RADWIMPSのバーチャルライブ「SHIN SEKAI」を体験!今後の新たな展望にも期待:年末ライブレポート

  by ときたたかし  Tags :  

人気アーティストの「RADWIMPS」が、 誰もがRADWIMPSの楽曲世界の主人公になれるという新しい音楽体験「ROLE-PLAYING MUSIC(ロールプレイング・ミュージック)」をコンセプトに、クリエイティブ集団PARTYの「VARP」と作り上げた「SHIN SEKAI」が昨年末、開催されました。アプリを通じて40余りの国と地域を対象に世界同時無料開催され、熱狂に包まれた2日間。その模様を簡単にレポートします。

■“SHIN SEKAI” RADWIMPS ROLE-PLAYING MUSIC teaser

アプリ「SHIN SEKAI」を使って無料参加できるこのヴァーチャルライブは、スマホを駆使して自身がアバターとなり、世界中のファン同士とともに物語に入り、旅に出ることができるというもの。

物語は、前半のコロナ渦に書き下ろした楽曲の世界から始まり、やがて希望の光を感じる明るい世界へ向かうように進行しました。

1曲目は「Light The Light」。コロナ初期に書き下ろした本曲では、夜空一面を星が駆け巡り、ジャケット写真やMVの世界観へ入り込めます。縦横無尽にアバターを動かして、疾走感も楽しめます。

2曲目「新世界」では、ワールドツアーが無くなったことを「廃墟化した都市」のメタファーで表現。恐怖と孤独感さえ漂いますが、でもそれでも前に進もうとするメンバーの後ろをついて行く体験にすることで、「新世界」に向かう姿勢を表現しているそうです。

3曲目は、昨年のステイホーム中に作られた楽曲 「ココロノナカ」。バンド15周年を振り返るようなアルバムのオブジェクトや、ユーザー同士が協力して扉を開けるロールプレイング体験が用意されていました。

扉を開けると、4曲目「グランドエスケープ (野田洋次郎ver.)」とともに新世界を目指して降下します。あの映画『天気の子』でおなじみの本曲を、めずらしく野田洋次郎の歌唱バージョンで音源を初公開しています。曲のテンポや歌詞に合わせて花火やスピードの変化で没入感を生み出す演出は、まるで映画の一場面のよう。深い感動も覚えました。

5曲目「スパークル」は、社会現象になった映画『君の名は。』で使用され、ファンの間でも高い人気を誇る楽曲です。宇宙のような空間に浮いた自身の周りには、今回のために撮り下ろした実写映像が流れ、さらに、真下を見下ろすと幻想的な演出が見られる仕掛けとなっていました。

6曲目の「いいんですか?」は、撮り下ろしの実写映像と、メンバー全員を高精度のモーションキャプチャ技術で撮影した3Dアバターのパフォーマンスを組み合わせて表現したもの。

楽曲に合わせた手拍子や、初めは巨大なメンバーが、なぜか最後には同じサイズに変化して目の前に現れるなど、一体感を味わえる演出が盛り沢山でした。ご存じの方も多いと思いますが、実は2009年のMV撮影時に嵐に見舞われたことから、同じファン、スタッフを再集結してMVを2017年に再撮影した本楽曲を、ワールドツアーが無くなった2020年に、再びヴァーチャル空間でMVを再現するというコンセプトで創り上げたそうです。

ラストを締めるのは、ライブでも盛り上がる定番曲「DADA」です。撮り下ろしの実写映像と3DアバターでRADWIMPSメンバーが演奏を繰り広げ、歌詞が次々と浮かび上がる構成に。楽曲の世界を現した印象的な空間では、全員が高く飛び跳ね、2020年の暗いニュースを吹き飛ばすかのように大きく盛り上がりました。

すべての楽曲が終わると、再び外の世界へ戻ります。すると、そこに掲げられたモニターには「UPDATES IN 2021 See you again soon!」の文字が!アプリ「SHIN SEKAI」のアップデートが予告され、これにはネット上も盛り上がりました。

コロナ禍でライブもままならなかった2020年ですが、なんとかファンとつながろうとするRADWIMPSメンバーの想い、そしてそれを心底満喫したファンの想いが、デジタル技術の力で可視化されたような熱いライブでした。生のライブが待ち遠しいですが、このシステムも興味深いものがあったので、今後は併用していくなど、新たな展開にも期待したいです。

ちなみについ先日、アプリ「SHIN SEKAI」がアップデート。さらに広大な世界が広がり、設置されたアルバムのモニュメントに近づくと、お馴染みの楽曲たちが。そして滝の前にもモニターがあり、映し出されたPVに見入ってしまいます。

公式SNSでは有料ライブの存在も明かされ、今後この「SHIN SEKAI」がどのような展望を見せるのか期待が高まります。

iOS|https://itunes.apple.com/jp/app/id1545022198?mt=8
Android|https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.radwimps.app.shinsekai

▼以下HOT tweetです(#RAD_SHINSEKAI)
「音楽の中に入った感覚 楽しかったです……!!!」
「超えられない壁があったけどそれを一つ乗り越えれたような気がする」
「初めはコロナで破壊された街に・・・最後は一緒に音楽を楽しんでるっていう物語になってて感動した」

▼公式サイト
https://rad.varp.jp/

▼実施タイムテーブル
2020年12月29日(火) 11:00~ 16:00~ 22:00~
   12月30日(水) 11:00~ 16:00~ 22:00~
※各回、放送内容は同一。

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo