息苦しい世の中でも通勤・通学の途上でプチぜい沢なら!『いしがまやハンバーグ・アトレ亀戸』

  by 古川 智規  Tags :  

もはや全国規模といった感がある緊急事態宣言下で辟易しているのは消費者だけではない。主たるターゲットとされた飲食店もまた同様だ。ウイルスまん延や緊急事態宣言はだれのせいでもないので仕方がないことだが、美味しいご飯が食べたいという需要も、美味しい料理を提供したいという供給もあるのに、まったくマッチしていないのは不健全であり悲しいことである。
そこで普段はお店で食べるものだと思い込んでいる、あるいは今の時期に行こうとは思わなかったような飲食店で意外にもテイクアウトやこういう時期だからこその特別メニューを用意して、需給をマッチさせようと努力しているお店を取り上げたいと考えた。

第1回目は株式会社きちりが運営する石窯で焼くハンバーグステーキ専門店である「いしがまやハンバーグ」を取材した。
全国津々浦々とは言わないが、わりと店舗数が多く利用しやすい専門店だ。今回は東京都江東区亀戸にあるアトレ亀戸店を取材した。

全店舗に石窯が設置してあり、まるでピザ屋さんを思わせる圧倒の存在感だ。ここでハンバーグやステーキを焼くのである。
石窯は現代でいうところのオーブンで、熱源(火元)からの輻射される電磁波(主に赤外線)を壁面でさらに反射して窯の中の空気や置いてある鉄板を熱輻射で熱して焼き上げる調理方法である。よって火で直接焼く方法よりも表面が焦げず中までよく火が通る特徴があり、ハンバーグであれば薄くする必要がなく分厚くたまご型のモノでも程よく焼き上げることが可能である。その反面窯を設置し、ハンバーグを窯の奥まで出し入れする手間と時間がかかる欠点があるが美味しいものに手間を惜しんではいけないので、そこは待つ時間込みの美味しさと理解しよう。

同店は総武緩行線亀戸駅の駅ビルであるアトレの6階に位置する。屋上は吹きっさらしで眺望がよく東京スカイツリーは目の前というロケーションなので、食前でも食後でも景色を眺めて目と心の保養も兼ねてしまおう。
なお、今回取り上げるメニューは同店のものを紹介する。基本的には「いしがまやハンバーグ」ではほぼ同じだが、世情を反映して各店ごとに提供時間やメニューが微妙に異なることがあるので、お近くのお店で確認していただきたい。

同店のランチメニューは平日限定で11時の開店から17時までである。時短営業で20時閉店なので夕食時間帯を除くほかは1日中提供しているようなものだ。
ハンバーグランチは基本的なハンバーグだけのメニューのほかに、人気のトッピングを最初からセットしたものがお得な価格で提供されている。全品ライスとスープ付きで税込み1000円程度からである。

そして今回はソーセージハンバーグに人気の玉ねぎをトッピングした。西日本出身の記者としては、「おススメは玉ねぎトッピング」だと聞けば淡路島産が一番だという認識があるのだが、ズバリ淡路島産だったので即注文した。淡路島は玉ねぎの名産地で、甘く美味しいのは経験上、記者が保証するので試していただきたい。

専用のプレートで焼かれたハンバーグは別途、調理されて温められた副菜がのるプレートに移し替えられる。これも手間がかかるが、ハンバーグと副菜は別に調理するからこその美味しさがある。

出てきたハンバーグは丸いままだが、スタッフが半分に切ってそこにソースをかけてくれる。これはチーズハンバーグの例だが、チーズも一緒に石窯で焼かれるのは前の写真のとおりだ。

表面の焦げはほどほどに、中はふっくらと焼き上がっている石窯独特の絶妙な焼き加減は、箸でも切れるほどで肉汁があふれ出ることでわかることだろう。
淡路島産玉ねぎはトッピングしてよかったと心から思わせる甘さと大きさと焼き加減で、ただの副菜とはわけが違うことを認識することができる。

塩(岩塩)が提供されるので、ソースは使わずに塩だけでも良いが、これは同店の自信の表れだろうと考えた。食材本来の味をストレートに味わおうと思えば塩に限る。逆に言うと素材に自信がなければ塩だけで食べてくださいとは言えないはずである。

さて、せっかく美味しいハンバーグステーキを食べたのでスイーツも注文して自前のコースとしたい。
絶対的におススメなのは「いしがまで焼いたフォンダンショコラ バニラアイスフルーツソース添え」だ。温かいショコラと冷たいアイスクリームが対照的な同店イチオシデザートなのだが写真を見る限りは特徴はないように見える。
もし来店した日が何かの記念日や誕生日等々、アニバーサリーであれば本品を注文するときにスタッフに一声掛けたい。

理由はこの写真だ。
思いっきり絞りを開放で撮影したのは、中からとろけ出る温かいショコラは美味しいので説明の必要はなく、むしろ提供のされ方に驚愕したからである。スタッフが複数のソースを駆使して皿に「ソースアート」を描いてくれる。絵心のない記者はこれを見ただけで食べる気が失せてしまった。それはそうだろう。スイーツとソースは一心同体。そのソースで描かれたアートを崩さなければ食べることができないのだ。それはできない。
が、しかし、なんというか、食欲に負けてしまった記者は泣く泣くソースにアイスとショコラをからめて平らげてしまった。スタッフの話によると、アートをそのまま残して帰る方もいるようで、「ぜひソースも含めて食べてください」と語ってくれた。
上部に彩られたパッションフルーツソースは甘酸っぱく、アイスが劇的に美味しくなる目にも舌にも心にも美味しいスイーツだった。

さて、店舗での飲食が難しい方にはテイクアウトも用意されている。
写真はテイクアウト用のデミグラスソースをかけたハンバーグだが、家に持ち帰って冷めている場合は電子レンジでほんの少し温めるだけにしておきたい。石窯で焼かれたハンバーグは前述のとおり肉汁が十分残っているので、電子レンジで加熱しすぎるとせっかくの肉汁が蒸発してパサパサになってしまうからだ。それでも箸やスプーンで軽く切ることができるので自宅でも本格的な専門店のハンバーグを賞味できる。

わざわざ出掛けて行って食べることは推奨しないが、いつまでもリモートワークができるほど環境が整っている企業は少ない。よって通勤や通学のためにいつも通り公共交通機関を利用したり、オフィスでランチを食べたりする機会はあるはずだ。ファストフードやコンビニ弁当もいいが、息苦しい世の中で精神衛生上、たまにはランチや通勤・通学の途上でテイクアウトして自宅でプチぜい沢することはとがめられることはないだろう。
もし自宅やオフィスの近くに、または移動の途上に店舗がある場合には本物の味を味わい、アルコールに頼らずとも同時に心の平穏も満たしておきたいものだ。

※写真はすべて記者撮影

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