半グレ首謀?元SKEメンバー加担で逮捕!バイナリーオプション詐欺の手口!

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。

先日、驚くべきニュースが飛び込んできました。

なんと、テレビ出演などをこなすメジャーなアイドルグループ『SKE48』に所属していた元メンバー・山田樹奈容疑者が、為替の相場変動を予想しながら投資をおこなう金融商品《バイナリーオプション》のコーチング名目で金を詐取したとして、愛知県警に詐欺と特定商取引法違反(不実告知)の疑いで逮捕されたというのです。

100人以上の被害者から、約5,800万円を詐取した疑いがあるとみて、警察では被害の全容解明を急いでいるそうです。他の共謀者は男2人と女1人。逮捕者の首謀者は半グレである可能性も高く、山田容疑者も一味のひとりとみられるようです。

では、山田容疑者が加担していたというバイナリーオプション詐欺とは一体どのようなものなのでしょうか。

バイナリーオプションとは、オプション取引を元にする金融商品のひとつです。バイナリーオプション取引というのは、レートが上昇するのか下落するのかを自分で予測して、その後の《値動き》に伴い、利益が出るのか損失が出るのかが確定します。この損益額は、値幅で変動するわけではなく、固定されています。またFXと違い、レバレッジもないために追証がありません。ですから、《最大損失額》をキッチリと限定し取引ができるわけです。

これを利用したその手口とは?

今回は、このバイナリーオプション詐欺の手口について、バイナリーオプションに詳しい投資家で、株式会社WingWare代表である羽倉聡さんにお話を伺いました。

高額情報商材などのコーチング詐欺が横行

丸野(以下、丸)「バイナリーオプション詐欺の手口としてどのようなものがありますか?

羽倉さん「バイナリーオプション詐欺の場合、高額な情報商材もしくはツールを売るということが多いですね。しかも、そのほとんどのものがまったく役に立たない代物ばかり。だいたい、高額のUSBメモリになってますね。つまりは、“バイナリーオプションを成功させるコツ”とか“バイナリーオプション必勝法”のような、よくあるパチンコ必勝法の商材と変わりありません

丸「競馬とかでもありますよね、そういうのって」

羽倉さん「気をつけた方がいいのは、SNSで声をかけてくるときですね。SNSでつながって、直接メッセージでコンタクトを取ってくるというケースです。“超簡単な投資術であなたの資産を増やしませんか?”とか“実証!〇ヶ月で42倍に資産が増える!”という甘い言葉で誘い込み、架空口座にお金を振り込ませる、個人情報を聞き出そうとするなど仕掛けてきます。SNSのダイレクトメッセージというのは実際に相手の顔が見えないので、信頼できません。会ったこともない人間があなたを儲けさせようという話自体がおかしいんです」

丸「“あっ、こいつ怪しいな”という見極め方ってありますか?」

羽倉さん「高額の詐欺ツールを売っている連中というのは、“お金持ち風”を嫌というほど、強調してきます。高級品を身に着けた学生が、実際は詐欺で稼いでいるのに、いかにも投資で儲かったとうそぶき、派手な生活をしているところをSNSにアップして、煽る。

丸「なるほど」

羽倉さん「現状でうまくいっていないトレーダーの“あいつでも成功できる方法があるのか!”という心理の裏をかかれ、騙されてしまうというわけです。価格も数万円程度。10代後半の若年層でも手が届く価格帯に設定しているのが、狡猾なんですね

この購入しやすい価格設定は、前述の元『SKE』メンバーだった山田容疑者が起こした事件の他にも、主に20代をターゲットに約450人ほどの被害者を出した、24都府県総額3億5千万円超の《バイナリーオプション情報商材巨額詐欺事件》なども起きています。

実際に口座開設、入金させる詐欺手口

丸「その他にはどのような手口がありますか?」

羽倉さん「実際に、口座を開設させて入金を迫る手口があります。とにかく、簡単にすぐに儲かると思ってしまうようなサイトやWeb上の掲示板、SNS広告で“サルでもできる簡単投資!」などの宣伝文句を並べて、伸び悩んでいるトレーダーの関心を引いて、口座開設させるケースですね」

丸「ほほう」

羽倉さん「この場合、ほとんどの詐欺業者が、《出金条件》というものをつけてきます。相手から言わせると、バイナリーオプションの取引口座から出金させないための条件を出すという手口になります。まずは、口座開設のときに一定金額を入金すると、入金した額の50%がボーナスとして付いてくるという特典で勧誘。ですが、引き出しに条件があることが告知されておらず、契約内容に簡略化して書かれているだけなので、入金後のボーナスはもちろん元本すらも出金することができません

丸「ヒドイですね」

羽倉さん「さらに、悪質になると出金に応じないということもあります。トレーダーからの出金依頼を無視、それどころか出金のためには本人確認として住民票や戸籍などの個人情報、クレジットカード情報などの提出依頼をしてくる詐欺業者までいます。数ヵ月経っても、結局は応じてくれないという被害者もいますね。日本の詐欺業者もいますが、海外サイトから出稼ぎしてくる詐欺業者もいます。連中はすべて、無登録業者です。絶対に、無登録業者とは契約しないでください

丸「海外のサーバーを通じて、バイナリーオプション詐欺をしている場合もありますか?

羽倉さん「はい。もちろんです。海外の住所になっている業者、“必勝”や“絶対”という文言を多用したサイトなどには気をつけてください

羽倉さんは、バイナリーオプションはしっかりした知識を身につけ、取引をしないとまったく儲けることができないといいます。

一に勉強、二に勉強、それから経験を積んでいくという工程を省いた一獲千金など、夢のまた夢です。あなたも取引する際には気をつけて!

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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