「勝手に〇〇する」「いろいろおかしい」…不動産屋が語る“考えられない入居者”ワースト10

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。

筆者は不動産に関するポータルサイト『初めての不動産マガジン』の編集長を務めているんですが、不動産会社を訪れるお客様というのは性格も様々で、求めている物件、立地、条件、物件も多様です。

しかし、中にはちょっと考えられない常軌を逸した入居者もいる模様……。今回は「不動産業者が語る“考えられない入居者”」をお送りします。

お話をお聞きしたのは、大阪堺で50年の歴史を誇る不動産会社『大川商事』の代表・大川貴仁さん。なんでも、ちょっと変わった入居者が来社することは日常茶飯事のようで、部屋の中を観葉植物一色にする、勝手に増改築を繰り返す入居者、多頭飼いが過ぎる入居者などは当たり前。さらにそれを上回る考えられない入居者が存在するようです。

<写真:大阪・堺『大川商事株式会社』の大川貴仁代表>

そんな入居者をワーストランキング形式でお送りしたいと思います。

第10位 水道代がもったいないのでトイレを流さない入居者

大川さん「低賃金で働き、仕事が長続きしないので、水道代がもったいない。小も大もそのまま流さず、数日に一度流す入居者。立ち退かせた後は、トイレがすごい状態でした
丸野(以下、丸)「いやぁ、考えられないですね」
大川さん「風呂に水を溜めて、それで流していたようです。ハウスクリーニングが大変で、トイレの壁紙を総張替えしましたね

第9位 自分の名前を壁に彫っていた入居者

大川さん「壁紙をペリッとめくって、彫刻刀で自分の名前を器用に彫ってありました
丸「目的は何だったんですかね?」
大川さん「目的はわかりませんが、すごくうまかったですね(笑)

第8位 駐車場の車に貼り紙を貼らないと家賃を払わない入居者

大川さん「電話をしても、手紙をポストに入れても家賃を払わない入居者がいました。でも、駐車場に止めてある愛車に《家賃を支払ってください》という張り紙をすると、その日のうちに入金する入居者がいました
丸「なんでなんですか?(笑)」
大川さん「愛車が大事なんじゃないでしょうかね(笑)

第7位 ややこし過ぎるので不動産会社をたらい回しにされる入居者

大川さん「なんか素行がおかしくて、不動産会社をたらい回しにされているお客さんも多いんですよね。あと、粗暴でめんどくさい人とか
丸「“あちらの不動産会社の方が物件がたくさんありますよ”と断るわけですか?」
大川さん「そうですね。うちには紹介できる物件はない、と言いますね

第6位 入居中に何度も逮捕される入居者

大川さん「警察から電話があって、その入居者が住んでいるマンションの“防犯カメラを見せてください”と言われるんですが、その人何度も逮捕されているんですよ。で、ほとぼりが冷めたころに“ちょっと入院していた”とか“出張行ってた”とか言って、家賃を支払いにくるんですよね」
丸「バレてるのに?(笑)」
大川さん「そう、バレバレなのに。なにやって逮捕されていたのかは警察から教えてもらえなかったですけど」

第5位 家賃を増額して振り込む入居者

大川さん「“ワンルームで家賃は5万5千円ですよ!”と言って契約したのに、なぜか6万5千円とか7万円とかを毎回払い込んでくるんです。次回は、その差額を振りこんでくるのかな、と思いきや、また増額しての振り込み」
丸「どういうつもりなんでしょうか?」
大川さん「さぁ。お金は返しましたけど、すごくムダなやりとりです

第4位 いつも排水溝を詰まらせる入居者

大川さん「いつも“おい! 排水溝がまた詰まったぞ!”とまくしたてるようにクレームをつけてくる入居者さんだったのですが、実は自分の奥さんが、深夜に油とかいろいろなものを排水溝に垂れ流していて詰まってたんです
丸「バツが悪いですね(笑)」
大川さん「排水溝の掃除を“本当に申し訳ない”と言いながら手伝ってくれましたよ(笑)

第3位 マンションの花壇に無断で家庭菜園をつくる入居者

大川さん「物件のオーナーさんがすごく花好きでキレイな花壇があったんですが、中国人入居者がそれを全部引き抜いて、ネギやトマト、ナスなんかを植えはじめました
丸「とんだ家庭菜園ですね(笑)
大川さん「遠方に住んでいたオーナーさんが物件を視察したときに、驚愕されてましたね。すぐにその物件は菜園ごとなくなりました」

第2位 嫁に追い出されてわずか数日で部屋を探してほしいという入居者

大川さん「妻に三下り半を突きつけられて、家を追い出された入居男性は短期の生活保護を受けて、部屋を探してくれとやってきました。嫌な予感はしたんですが、やっぱり連絡がつかなくなって、家賃の保証会社が居所を突き止めました」
丸「どこにいたんですか?
大川さん「道端で倒れて、警察に野垂れ死にかけているところを保護されたようで、年老いた祖母の家に逃げ込んでましたね。そりゃ、奥さんに追い出されるような生き方をしているわけです」

第1位 低家賃で要望が多すぎる入居者

大川さん「“家賃2万5千円くらいで《オートロック》《駅近》《足が悪いので2階以下》《宅配ボックスあり》《近隣に大型スーパーがある》《階下にコンビニが入っている》はないか?”と来店されますね」
丸「2万5千円ですか?」
大川さん「そんな物件はないので、丁重にお引き取りいただきます……」

様々な個性を持つ入居者たち。丁寧に彼らの相手をする不動産業者のみなさんは気苦労が絶えません。

筆者も今住んでいる賃貸住宅の管理を請け負う不動産会社の担当者に感謝しようと思いました。

取材協力:
『大川商事株式会社』

住所:〒599-8112大阪府堺市東区日置荘原寺町47-1
TEL:072-285-0636/FAX:072-285-3720
URL:https://ookawa-s.co.jp/624.html

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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