100%スイカジュースでもつ鍋だと?福岡出身の記者が食べてみた!

  by 古川 智規  Tags :  

夏の風物詩といえばスイカ割りというのは古いかもしれないが、スイカが美味しい季節になってきた。
もっと手軽にというのであれば、100%スイカジュースもある。そんなスイカジュースを使った「もつ鍋」が季節限定であるというので取材した。

件のもつ鍋が存在するお店は「博多もつ鍋 黄金屋」渋谷店だ。渋谷マークシティの脇にあるので京王井の頭線渋谷駅が最も近いか。二子玉川にもお店がある。
記者は福岡出身なので今までにも福岡をうたう「もつ鍋屋」には行ったことがあるが、いい意味では最大公約数を取った平均的な味、悪く言えば福岡らしさは微塵もないお店がほとんどだった。しかしながら、いくら何でもスイカもつ鍋などはもってのほか、ゲテモノでも食べに行くかのような覚悟を持って取材に挑んだ。鍋にスイカの切り身がゴロゴロ入っているのではないだろうか、スープが赤いのではないだろうか、種はどうするんだろうか…そんな期待と不安はすべて裏切られることになる。

一応、通常のもつ鍋も賞味することにした。メニューには基本の味として醤油・塩・みそがあり、写真左がみそ味だ。そして右側が問題のスイカもつ鍋である。なんかスイカっぽいものが乗っているが、果たしてこれはスイカなのか。

スイカもつ鍋は塩味でしか提供がない。このあたりから少し見方が変わった。昔はスイカには塩をかけて食べるのは常識だった。今のように甘い果物ばかりではなかったので、スイカも同様に塩をかけて甘味を増したものだ。そう考えると塩味の出汁で食べるというのは理にかなっている。上に乗っているスイカ状の物は、同店でスイカジュースをもとに作られた出汁のピューレだった。種に見えるものは黒ゴマだ。スイカそのものでもないし、シャーベットでもないので先にこれだけを食べてしまおうというのではない。

さて、この元となったスイカジュースはハルナプロデュースのチャバブランドで販売されている「ウォーターメロンジュース」だ。タイ産のストレートスイカ果汁にレモン果汁をほんの少々加え、スイカの甘味がありながらもすっきりとした味わいに仕上げている。砂糖・香料・着色料不使用で純粋なスイカジュースだ。

同店によると、ハルナプロデュースとコラボしていたわけではなく、もともとから夏向けにスイカを使ったもつ鍋メニューを考えていたそうだ。スイカそのままを使用したり、さまざまなジュースを使用したりしたが、価格的に見合わなかったり、味がいまいちだったりと苦労したようだ。そこでたどり着いたのがチャバのスイカジュースだったということだ。

そして同店の方からハルナプロデュースにコラボを申し入れたが、さすがに同社でも「もつ鍋に!」と思ったらしく、試食を申し入れて味を確認したうえで、正式にメニューに加わったそうだ。

スイカも味噌も出来上がったようなので、早速試食してみた。

モツはプリプリの極上品で、味噌味の味噌はもちろん九州産。醤油味の醤油も九州産で、卓上に置いてある醤油も九州産のいわゆる「さしみ醤油」なので、九州出身者にとってはこれをなめるためだけに通ってもいいくらいの九州にこだわっているのはよくわかる。

実際のスイカもつ鍋の味は、「もしかしたら味噌より美味しいかも!」だった。味噌味は甘味のある合わせみそだが、味が濃いのでたくさん食べるというよりもお酒のあてに、締めにちゃんぽん麺でという定番の食べ方がベストだ。これは醤油味にも言えることだろう。
スイカに塩は前述のとおり組み合わせの上では間違いがない。スープの味は塩味の中に甘味があるのでスイカジュースで煮込んだわけではないのはよくわかる。そして、味噌よりもあっさりしているので、追加で野菜をどんどんぶち込んでもいくらでも食べられる感じがする。
食べていくと、今度はスイカの味が徐々に強くなっていくので同時に出される岩塩を入れて好みの味に調えながら食べると変化も楽しむことができる。

ドリンクメニューにはスイカジュースもあるので、鍋もドリンクもスイカ三昧にすることが可能だ。
なお、通常メニューの塩・みそ・しょうゆ味とこのスイカもつ鍋の価格は同じだ。どう考えてもスイカジュースの分だけ高いはずなのだが、季節限定なのでということと、コロナで大変な中で少しでも安く楽しんでもらい、アフターコロナにはもっと多くのメニューを楽しみに来店してほしいという同店の願いだ。

スイカジュースはスイカそのままなので、普段食べているスイカをゴクゴクやっている感じだ。

新型コロナウイルスの影響で外食がままならない期間は長いのだが同店ではランチメニューのほかに、通常メニューについてはテイクアウトにも応じているので、もつ鍋セットを購入して家に持ち帰り鍋で煮込めばお店の味が完成する。野菜も肉もスープも調味料も、そして九州人にはありがたい「ちゃんぽん麺」も付いているので他に必要なものはない。

まだ全面的に飲食が解禁されたわけではないが、たまには美味しく楽しい季節メニューや、フレッシュなフルーツジュースで気分を変え、ストレスを放出してみてはいかがだろうか。ただし飲酒は節度を保ってほどほどに…。

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

Twitter: jj6tje

Facebook: jj6tje