心に刺さる言葉 ◆『意味なく群れるよりも、意志のある孤立を』

  by あおぞら  Tags :  

 心に刺さる言葉を書き留めていた。そのメモを捨てる前に、2021年の手帳に書き写した『意味なく群れるよりも、意志のある孤立を』と。

 はてさて、この言葉はどこから見つけたのだろうとグーグル検索して見ると、YouTubeで流れていた企業の広告だった。たった60秒の広告に珠玉の言葉が詰められていて、人の心を動かす。どれもこれも素晴らしい言葉だが、一番響くのが『意味なく群れるよりも、意志のある孤立を』

 英語訳を見て見ると….

Rather than being in a crowd without reason become isolated with a reason.
意味なく群れるよりも、意志のある孤立を

 日本語の響きも美しいが、英語の方がより明確な気がする。私はかつてニューヨークにある日本の金融機関で働いたことがある。駐在員の方々はエリート揃いで、オマケに性格も良く素晴らしい職場だった。ただ、あまりにも平和過ぎた感があった。

 後に人事異動で、ちょっとクセのある人が赴任してきて社内がぴりついて、このくらいの方が会社は正常に運営していくのではないかと感じたり、学んだり。

 クセのある人が参入してきても変わらなかったことがあった。それは昼休みに連れだってランチに出かけることだった。日本ではありがちな光景を、ここニューヨークでも見るのが少し奇異に映った。

 例えば美術館に友達グループで来る人たちがいる。そういう人たちは美術館内でもお喋りや写真撮影に夢中で、仲良しグループは確かに微笑ましいけど、あまり魅力的には感じない。

 その点、一人で美術館に訪れる人たちは、絵画の鑑賞法も悦に入っているように見え、スマートさを感じる。群れない人が美術館では圧倒的に美しい。

 一人で行動する人を、その昔は『友達がいないのだろうか?』と少しだけ上から目線で見るイヤな自分がいたが、今なら群れない単独行動をする人に敬意を表する。

 ここで集団で歌い踊るアイドルグループを持ち出すのは彼女たちに申し訳ない気もするけれど、昭和のアイドルの山口百恵は一人で戦っていた。しかも、人気絶頂だったわずか21歳で三浦友和と結婚し、芸能界をスパッと引退した。

 今まで芸能界を引退した人たちを思い出して欲しい、半分くらいは復帰しているのではないだろうか。山口百恵は既に還暦を超えているが、イメージでは21歳の輝いたままである。群れない山口百恵と団体芸アイドルとの違いは一体何だったのだろう?山口百恵は孤高のアイドルだった、引退したのはわずか21歳。

 思うに群れない人は成熟していると思う。群れない人は孤独と戦っていると思う。群れない人は冷静に人生に向き合っていると思う。

 もう一度、この言葉を日米両語でかみしめてみよう….

意味なく群れるよりも、意志のある孤立を

Rather than being in a crowd without reason become isolated with a reason.

ニューヨークから発信しています