新たな闇金融の登場!給与ファクタリングの後釜「後払い現金化」の手口とは!

どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。

弁護士会や司法書士事務所が電話相談を受けつけるなど最近社会問題になっている「後払い現金化」

二束三文のWebデータ商品にあえて高値をつけ、代金を後払いすることで販売して、販売した価格の数割を即座にキャッシュバックするという新たな闇金融の手口が「後払い現金化」です。

二束三文の商品とは、風景写真、FX自動売買ソフト、情報商材などなど、箸にも棒にもかからないものばかり。このように現金を融通をする業者が、2020年春以降に急増しているそうで、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で収入減した人や生活困窮者が利用しています。

今回は、様々な手法を編み出し、多重債務者を陥れる闇金融業者歴21年のO氏(53歳)に、現在問題になっている「後払い現金化」の手口を聞いてみました。

受け取った金額の約2倍の料金を支払わなければいけない

丸野(以下、丸)「最近、問題になっていますが、一体どのような手口なんでしょうか?

O氏「なんの役にも立たない商品、商品のほとんどはデータ提供。LINEにPDFファイルを送ってやって……。それを例えば8万円で買い取らせて、4万円をキャッシュバックしてやる。でも、債務が8万円あるからそれを次の月に支払ってもらうわけやな。支払いができなかったら、取り立てに走る。そんな同業者が今かなり多くなってるそうやわ」

丸「キャッシュバックの名目は?」

O氏「そやな、商品のレビューを書き込む謝礼、協力金とかキャンペーン中とかやな。期日までの支払いを条件に利用したやつに現金を融通するんやけど、サイトの中に“役立ちました”とレビューをひと言書き込んだら、半額ほどの現金は、申し込んだその日のうちに口座に振りこんでやるよ

丸「そうかぁ、困っているときにすぐに現金が手に入るという手軽さが人気なんですね

販売サイトに躍る《ブラックOK》の文言

O氏「実際のやり取りは現金だけということや。この形態は、現状では貸金業法や貸金規制法なんかの規制対象になってないから、ウチのネット販売サイトには《借金した履歴が残ることはありません!》とか《金融ブラック、自己破産者でもOK》なんて謳い文句が並んでるわ」

丸「年利にするとすごいことになりそうですね

O氏「なるよね。数百%ちゃうか? 支払えないと、家にも行くし、会社にも行く実家にだって行くしね。深夜に8時間くらい“刑事事件にする、詐欺師!”“ネットに個人情報を出すからな”って電話をかけまくったり、LINEやSMSに打ち続けたこともあったよ。だいたい、取り立てはメールや電話で済むけどな。だって貸金業法じゃなくて、単なる商取引の不履行やからね。支払わへんかったら、詐欺やでホンマ」

丸「でも、内容は闇金融ですよね……。いつくらいから、この手口をはじめられたわけですか?」

O氏「以前までは、“給与ファクタリング”が主流だったんやけど、問題が表面化して正直やりづらくなった。そこで考えたのが、商品が介在する“ねずみ講=マルチレベルマーケティング”の仕組みを使った《後払い現金化》やったわけやわ。だいたい、新型コロナが拡大した去年(2020年)の3月以降くらいからやったね。コロナショックで貧乏人が増えるというのが、オレらにとってはビジネスチャンスやから

丸「ビジネスチャンスですか……。《後払い現金化》の利用者から弁護士会の方に1,000件以上も相談が寄せられているんですよ」

被害者はワクチン投与が完了してもまだまだ増える

O氏「金を借りに来るやつらは、まだまだ増える。今で、全国に100軒近くの業者がいるんちゃうか。暑くなる夏にはコロナも落ち着くと思われていたけど、それ以降もコロナが終息しない。失業したり、店潰したりしてる飲食店経営者も多いからな。これから国民全員にワクチン投与が完了したとしても、生活の立て直しには時間がかかる。別の業者を利用させて多重債務に陥ってでも、支払わせるよ、ウチは」

丸「コロナ禍の中で、しばらくの間の生活費を手にするために仕方なく手を出した人も多いんじゃないですかね。そんな中で暗躍しているというカタチなんですね」

昨年春くらいからドメイン新規取得が急増した《後払い現金化》サイト。金融庁も《後払い現金化》の実態を把握中として、警視庁と共に捜査を進めているそうです。O氏は「キチンと法に則って情報商材などを売って、買ってもらっているだけ」と高笑いしていましたが、法整備されるのは時間の問題なのかもしれません。

もう一度言います。生活に困窮してしまったからといって、《後払い現金化》業者を利用するのはやめましょう。一時的にはそれでしのぐことができたとしても、後々後悔することは目に見えています。行き着く先は、精神的に追い詰められ、メールや電話に怯える日々です。

さらに、インタビューが終了する間際、O氏はこんな言葉で締めくくりました。

「《後払い現金化》の法整備が整ったとしても、次のアイデアはもう頭の中にある。また法整備が完了する間に次の一手を考えるのが、オレら闇金融の人間なんや」

(C)写真AC
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丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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