あっという間に大金を稼ぐ半グレ犯罪!「共済金詐欺師」に話を聞いた

どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。

1月14日、警視庁成城署は、大月みやこさんの妹に成りすまして投資を持ちかけた、72歳無職の梅原幸子容疑者を逮捕しました。

ニュースによると、容疑者は演歌歌手の大月みやこさんの妹を騙り、同じ千代田区の高齢女性に「利回りがすごい資金運用があるのでやってみない?」と大月みやこさんが所属する歌手協会に資金を預ける投資話を勧めて、650万円を騙し取った詐欺容疑で逮捕。

高齢女性とは近くの喫茶店で3年前に知り合って、何度か飲食代を支払って信用させたといいます。

配当の受け取り予定を過ぎても連絡はなく、音信不通になったことから高齢女性が同署に被害届を出したということです。

容疑者は警察の調べに対して容疑を認めているといいますが、他にも被害者がいるとみて、余罪を追及しているとのこと。

このように時代は変われど、投資詐欺話というものに騙される人というのは減ることがありません。

今回は、現実的で真実味のある投資話で誘い、言葉巧みに騙す共済投資話を語る詐欺師の手口について、元半グレ詐欺師のF氏(39歳)に話を聞きました。嘘と虚像、真実がマーブル模様のように混ざり合う投資話をバラまいて、人を騙すその手口。とくとお聞きください。

投資話は巷にあふれかえっている

丸野(以下、丸)「どんな相手をターゲットにしているんですか?」

F氏「そうねぇ、銀行に預けても仕方ない低金利の時代から、欲の皮を張らせた無知な連中がターゲットになっちゃうよね、どうしても

丸「なるほど。そんなときにFさんのような半グレ詐欺師が跋扈(ばっこ)するということですか……

F氏「基本的な共済金詐欺といえば、金を預ければ、預かった会社がそれを資金運用して利息をたっぷりとつけて返すという話。大抵、年利で30%~35%くらいで話をしている。このくらいのレベルなら、株式運用で配当がもらえると思う連中も増えるから……。でも、よくよく考えたら、普通預金の金利の何万倍にもなるなんておかしな話。そんなこと、インサイダーとか違法なことしないと配当できないよ」

丸「僕は年利で30%の配当なんて言われたら、“怪しい!”とドン引きしちゃいますが

F氏「世の中にはそんなバカげた投資話に引っかかるやつがいるのよ

まことしやかな投資話

F氏「ウチの会社では、だいたい50万円コースなら年利で4.5%100万円コースなら年5.5%200万円コースなら年6.5%という風に設定してる。何口でもOKだから、騙される奴はどんどんとつぎ込む

丸「ちょっと本当らしく聞こえますよね。まったく嘘っぽくない。自分が貯めているお金を預けただけで金儲けできるなんて、あるわけがないんですが……

F氏「日本人は金のことも知らないし、勉強をしようとも思ってない。マネーリテラシーが低いから、株の投資信託なんかと同じだと考えてすぐに騙されちゃうんだよ。しかも、それが近しい人だとすぐに信じる」

丸「そうですね。でも、そんな投資話を広めれば、あっという間にすごい金額になるんじゃないですか?

F氏「なるよ。オレ自身、すり抜けて後ろに手は回ってないけど、巨額詐欺事件を3度ほどやってる。知らないうちに投資金額がどんどん膨れ上がって、自分でも恐ろしくなったね。大体数十億。身代わりの人間を立てていて、本名すら明かしてなかったから、何とか逮捕からは免れたけど

丸「詐欺師が怖くなるくらいの巨額って……

F氏「なるよ。あれよ、あれよという間にすごい金額になってるんだから。そのときの親玉たちは、今はシンガポールとかタイ、カンボジア、マカオとかで悠々自適にやってる。オレたちはまだ末端だったから、高級車と高級時計を買えるくらいかな

丸「まぁ、人を騙したお金ですから、僕は返すべきだと思いますけど……

出資法を知らない人々が騙される

丸「そうなると、経済事件級ですね

F氏「何年か経てば、みんな忘れちゃうんじゃないの。同じような手に引っかかるんだからね

丸「こういった共済金詐欺などにはどういう風に注意すればいいんでしょうか?

F氏「まずは出資法を知ること。そもそも、出資させること自体が法律で禁止されているわけだから、ひっかかっちゃダメだよね」

《出資法第1条》
何人も、不特定且つ多数者に対して、後日に出資の払い戻しをし、出資金額もしくはこれを超過する金額に相当する金額を支払う旨を明示、あるいは暗黙のうちに明示して、出資金の受け入れをしてはいけない。

丸「出資法で禁止されていることを堂々とやっている会社なんですね

F氏「そう、そのとおり。これは共済金詐欺だけじゃなく、預かり金詐欺についても一緒。そもそもそんな話を持ってこれるのは、銀行とか証券会社とかしっかりとした認可を受けているところだから、それ以外はマユツバ話なわけ」

丸「世の中のみなさんには、そこを理解してもらって、騙されないように気をつけていただきたいですね

出資法などという言葉を知らないという方も多いと思いますが、毎年のようにこのような詐欺事件は起こっています。

この出資金詐欺に関しては、親告罪ではなく、詐欺に遭ってしまった被害者本人が警察に被害届を出せば、ちゃんと動いてくれる犯罪です。このような美味しい話を持ちかけられた際は、ぜひとも家族か警察にご相談ください。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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