どうもライターの丸野裕行です。
前回は、京都伏見に点在する「凄旨すぎる京都ラーメン」の名店5選をご紹介した《京都ラーメンシリーズ》。今回も、神戸・大阪・京都をメインに、星の数ほどあるラーメン店を食べ歩いて、書籍や雑誌、Webで活躍しているライターさんに教えてもらった、京都の中心部・中京区に点在する“爆旨ラーメン店”を5軒ご紹介いたしましょう!
連載:京都ラーメンシリーズ
https://getnews.jp/search/%E4%B8%B8%E9%87%8E%E3%80%80%E4%BA%AC%E9%83%BD%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A1%E3%83%B3
筆者も実際に食べに行った「情熱があふれ出る一杯を食べさせてくれる“爆旨”京都ラーメン店」の数々、あなたが実際に食べている行っているようなバーチャル目線でお楽しみください!
中京区西ノ京 『ラーメンムギュ』
JR円町近くのにぎやかな場所に店を構える『ラーメンムギュ』はいつも混んでいる人気店です。とにかく店内に入って、カウンター席へ着座。メニューを拝見すれば、やはりスタンダードな《おにばら白》がどうしても気になる。数分待っていると、やってきました。澄んだ醤油ベースのラーメンが! 名古屋コーチンから抽出したスープは、上品な清湯スープ。ズズッとひと飲み……。おお、これは! 驚いてしまうほどの鶏の旨み! 京都の老舗高級水炊きを彷彿とさせるほど濃厚でありながら、スッキリと澄んでいます。そこに散らされた刻みタマネギが相性バッチリですね。
麺はというと、もちもちとしたツルツルちぢれ麺。数枚のったチャーシューなんですが、なにかが違う。こちらのチャーシュー、なんでも「窯出しチャーシュー」というものらしく、皮はカリッと香ばしく、ひと噛みすれば、中から脂がジュジュワ~ッとあふれ出してきます。あっという間にその味のマジックに翻弄されて、幸せの一杯を完食してしまう。いやはや素晴らしい手腕でございました。
こちらのお店、さらに鶏の味を堪能したいあなたには《濃厚鶏そば》がオススメ。京都らしい粘度の高い濃厚鶏白湯スープを楽しめます。
店名:『ラーメンムギュ』
住所:京都市中京区西ノ京円町22-10
TEL:075-464-3256
営業時間:[月~金]11:00~15:00,18:00~24:00(L.O.23:30) [土・日・祝]11:00〜24:00(L.O.23:30)
定休日:年中無休
中京区聚楽廻東町 『京都千丸しゃかりき』
こちらは二条駅と円町駅の中間地点にあるつけ麺が自慢のお店『京都千丸しゃかりき』です。和建築の外観は非常に京都らしく、京都人としては実家に帰るような気持ちになりますね。こじんまりした小さなお店です。中は、カウンターメインの一卓のテーブル席。もちろんオーダーは、大人気の《濃厚魚介つけそば》。丼を待っているあいだに卓上チェック。たくあん、ニラキムチ、胡椒、塩、唐辛子など様々な“味変アイテム”が置かれています。
10分弱で姿を現したつけ麺。極太のちぢれ麺は艶やかで、コシがありそうですね、こりゃ。つけ汁は鶏と豚骨ベースのスープの中に、濃厚な煮干しが強烈に香っています。この濃さ、数種の煮干しのエグみすらも許容した磯の風味満載のつけ汁ですね。トッピングされているのは、ネギなど。「あれっ、これだけのトッピング?」と思っていると、やはり《つけ麺のジャングル》。「安全だよ、意外にスッキリしているから……」とネギがカムフラージュし、実は中にはゴロゴロとまるでブッシュに潜むワニの如く、角切りチャーシューと極太メンマが潜んでいる。
ズルズルズルリ……つけ汁につけた麺を啜ると、旨みが凝縮されたとろみのあるつけ汁の味わいと麺の小麦の香りがぐぐっと鼻に抜けてきます。これが美味しい! なにかに憑りつかれたようにすべての麺を啜りきり、卓上ポットのスープで割って、ゴクリ……。気づけばあっけない〆になりました。
濃厚ラーメン派のあなたには《豚濃魚介らーめん》に煮卵をトッピングしたものがオススメ。とろりとしたスープ。狂おしいほどのコクに溺れてしまうこと間違いなしです!
店名:『京都千丸しゃかりき』
住所:京都市中京区聚楽廻東町3-9
TEL:075-813-5198
営業時間:11:00〜23:00(L.O.22:50)
定休日:毎週水曜日
中京区恵比須町 『名前のないラーメン屋』
御池通りと三条通りの中間にある木屋町通り沿いの謎のお店『名前のないラーメン屋』はビルのB1にあります。姉小路橋を渡った地下への階段を下っていくと、打ちっぱなしの壁面に観葉植物と、まぁオシャレなカフェのごとき佇まい……。実は、このお店には「本当に名前がない」らしく、誰かが『名前のないラーメン屋』と呼び名をつけたらしいんですね。
店内にはタッチパネル式の券売機があって、まずは《店内でお食事》→《らーめん》→《重層スープ》→《チャーシュー》→《増量》とオーダーを進めていき、最後にお金を入れて発券。空間を大切にした広々した店内のカウンターに陣取ります。引き出しに収納された箸と紙ナプキン、爪楊枝、調味料(胡椒、一味、山椒、ガラムマサラなど)。
ひととき待ちわびていると、目の前にらーめんが堂々登場! 濃厚そうなスープをひと啜り。きめ細やかな仕事がみえるスープの香しい豚ガラの濃縮臭。もちろん鶏の匂いも漂います。Wスープだから《重層》のようですね。お店と同じくきれいなお味ですね。エッジが効いた自家製らしき中細麺は、どろりとしたスープをよくまとい、麺とスープが往年のファミコンゲーム『ツインビー』のように手に手を取って、口中に滑り込んできます。軽く茹でられたキャベツやプチトマト、白ネギというのも面白い。
ズルリと食べ進め、名残惜しくレンゲで掬う最後のスープ一滴。出会いと別れ、かくも悲しきラーメン道。あっさり《淡麗ラーメン》も非常に味わい深くオススメです!
店名:『名前のないラーメン屋』
住所:京都市中京区恵比須町534-31 CEO木屋町ビルB1F
TEL:非公開
営業時間:[月~金]11:30~15:00/18:00~22:00 [土・日・祝]11:30~15:00(L.O.14:50)/18:00~21:00(L.O.20:50)
定休日:不定休
中京区壬生馬場町 『自家製粉石臼挽き小麦 洛中その咲 』
地元・四条大宮に、なんともこだわりの強いお店ができたというのを、引っ越したあとの2年前に聞きました。こちらのお店のこだわりは、“ラーメン屋ではなく、小麦を食せる定食屋”というコンセプトからもわかっていただけると思います。Twitterで事前に営業しているかどうかの確認をして、入店。行列はなんとか回避できました。入店後、すぐにメニュー説明をオーナーさん自ら行ってくれます。
まるで歌舞伎の口上のようなご挨拶がてらの説明を受け、とりあえず《mochimochi East(醤油ラーメン)※Westは塩だそうです》を注文。丼が届いた瞬間に息をのみました。それはかなりインパクトが大きかったからです! 麺が極太で本当にうどんじゃないかって感じのねじれ麺。このmochimochi麺。もはや、ラーメンの域を超えています。とりあえず麺をひと噛み。グ、グググ……ぶ、ぶつり……。この噛み応え、かん水が入っているから歯ごたえが違う! ここまでモッチリとした麺、まったく経験がない! これは、すでに餅の領域! それだけじゃない、このスープも鶏などのコクと深みを感じ、無化調なのか塩分のキツさやクドい風味を一切感じません。
うまい! でも、ラーメンとは思えない! そんな不思議な一杯でした。こちら、ラーメンだけでなく小麦のコース料理もあり、つけ麺も抜群に美味しいです!
店名:『自家製粉石臼挽き小麦 洛中その咲』
住所:京都市中京区壬生馬場町24-4
TEL:非公開
営業時間:12:00〜14:30/18:00〜20:30(L.o) ※21:30閉店 ※休業日や営業日時などの最新営業情報は【twitter】をご確認下さい。
定休日:不定休
中京区西ノ京 『ラーメン 霽レ空』
文化遺産・二条城がある二条駅前に、前からすごく気になっている店があり、初訪問してみることにしました。その名も『ラーメン 霽レ空』。外観からは、一見して醤油系か塩系を連想させる和風モダンテイストのお店です。入り口の券売機で、“名物”である《牡蠣そば》をチョイスしたのはいうまでもありません。カウンター席に陣取って、清潔感のある照明が目に眩しいい店内を観察。純和風カフェ風のすごくシャレたお店です。
しばらくして丼が目に前に現れると、その丼からはふわっと磯の香りがしてきました。そう《牡蠣そば》とは、濃い目の醤油ラーメンの上に“牡蠣ペースト”がのせられていたのです! とりあえず、シンプルに『新福菜館』にも似た漆黒の醤油スープをひと口。ほっ、ほう! じんわりとまろみのある醤油の奥から、旨みたっぷりの鶏が走ってくる感じですね、こりゃ。黒い霞に沈んだストレート細麺。箸で掬いあげれば、しっかりと重みのある麺。啜りこんでみると、のど越しが良い。プルプルとした弾力のある麺ですね。トッピングのバラチャーシューとメンマが昭和感を醸し出してくる。
そして、食の中盤……待ち望んでいた牡蠣ペーストを箸で少しずつ決壊させていきます。そのコクをまとったスープと麺。箸が止まらなくなるほど、味の深みに溺れてしまいます! 序盤の頃の味わいとは180度違う大変身です。まさに“全身整形”ラーメン! 素晴らしい一杯でした! こちらのお店では、上品な《塩ラーメン》も人気! こだわりの塩でこしらえた一杯も必食でしょう!
店名:『ラーメン 霽レ空』
住所:京都市中京区西ノ京永本町23-20
TEL:不明
営業時間:[火曜〜土曜]11:30~15:00/18:00~21:30 [日曜日]11:30~15:00
定休日:月曜日(月曜日祝日の場合は火曜日振替休業)
京都の中心部・中京区には、洗練された味や新たな味のシンフォニーを奏でるニューカマーなどが集結しています。右京区や伏見区などとは一線を画した、華やかささえ感じる中京区の京都ラーメン。あなたも観光の際には、ぜひ味わってみてください!
この京都ラーメンシリーズ、京都というのはこだわりの味をお客に直球でぶつけてくるお店が数多くあり過ぎて、まったく紹介しきれません!
次回もさらに私が暮らす京都の「めちゃ旨!」なラーメン店をご紹介したいと思います。