究極のコラボドラマ

  by 赤いからす  Tags :  

 

究極のコラボレーション企画ということで、地上波のTBSと衛星放送の有料チャンネルWOWOWが局の垣根を越えて制作されたドラマが放送された。

10月15日(月)にTBSで『ダブルフェイス 潜入捜査編』の前半が放送され、10月27日(土)にはWOWOWで後半の『ダブルフェイス 偽装警察編』が放送される。

この作品は香港映画の『インファナル・アフェア』をリメイクしたもので、ハリウッドでもマーティン・スコセッシ監督、主演レオナルド・デカプリオのタッグで第79回アカデミー賞の作品賞・監督賞など主要4部門に輝いた作品である。

ハリウッドがリメイクした『デパーチャーズ』はマーティン・スコセッシに念願の監督賞を獲らせた、と言っても過言じゃないくらい、オリジナル版の『インファナル・アフェア』は洗練されたストーリーが展開される面白い作品だった。

映画ファンなら誰もが知っているその作品を共同で制作するというのは賭けであり、かなりの意気込みが感じられる。

地上波のTBSで放送された『ダブルフェイス 潜入捜査編』は、オリジナル版に負けないくらい良かった。

潜入捜査官の西嶋秀俊がヤクザの幹部に潜り込み、エリート警察官である香川照之は内部調査を流すヤクザの潜入員という真逆の立場の二人が微妙に絡み合い、双方がスパイの存在に気づきはじめるというハラハラドキドキのストーリー。

アクションシーンも最近の日本のドラマではお目にかけないくらい迫力があった。画質から伝わってくる雰囲気も映画並みで重厚感があった。

オリジナル版をリスペクトしつつ、日本で起こり得るギリギリのアクションにうまく収めた感じで、お互い潜入して情報をもらしていることがバレるんじゃないかというスリルに見応えがあった。

視聴率は13.4%で、最近一桁台のドラマが珍しくなくなったことを考えればまずまずかもしれない。いつもは年齢層高めのサスペンス系のドラマを主に放送している枠なので、情報を持たないで見た人には違和感があったかもしれない。けれど、今回の企画を定期的に続ければ認知度が高まって楽しみにする視聴者も増えるのではないだろうか。

WOWOWが制作するドラマはもともと評判が良かった。スポンサーのしがらみがないため、脚本の役に合った俳優を自由に起用できる。それほど知名度が高くない俳優を使い、他の部分にお金を存分に使えることも可能だ。よって内容が奥深くてクオリティーの高いドラマが生まれる。

「ダブルフェイス」でTBSは質の高いドラマを放送でき、WOWOWは加入者の頭打ちを打開できる一石二鳥の企画だと思う。

尚、2012年12月~2013年1月に地上波のTBSでも『ダブルフェイス 偽装警察編』が放送される予定。

 

画像:WOWOW.co.jp (http://www.wowow.co.jp/drama/double-face2012/?ad_id=ys00000007087)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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