファイルが綴じられ、中に書類が入っているだけど。しかしここから昔懐かしい超合金ロボットのように変身する。

ファイルを閉じて背の部分が二重になっているところに手を掛ける。

それを一気に引き出すと「ズルっ」と伸びてくるので、止まるまで引き出す。

その状態でファイルを開くと、当然だが引き出した分だけが浮いて立体構造になる。

浮き出た中央部に切れ目があり、「PUSH」の文字が「ここを押せ!」とばかりに主張してくるので、押さないと角が立つとばかりに押し込む。

すると押し込んだ先には引き出す前の背表紙があり、そこでストップするので押すのをやめる。

全体の完成を背面から見るとこの通り。機構としてはごく単純なものだが、これを考えるのはコロンブスの卵と言える。またファイルに書類を詰め込んだ状態で自立させるにはそれなりの強度が必要で、開発には長い時間が必要だったことだろう。

実際の使用環境としてはノートPCの背面に本品で書類や資料を自立させ、タイピングするといったところだろうか。オフィスでは広いデスクがあっても自宅でのリモートワークでは意外とテーブルは狭かったというケースは少なくないはず。そんなときに立てて書類を参照できる本品はアナログだがデジタル時代の便利アイテムと言えよう。

他のアイデアとしてはテキストを拡大して印刷することにより、高齢者でも読みやすい自立する「本」が完成する。なお電子書籍の著作権保護機能を解除することは違法なのでスクショやPDF発行等の方法で拡大プリントし、その場合でも個人利用にとどめておくことが求められるので注意が必要だ。

ホルサック クリアーホルダーファイル

最後に紹介する「ホルサック クリアーホルダーファイル」は、ビジネスシーンで大量にやり取りされる書類ケース、つまりクリアファイルのまま収納してしまおうというアイデア商品である。こちらも見た目は普通のファイルに見えるが、脱落防止のため開く方向は開放されていない。

ファイルを開くと説明書きが入ったクリアフィルが1枚だけ入ってるが、その他は空っぽだ。上部にカギ型の樹脂が出っ張っているだけだ。

まずはあちこちでもらってきたクリアフィルの上端にこのカギ部分を引っ掛ける。そのまま手前にスライドさせると、あたかも最初からそこに存在したかのように書類とともにファイル内に収まっている。

デジタル化が進んでいるとはいえ、すべての書類をなくすことは不可能だ。政府や大企業レベルであればバックアップもきちんとされており管理されているのでデータが飛んでしまう問題は起きにくいが、ビジネスパーソン同士の個人レベルだと重要な書類は長期間の保存には向かない。半導体でできた記録媒体には寿命があるからだ。そんな極端な例でなくても紙に印刷された情報を渡され、それを読むというコミュニケーションがなくなることはないだろう。その意味で、本品もアナログだがデジタル時代にもなくてはならないスマートな整理・活用アイテムではないだろうか。

※写真はすべて記者撮影

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