徐々に外に出る機会が多くなったとはいえ、基本的には巣ごもりが推奨されている中で、どこにいても肌は汚れる。花王が昨年11月に行った独自調査による「消費者意識調査」では16歳から69歳の女性を対象に肌の悩みで気になる程度について聞いたところ、毛穴の汚れについて67.6%がとても気になる・やや気になると回答したようだ。特に女性はマスクを長時間することにより自然に汚れるのはもちろんだが、化粧品の沈着による汚れも気になるようだ。
汚れそのものについては女性に限らず男性も同様だと思われるが、このような意識調査を踏まえて同社では毛穴の汚れに特化したブランド「ビオレ おうち de エステ マッサージ洗顔ジェル」シリーズを改良発売しているので、実際に使ってみた。
『ビオレ おうち de エステ肌をやわらかくするマッサージ洗顔ジェル』は、保湿重視タイプで角栓をほぐして毛穴の汚れを除去する。よって乾燥肌の方に向く。
『ビオレ おうち de エステ肌をなめらかにするマッサージ洗顔ジェル』は、ジェルの密着感をアップすることにより洗浄の感覚を増した毛穴の汚れをしっかりと吸着するタイプだ。よって、オイリー肌の方に向く。
どちらも透明なジェル状で、これまでの洗顔フォームとは少し違う。どちらかというと女性が使用するクレンジングジェルに似る。
使用感もブクブク泡が立つ石けんというよりも、クレンジングをしながら洗浄する感覚に近い。泡になる前にジェルが毛穴に入り込んで洗浄する感じと表現すればよいだろうか。男性には縁が遠いクレンジングとはメイク落としとも言われ、洗顔前に化粧を落とすためにするもので、化粧品は油性なので水性の汚れを落とす洗顔では落ちにくい。そこで油性の化粧を油で浮かせてから洗い流す工程が必要になる。これがクレンジングだ。化粧は使用後は肌にとって異物でしかなく、まさに毒には毒を持って制すの例え通り、油には油をもって浮かせる。
本品はクレンジングではないが、むしろ女性にはメイクのりを良好にするアイテムとして朝洗顔に向くのだろう。
男性には表面だけではなく中からサッパリする感覚を得ることができるので、行動前の洗顔に利用したい。
さて、実際に試用してみた。記者は男性でメイクはしないが、使用前の顔の様子をマイクロスコープで撮影したのがこの写真だ。
赤い斑点が毛穴で、特に汚れているようには見えないが皮脂はてかり具合でよくわかる。
使用後の写真がこれだ。なお、商品説明通りごしごしとこすってはいない。指の腹でクルクルと回すように撫でただけだ。
表面の皮脂は明らかに消え表皮が滑らかになっている。そして、毛穴の色が表皮とあまり変わらないようになった。ということは、使用前の毛穴の赤みがかった色は汚れだったということになる。
洗っただけでこうなので、女性がこの上からメイクを重ねていくのであればスタートラインがすでに違うことになり、メイク効果がはっきりするのだろう。
本来は女性に向けた製品だが、洗顔をするという点においては男女差はないので共有でもいいだろうし、男性が単独で使用するならシェービングフォームの代用として使用すればカミソリの滑りも良く一石二鳥と言えるのかもしれない。
※写真はすべて記者撮影