マスク高額転売ヤーの末路! 半グレ集団とのトラブルで見た“地獄”

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。

新型コロナウイルス感染拡大で一時品薄状態になったマスクですが、アウトローたちは当時これをメシの種にしていたようです。

実際に当時不織布マスクを大量に仕入れた広域指定暴力団員が、1億近い購入代金を踏み倒すために、マスクの販売業者の男性を監禁し、恐喝未遂と監禁で逮捕しされました。

逮捕された容疑者のヤクザは、貿易商の男性から「転売の目的で手に入れた」と供述。警視庁は、市場にマスクが出回りはじめた5~6月に高額で転売が不可になったために、その支払いを免れようと男性を風俗店に呼び出し、11時間ものあいだ監禁したとみています。

この事件で暴力団がコロナ感染拡大の中で、マスクの需要を利用し、組の資金を得ようとしたことは今までなかったことだといっています。

しかし、以前からこのマスク特需を利用して、一獲千金を試みようという輩は多くいて、筆者としては「今頃逮捕かよ」という感じがするんですね。

今回インタビューするのは、マスクの高額転売で半グレの若者たちとトラブルになってしまった箕輪一志さん(仮名、42歳)。

彼はどんなトラブルに巻き込まれ、どんな目に遭ったのか、コロナ禍で地獄をみた男に話を聞いてみました。

※写真はすべてイメージです

キッカケはショッピングサイト

丸野(以下、丸)「どんなキッカケで半グレの若者と接点を持ったんですか?

箕輪さん「初めは、3月くらいに普通にマスクの大量注文をもらってですね。直接コンタクトがあったんですよ。しかもそれも女性で、丁寧な口ぶりの文言がメールに書きこまれていたので、安心して商談することになりました。電話でも女性でしたし、ちょっと鼻の下が伸びてました……

丸「箕輪さんは貿易をされているのですか?」

箕輪さん「いえ、専門ではありません。中国とかアルゼンチンとか、オークションで出品している海外の人間と交渉すれば、いとも簡単に手に入りますよ。中国語と英語は片言で話ができるので、なんてことはありません。中国では事前にコロナ騒ぎがはじまっていたので、日本の流行と時期が違うんです。終息期で、マスクなんてほとんど値段がつかないものばかりで……

丸「中国ではもうコロナ流行は事前にはじまっていたと?

箕輪さん「ええ。去年の年末くらいからですかね。日本や全世界の国々とは、時期がズレ込んでいます

丸「今年の3月~4月のマスクが品薄になったときには、めちゃくちゃ儲かったんですね」

商談に出向いて待っていたのは

丸「どのくらいのストックがあったのですか?」

箕輪さん「そうですね。当時でいうところの4千万円分くらいは……

丸「大きいですね」

箕輪さん「当時、とことん(お金)張り込んで倉庫を借りてました。そこにストックしておいたものですが、10倍くらいの値がつくもんですから、ボロ儲けです。で、契約するときに指定されたホテルの一室に行くと、ちょっとケバい感じの女の子がいまして……。お酒も入っていたし、むこうが積極的だったんですよ。それでベッドに押し倒すと、4~5人のガラの悪そうな集団が入ってきて……。

丸「それから?」

箕輪さん「そのままおそらく裏口から出されて、車に乗せられました。スタンガンを当てられたんですね。意識も朦朧としていたので、どこをどう行ったのかはよく覚えていません。それからは半グレたちの息のかかったであろう、クラブのVIPルームらしきところに連れていかれました」

丸「それから、どうなったんですか?」

箕輪さん「“ウチの女に手は出すわ、高額でマスクを売りつけるはどういうことだ!”と、すごい剣幕で……

丸「美人局で、脅されたわけですか

まさに泣きっ面に蜂

箕輪さん「“オークションでの転売ビジネスは禁止されているはずだ、片目を潰してやる”とまで言われて。そこまでにも相当殴られていたので、体が硬直して、まったく抵抗できませんでした。マスク転売で儲かって人生を謳歌していたのに、真っ逆さまですよ、本当に……」

丸「値段の吊り上げをやってた代償、ということですかね……」

箕輪さん「本当に転売ビジネス、バンザイでした。でも、今回は販売した相手が悪かった。相手は半グレグループの名前を出していましたが、素人にはわかりません。“ああ、そういうグループがあるんだな”と。今回、逮捕された事件で驚きましたよ。自分と同じ目に遭っている人がいるんだな、と。でも少し違うことがあるんです。私の場合は、ストックしていたマスクを全部窃盗される被害に遭いました

丸「え、全部ですか?

箕輪さん「そうです。3~4百万円分持っていかれました。さもないと帰さない、と。それに写真があるから、妻にも子供にもそれを見せると……

丸「そりゃマズいですね。バッチリ写ってるわけでしょ?」

箕輪さん「“ドアが開いているから監禁じゃない”といいながら、丸1日軟禁状態にされて、借りている倉庫に行き、在庫として置いてあったマスクをすべて持ち逃げされました。警察に言うべきかどうか悩んで、未だに被害届は出していません」

中国に対して4月下旬に発注し、6月上旬に届いた中国製マスク。しかし事件が起こったのは、もうすでに6月半ば。もうマスクは市場に出回りはじめました矢先でした。転売で稼げると踏んだ彼らが強奪したマスクは、もう値段が上がらなかったはず。

こうした“転売ヤー”たちのマスクはその後、どうなってしまったのでしょう。 案外、あなたの身近でたたき売りされているかもしれません。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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