『再選率70%』を成し得なかった近年50年間の大統領3人 ◆ トランプ大統領が屈辱の4人目仲間入り?

  by あおぞら  Tags :  

アメリカ大統領に成りうる人物は、誰よりもプライドは高い。世界一の大国のトップになるわけで、超人的なスケジュールを任期4年間全うする。そして、2期目を目指し再度アメリカ大統領に立候補し、再選率70%の選挙戦に突入する。

過去50年で再選されなかった大統領が3人いる。再選されないのは大いなる屈辱。その屈辱を味わったのは…

・ジェラルド・フォード(第38代、共和党、1974-1977)
・ジミー・カーター(第39代、民主党、1977-1981)
・ジョージ・H.W.ブッシュ(第41代、共和党、1989-1993)
である。

再選されないということは、アメリカ国民からNO!と拒否された結果で、それは大統領として務めた4年間をまるで否定されているようなものである。

上記3人の屈辱の再選されなかった大統領の理由を、私なりに考察してみると、ジェラルド・フォードは繰り上がりで大統領になったような人物。要はリチャード・ニクソン大統領が、ウォーターゲート事件で辞任したため、副大統領のフォードがその職を繋いだということだ。だから、パワーに欠ける大統領であった。その為、ジョージア州知事のジミー・カーターに敗れたと思う。カーターも大統領になるには線の細い候補者であったが、そのカーターに敗れる程、フォードはアメリカ国民の心をつかめなかった代理の大統領だったのかもしれない。

現役大統領を破ったジミー・カーターの再選を拒んだのは、ロナルド・レーガン。レーガンはカーターより13歳上で、討論会では不利に映るようにも思えるが、そこは”カリフォルニア州知事”で元俳優、カリスマ性が違う。大統領選で視覚からアピールするこの討論会の影響は大きい。政策も大切だが、印象も同じく有権者を左右する。

ジョージ・H.W.ブッシュはレーガン大統領を支えた良き副大統領だった。副大統領から大統領へ理想的な移行が出来た。当時の対戦相手はギリシャ系のオリンピア・デュカキス。デュカキスはマサチューセッツ州知事からの鞍替えを目指した。討論会では長身のブッシュがスマートに映り、小柄のデュカキスはちょっと見劣りした。ブッシュの再選を阻止したのはビル・クリントン。地味な州のアーカンソー州知事だったクリントンには若さがあった。高校時代、ボーイズ・ネーションという団体に参加し、ホワイトハウスから招待を受け、当時のケネディー大統領と握手しており、その写真はアメリカ国民に強烈な印象を残した。ブッシュは現役大統領でありながら、若く新鮮味のあるクリントンに敗退した。

さて、投票日から2日経過しているが未だに集計中のアメリカ大統領選挙。トランプ大統領が早々と勝利宣言を勝手にしてしまう茶番には失笑モノだが、郵便投票で票を追い上げているバイデンがどうやらアメリカ大統領に選出される見込みのようだ。

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トランプ大統領は集計に不正があったと複数の訴訟提起をしているとのこと。おそらくすんなり負けを認めたくないため、これまた茶番を演じているような気がする。敗戦してしまっても将来的にテレビに出て「選挙は互角だったけど不正があった」と言い訳をする体制を整えているように見える。

大統領に再選されなかった人たちは、ホワイトハウスを去り、首都ワシントンからそれぞれの地元に戻る。空港からワシントンを去る姿がニュースで映し出されると、なんとも寂しく、悲哀に満ちて思わず目を背けたくなるほどだ。

あの強気の、あの負けず嫌いの、あのトランプ大統領がその立場になるのか?トランプの再選は望まないが、首都を去る姿をニュースで晒されるのは気の毒になる。

画像: from flickr
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