Jリーグも佳境に入り優勝を争うチーム、降格を逃れようとするチームの動向が気になりつつあります。しかし! さらに熱い戦いがJ2にはある!! メディアには取り上げられる機会の少ないJ2ですが、今年の面白さは100%保証! その理由は今季より採用されたJ2リーグからの昇格と降格制度。残り5試合を前にそのルールを把握すれば、ただ順位表を眺めるだけでも面白さ倍増です!
昇格制度
昨年まではJ1の下位3チームは自動降格、J2上位3チームがJ1に自動昇格というルールでした。これがJ2上位2チームが自動昇格、残りの1チームは3~6位によるプレーオフにより決定すると変更されました。6位までに入ることで、J1昇格の可能性があるわけです。J1昇格を狙うチームは、まずはこの6位以内を目標にすることになります。それを踏まえて残り5試合となったJ2リーグの順位表です。
順位 チーム 勝点 得失点差
1位 ヴァンフォーレ甲府 77 +25
2位 湘南ベルマーレ 64 +17
3位 京都サンガF.C. ※ 64 +13
4位 ジェフユナイテッド千葉 62 +22
5位 大分トリニータ 61 +15
6位 横浜FC 61 +12
7位 東京ヴェルディ 60 +19
8位 モンテディオ山形 57 +8
9位 栃木SC 56 +5
京都サンガは1試合少ない状況ですが、それでも2位湘南から6位横浜FCまでの勝ち点差は3。サッカーのリーグ戦の場合、残り試合数と同じ勝ち点差までは追いつくチャンスがあるといわれています。そうすると栃木まではプレーオフ出場のチャンスがまだあるということ。逆にいうと栃木は次の試合が非常に大事になってきます。
上位のチームはこれまで勝ち点を積み上げてきていますので、残り5試合で下位チームと戦うところが有利と思われるかもしれませんが、そうならないところが今季の混戦の理由のひとつ。下位チームはJFLに降格する可能性があるのです。
降格制度
Jリーグは名実ともに日本のプロサッカーリーグ。それにはJ2も含まれています。そのJ2の下に位置しているリーグがJFLです。企業や大学のサッカー部や地域のサッカークラブといったアマチュアチームにとっては最高峰のリーグであり、Jリーグ入りを目指すチームには避けては通れないリーグでもあります。
J2からJFLへの降格というのはすなわち、プロからアマチュアへの降格です。Jリーグ入りを目指すチームの選手はプロ契約をしていることが多数ですが、チームとしては「Jリーグというプロサッカーリーグに属するチーム」ではなくなるのです。そしてそれを逃れようとJ2下位チームも今、しのぎを削っています。
降格のルールは少々複雑です。まずJFLの上位2チームがJリーグ準加盟クラブであり、翌年度のJ2ライセンスが付与されている必要があります。それを踏まえてのJFLの現在の順位表を見てみます。
順位 チーム 勝点 得失点差
1位 V・ファーレン長崎 56 +29
2位 AC長野パルセイロ 53 +26
3位 SAGAWA SHIGA FC 46 +19
この上位3チームの中で来季J2に参加できる長崎だけです。長崎が1位だった場合、J2最下位となったチームは自動降格。長崎が2位となった場合はJ2最下位チームとの入れ替え戦となります。現在時点においては長崎と長野が激しい首位争いを繰り広げていますが、長崎の2位以内はほぼ決まりと見ていいでしょう。そうなるとJ2下位チームもただ試合を消化していくだけにはいきません。
順位 チーム 勝点 得失点差
19位 FC岐阜 33 -23
20位 カターレ富山 32 -18
21位 ガイナーレ鳥取 31 -45
22位 FC町田ゼルビア 28 -28
下位チームも勝ち点差が非常に少なく、未だに予断を許さない状況です。どのチームも相手がどこであれ勝ち点を狙ってきます。これが上位チームにとっても非常にやっかいで、リーグ自体をさらなる混戦に導いているのです。
残り5試合。J2に注目しよう!
J2はメディアに取り上げられることも少なく、各チームが経営に苦労をしています。リーグ自体を活性化させ注目を浴びるために、今季からのルールが適用されました。そしてそれは非常にうまくいっていて、残り5試合となっても未だに昇格チームも決まっていない状況です。
あなたの住んでいるところから一番近いチームでもいい。名前を知っているからという理由でもいい。この混戦でおもしろいリーグに注目してみてください。
今や日本代表に名を連ねる香川真司も、ハーフナー・マイクも、乾貴志もJ2で活躍して今があります。そんな次代の代表選手を探すのも楽しいですよ。