石井杏奈「生涯、現役でしたと言えるくらい、ずっとお芝居をやっていたい」 映画『砕け散るところを見せてあげる』で女優業への思い新たに

  by ときたたかし  Tags :  

中川大志さん、石井杏奈さんがダブル主演を務め、豪華キャストの共演も注目の映画『砕け散るところを見せてあげる』が4月9日に全国公開となります。本作は、アニメ「とらドラ!」「ゴールデンタイム」で知られ、各世代から支持を集める竹宮ゆゆこの同名小説を原作に、SABU監督が実写化した<常識を覆す、衝撃の愛の物語>です。

その公開に合わせて主演の石井杏奈さんにインタビューをしました。高校1年生で学年いちの嫌われ者・蔵本玻璃役はトイレに閉じ込められずぶ濡れになるシーンなど、いじめを受けている過酷な撮影もあり、「常に自分との戦いでした」と撮影を述懐します。何度も共演歴のある中川さんとの共演の感想を含め、さまざまうかがいました。

■公式サイト:https://kudakechiru.jp/ [リンク]

■ストーリー

どこにでもいる高校生の濱田清澄は、“学年いちの嫌われ者”と呼ばれて孤立していた一年生の蔵本玻璃を、いじめの手から救い出そうとする。清澄は玻璃の愛らしさと心の美しさに気づき、玻璃は清澄に感謝と憧れの想いを抱き、二人は心の距離を縮めていく。だが、玻璃には誰にも言えない秘密があり、玻璃を守り抜こうとする清澄にも〈恐るべき危険〉が迫る-。

●まずは豪華キャストの中で主演をまっとうされた感想をお願いします!

緊張しました。普段映画で観ている主演級の俳優さんがたくさんいらっしゃり、この方々がいて自分が主演の作品だと思うとすごく怖くなってしまうので、何も考えないようにしていました。撮影が始まる前までは自分が主演だからこの作品をよりよくしなければならないというプレッシャーと戦ったのですが、撮影に入ると役柄として生きて行けるので、主演だろうがそうじゃなかろうが、しっかりと生きようと思ったので、次第にプレッシャーはなくなっていきました。

●最初に出演が決まった時、蔵本玻璃という女の子についてはどう思いましたか?

小説を読み、玻璃のことが好きになりました。役柄に共感できましたし、応援もできました。なので、すごくお話をいただいてうれしかったのですが、それと同時に自分が玻璃を好きだからこそ、自分にプレッシャーをかけるように、自分が好きな玻璃を超えられるのかという、自分との戦いが常にありました。

●劇中では凄まじい演技でしたが、その戦いには勝てたのではないでしょうか?

どうでしょう(笑)。それは公開され様々な方の感想によって、いつかわかることなんだろうなと思います。撮影中は大丈夫なのか不安でしたが、監督が舞台あいさつで「この作品は自信作です!」と言っていただき、すごくホッとしたというか、自分の玻璃が認められた気がしました。そういう言葉を聞くことによって救われると言いますか、この役柄に対して勝ち負けではないですが、自分が演じた役柄への評価が決まっていくのだろうなと思います。

●SABU監督のリクエストは、どういうものがありましたか?

それはほとんどありませんでした。画の見せ方的な意味で、角度や距離感、歩くスピード、そういうリクエストはありましたが、お芝居に関しては自由に演じさせていただきました。自分が持って行った玻璃像と、大志くんの清澄像が、合わさるかたちで、この映画になった感覚です。

●濱田清澄役の中川大志さんとは何度か共演されていますが、今回は心通じあわせる関係性でしたね。

はい。四年に一度で、オリンピックみたいです(笑)。今まで同級生、幼なじみと来て、今回が恋人役なので、初めて距離がグッと縮まりました。それがとてもよくて、次第に距離が縮まっていく関係性に活かすことができました。距離が近いからこそ、今までは気付けなかった中川さんの良さを、たくさん感じることができました。

●ちなみに、どこに感動しましたか?

主演としてのたたずまいが素晴らしいなと思いましたし、とても過酷なシーンがあったのですが、そういうシーンでも場を和ませてくれたり、本人が楽しそうだからこちらもシリアスになりすぎずに楽しくできたり、わたし自身が清澄、中川さん本人に救われたことが多かったので、同級生や幼なじみ役では気づけない良さがたくさんあったなと思います。

●最近は出演作が続いていますが、女優としての仕事はどう受け止めていますか?

生涯、現役でしたと言えるくらい、ずっとお芝居をやっていたいです。というのも、自分が中学生からお仕事をさせていただいているなかで、高校生の役が終わり、大人の役が増えてきました。そうなると、経験していない役を演じる機会が増えてきました。今22歳ですが、25歳の役を演じなければならない時に25歳と22歳はどう違うのか、未来の自分を想像しなければいけなくて、それってすごく難しいですよね。なので、自分が経験したことをしっかりとお芝居に出していきたいなと思います。

●海外作品へのあこがれはありますか?

『レオン』(1994)を観た時にマチルダがかっこいいと思いました。何年も愛される作品になりたいです。女優さんというよりも作品になりたいです。

●「作品になりたい」という言葉に女優としての覚悟を感じます!

この先、結婚したり、子どもを産んだり、映画でも何でも共感して疑似体験をしたり、自分の経験が貫禄になってお芝居につながっていくのかなと思うと、一生やっていきたいと思う仕事です。おばあちゃんになった自分をおばあちゃんとして見せて行きたい。自分の将来は、歳相応に輝ける女優さんになりたいと思っています。

配給:イオンエンターテイメント
2021年4⽉9⽇(⾦)新宿ピカデリー、イオンシネマほかにて全国公開
(C) 2020 映画「砕け散るところを見せてあげる」製作委員会
PG12指定作品

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo