新型コロナの感染拡大にあたって、政府は二度目の緊急事態宣言を発出した。とりあえずは、首都圏の1都3県ということだが、今後対象地域を拡大させる可能性も大きい。今まで自由にできていた外出が制限され、夜飲みに行くこともままならない。気持ち的に落ち込んでいる人も多いことだろう。
しかし、世の中落ち込んでいても始まらない。せっかくこういう機会なのだから、なにか自分にプラスになることをしてみてはどうだろうか。
そこでおすすめ…というか提案したいのが、「緊急事態宣言ダイエット」である。
実は私、この1年で10kg以上痩せているのだが、そのきっかけとなったのが、最初の緊急事態宣言だったのだ。
私は以前から肥満体型で、80kg以上の体重があった。当然、健康診断でもいろいろと引っかかり、医者からは痩せるように言われ続けていた。
しかし、私はどちらかと言うと「今が良ければいい」というタイプの性格なので、「将来のために痩せる」というようなことができずにいた。ついでに言っておけば、毎晩でも飲みに行きたいくらい酒が好きだし、東京五輪など中止になればいいと思うほど運動が嫌いだ。
確かに、ダイエットしようかと思ったこともあった。だが、ちょっとやそっと何かをやっても、簡単には痩せないのだ。心はとうの昔に折れていた。だから、今回これだけ痩せたというのも「結果」であって、最初の段階で「10kg落とそう」と思っていたわけではない。
ただ、緊急事態宣言が出たときに、多少の危機感はあった。今まで以上に外に出なくなれば、高止まりしていた体重がさらに増えてしまう可能性がある。さすがにそれは避けたい! せめて現状維持をしなければ。その思いで始めたのが、ダイエットにつながったのだ。
では、具体的に何をやったのか。それを項目別に紹介していこう。
1.ぬか床を作る
「なんでそんなこと?」と思われるかもしれないが、家にこもるにあたって、最初に考えたのは、野菜の保存だった。私はデブだけど野菜は嫌いではないので、何かしらでは食べたいと思っていた。買ってきた野菜を長持ちさせ、かつ美味しく食べられるのは何か? それを考えてたどり着いたのが、ぬか漬けだったのだ。
ちょうど今年の初め頃は、ぬか漬けがブームにもなっており、手軽に漬けられるぬか床も売られていた。ネットの情報などから、無印良品の『発酵ぬかどこ』に決め、それで漬け始めたのだ。ぬか床をなじませるための準備や、毎日のかき混ぜが不要ということで、手軽に始めることができた。これが予想以上に美味しく、食事のたびに食べるようになる。当然、その分だけご飯などの量は減るので、ダイエットにつながったというわけだ。
2.浄水器を買う
「痩せるためにはたくさん水を飲む」というのは昔から聞いてはいた。しかし、私はそんなに水が好きなわけではないし、酒やジュースの方が、手っ取り早くて、そちらに手を伸ばしていた。
値段的な問題もあった。ペットボトルの水を買ったって、そこそこ値段はするし、中途半端に残りがちだ。そこで思い切って浄水器を買うことにした。とは言っても、蛇口の先に装着できる、比較的手頃な価格のやつだ。もともと東京の水はきれいだと言われているし、家に来るまでに多少不純物が混じっていたとしても、浄水器で浄化されるだろう。これなら好きなだけ水が飲める。
浄水器と合わせて、1リットルの保冷水筒も買って、いつでも手元に置き、水が飲めるようにした。これで水分補給はバッチリである。糖類の入ったジュースを水に変えただけでなく、ちょっとお腹が空いたときにも、水を好きなだけ飲める環境になったので、間食も減った。加えて言うなら、水は冷たいほうが美味しいので、冷蔵庫に氷は常備しておき、水に入れて飲むとよいだろう。
3.YouTubeの大食い動画を見る
ここは、人によって感覚が分かれるところかもしれないが、私は、家にこもっている間、大食いの動画を見ることはにハマっていた。これも最初は、ダイエットしようと思って見始めたものではない。ただ、昔から大食いの番組は好きだったし、私の場合は、きれいな女の人が、もりもりとご飯を食べているところを見るのが好きだったのだ。
そして、暇にまかせてそれらを見ていた時、なんとなく自分でも一緒に食べているような気持ちになり、食べることへの満足感が得られていることに気づいたのだ。もちろん、「食べてる動画を見るとよけいにお腹が空く」という人もいるだろう。ただ、ものは試しで、一度見てみてもらいたい。それによって、食事の量を減らせれば、大いにダイエットに役立つことだろう。自分がお気に入りの大食いYouTuberを探してみるのも楽しいと思う。
4.少なくても満足できるものを探す
好きなものを食べるにしても、たくさん食べないと満足しないものもあれば、それほどの量でなくても満足できるものもある。頻繁に食べるものだけに、コンビニなどで、定番のメニューを探してみるのがいいだろう。私の場合、お昼は、セブンイレブンの『シャキシャキレタスサンド』と『あんこが入った揚げ食パン』の組み合わせ、それにホットコーヒーのレギュラーを買ってくれば、十分満足できた。夜は、おにぎり2個に、カップタイプのインスタント味噌汁という組み合わせが定番であった。(もちろん野菜のぬか漬けも食べた)
ちなみに、コーヒーは、カップのものであれ、缶コーヒーであれ、食欲を抑えるのに効果的であった。これは、私がもともとコーヒーが苦手であったからかもしれない。飲みすぎると、胃がやられるのだ。それだって、逆に考えれば、適量を見極めれば、食べ過ぎ防止にちょうどよく作用するということだろう。ともあれ、自分の好みや体質を考慮して、「少ない量であっても満足できるもの」を探すことが、大きな決め手となる。
5.胃を小さくする
これは、「少ない量でも食べて満足感を得られるようにする」ということだ。調べてると、実際に人の胃の容量というのは決まっていて、食べずにいたからといって、それが小さくなることはないらしい。つまり、「胃が小さくなる」というのは、単なる思い込みということだ。
しかしである、ならばその思い込みを利用すればいいのではないかというのが私の考えだ。朝と夜など時間を決めて、自分の胃のあたりに手を当て、「小さくなれ~、小さくなれ~」と念じるのだ。これをやっていると、本当に胃が小さくなっていく気持ちになる。そうなったらしめたもの。自分の満足する点を見つけ、食事の量を減らしていけばよい。
6.停滞期には、脂肪燃焼スープダイエットを試す
どんなダイエットでもそうだが、なかなか体重が落ちない「停滞期」というのがある。そんなときに試してみたのが、「脂肪燃焼スープダイエット」だ。これは、キャベツやセロリなどを中心としたスープを飲みながら、1週間かけて体重を落とすというダイエット方法で、ネットで検索すれば、詳細なやり方が出てくる。昔からその存在は知ってはいたものの、普通に会社に行っているときは、昼ごはんにわざわざスープを持っていくようなこともめんどくさい。仮に持っていったとしても、外出中だったりすれば、ひとりで食べる場所を探すのもひと苦労で、現実的ではないと思っていた。しかし、今回の緊急事態宣言によるテレワーク推進で、自宅で作業することが可能となった。もちろん、自宅にいられるのなら、どんなものを食べようが自由だ。このダイエット法は、自粛期間中にはもってこいなのだ。
サイトによっては、「1週間で5~8kg痩せる」と書いてあるが、さすがにそこまでの効果はない。ただ、2~3kgは痩せるので、停滞期の打破には、ちょうどよいのではないだろうか。
7.お酒は飲んでもいい
ダイエットの方法によって、一番大きく異なるのが、お酒を飲んでいいかどうかだと思う。ダイエット中はお酒を控えるべきという主張もわかるし、実際にその方が痩せる人もいるだろう。ただ、私の場合は、お酒を飲んでいたことで、食べることを控え、それでも満足感を得て、結果的に痩せることにつながった。なので、この点は、それぞれの判断でよいと思う。
ビールは炭酸でお腹がふくれるし、日本酒を飲んで酔ってくれば、それ以上何か食べるよりも眠りたくなる。何より、食べるのを制限することで、多少なりとも感じるストレスを、お酒はうまく発散させてくれたように思うのだ。飲みすぎない程度に飲むのなら、ダイエットにも効果的だろう。
どうだっただろう。全部を私に合わせる必要はなくとも、ここで挙げたことを参考に、自分なりのダイエットを見つけてもらえれば、何らかの効果は得られるのではないかと思う。せっかくの緊急事態宣言、ただ、おとなしく家にこもっているのではなく、なにか目標を持って過ごし、また自由に外出できるときに備えるのもよいのではないだろうか。
※画像はイラストACより https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=537668&word=%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AB%E6%88%90%E5%8A%9F%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%BD%E3%81%A3%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%8A%E4%BD%93%E7%B3%BB%E3%81%AE%E7%94%B7%E6%80%A7&searchId=1832018416