「広東料理店」と「お好み焼き店」が共存する謎の店?! 謎だらけの激ウマには理由があった

  by 丸野裕行  Tags :  

どうもライターの丸野裕行です。

最近、仕事の関係で神戸三ノ宮に出向く機会が多くなっているのですが、神戸三宮というのは美味しいものが揃っているんです。

まず、名物としては神戸牛のステーキ。

行くたびに目の前の鉄板で繰り広げられるシェフのナイフテクニックなどを拝見していると、味以外のプラスアルファの部分で、かなり楽しめます。

さらに少し足を伸ばせば、元町中華街があり、騒がしい呼び込みなど街の喧騒や朱色に染まった街の風景。

見たこともない大きさの乾燥クラゲや乾燥アワビ料理、カエルのから揚げなどなど普通の中華屋さんでは食べられないような料理を楽しむことができます。

しかし、お世話になっている企業の社長さんから「そんなところばっかり、行ってたらアカンよ」と電話がありました。

ちょうど神戸にきていたので、そのお店に連れて行ってもらうことになったのですが、そこには激ウマの奇跡のコラボ店があったのです!

この二つになんの関連性が……

JR三ノ宮駅を下車し、10分ほど歩くとトアロードという坂道があります。その中ほどを左に登ってすぐ。

そのお店がありました。

「ここ、ここ」

指さされた小さなお店。どう見ても、遠目からは居酒屋さん。しかし、赤提灯が……

ん、ん、ん? 広東料理……、お好み焼き? どういうこと? 店の前に立ってみると……

あっ、広東料理って書いてある! 《広東料理お好み焼き処》っていうことですか?

広東風お好み焼きという第三のビールみたいな新ジャンルなのだろうか……。

店内の異空間感はハンパない!

そうこうしているうちに、何のためらいもなく社長が入っていくので、筆者もそそくさとあとをついていきました。

店内は、大きな鉄板がカウンターに鎮座し、天井はなぜかロココ調。ドキュメンタリー番組でしか観たことのない集団就職があった時代のような、昔の上野駅にでも吊るしてあったかのような大きな昭和時計。

振り返れば、窓辺は、中華料理屋さん!

<写真:ボジョレーヌーボーは解禁>

なんだいこのごちゃまぜの異空間は! まるで、名古屋めしの『台湾ラーメンアメリカン』みたいなカオスな状態になっているじゃないか!

お好み焼きのメニューが見当たらない

あのう、このお店は一体なに屋さんなんですか?

「だから、広東料理処のお好み焼き屋さん

はぁ

何だか狐につままれているような感覚でもないが、とりあえずメニューを見てみよう。え~っと……

広東料理……

広東料理……

中国料理系のスイーツ! お好み焼きのメニューが見当たらない!

ためらいもせずに社長が「お父さん、ジャスミンハイと紹興酒ください」とドリンクをオーダーした。

「ここで、お好み焼き食べたことあるんですか?」

いや、ないと思う

じゃあ、中国料理屋やないかい!

本格広東料理の数々が続々登場!

人柄のよさそうなお父さんがドリンクを持ってきてくれたので、とりあえずは乾杯。

どうやら、お父さんは接客のようで、厨房の中では鉄板の上で男勝りにコテを豪快にふるうお母さんが、「これでつないどいね」と前菜をさっと出してくれました。

前菜:柔らか豚と枝豆和え、ばい貝煮、チャーシュー、クラゲ酢の物、ピータン

ピータンは濃厚で食べたことがないほど熟成が進んでいます。クラゲはぶりぶり、すべてがうまい! ばい貝は日本風の醤油の味付けで、やっぱりこのお店のジャンルがわからない。

主菜/魚介:アユの豆板醤煮

いつもの塩焼きなら、蓼酢(たでず)で食べるはずのアユがこんな風に調理されるんて知りませんでした。お母さん、ただ者ではありません!

なんと芸能人御用達の店だった

なぜ、こんなに気の利いたおいしい中国料理が出てくるのか。あとからやってきた息子の張宗樹さん。彼が腕をふるうことも多いといいます。

その息子さんが、写真をたくさん見せてくれました。

J-WALKさん

TUBE前田さん

藤井フミヤさん

國村準さんと僕の映画『木屋町DARUMA』で準主役の三浦誠己さん、『きのう何食べた?』で人気の西島秀俊さん

どうやら、この隠れ家のような『千代』は、芸能人が続々と来店する名店だったようなのです。

さらに続く本格広東料理!

料理は続くよ、どこまでも!

主菜/魚介:イカの中華風

イカは絶妙な火加減でかなり柔らかくうまい! 筆者も料理をしますが、胴部分は柔らかくても、ゲソだけは硬くなってしまいます。それがないのが素晴らしい!

湯菜:ふかひれスープ

春雨状になったふかひれスープと思いきや、

レンゲで底をすくうと、ドでかいふかひれの姿煮が登場!! こんなでかいやつ、食べたことない!

そんなとき、ある疑問が……

こんな腕のいい名店、創業数十年になっていてもおかしくないのに、お店がキレイだし、なぜなんだろう。つかの間、筆者はそんな疑問がわきました。

そんなときに、隣で歌手の方と食事を摂っていた柔整師の先生が、このお店のお話をしてくれました。

ここ神戸には、いつまでも街から消えることのないある歴史があるというのです。それが、神戸が激震に見舞われ、大火に包まれた《阪神大震災》だったんですね。

先生「このお店は、実は4軒目になるんですよ。みんなが通っていた張千代さんのお店は、こんな風になったんですわ

千代さん「でも仕方がないから、頑張らないとね、と奮起してお店を続けたんやわ

<写真:元気な張千代さんと常連の柔整師の先生>

筆者「なんで、これだけおいしい広東料理屋さんなのに、お好み焼き屋さんまでやってるんですか?

<写真:ひかえめなお父さんは人柄の良さが出ている>

息子・宗樹さん「父が他の中国料理店で働いているとき、ウチの母親は、“働かなくちゃ!”と妹を身ごもっているにもかかわらず、勝手に夜までやっているお好み焼き屋をはじめたんです(笑)。で、父が帰ってきて手伝って、広東料理も出すようになったら、近くで深夜まで飲食店で働いていた中国人のお客さんがいっぱい来てくれるようになりまして

ほぉ~それで、《広東料理処》と《お好み焼き》が共存しているのか! ここ数時間の疑問が気持ちよく晴れました!

なんと千代さんはあの人気グルメ番組に出演の人気料理人だった!

さらに、

主菜:水餃子

主菜/魚介:大海老のチーズクリーム煮(ソースはバケットにつけて)

主食:平打ち麺のネギ生姜炒め、パクチー載せ

と連続で出てくるのですが、なんでこんなに腕がいいのか、千代さん! もう腹いっぱいですよ!

すると、先ほどの写真を、筆者は再びめくりはじめた。

な、なんと!!!

千代さんの隣に、料理研究家の服部幸應先生!

赤坂四川飯店オーナーで中華の鉄人・陳建一さんと、千代さん親しそうにしてるし!

実は、千代さんこと張千代さんは、昔『料理の鉄人』に出演してからというもの、NHK『きょうの料理』やテレビ東京『料理の怪人』など、雑誌やマスコミで超有名な中国料理人だったのです!!

「はい、おまちどうさん、焼けたよ~!」

いや千代さん、お好み出てくるんかい!

すごくおいしい名店でした。

ご家族の人柄も温かくて、ほっこりできるお店です。みなさんもぜひ!

『広東料理処お好み焼き 千代』

住所:兵庫県神戸市中央区中山手通3-2-1 トア山手ザ神戸タワー1F
TEL:078-332-5925 ※予約可
営業時間:ランチ(11:30~14:00) ディナー(17:30~22:00)
定休日:不定休 ※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
公式サイト: http://chiyo4574.com/ [リンク]

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『丸野裕行の裏ネタJournal』や『初めての不動産投資マガジン』『神戸製薬株式会社present's NEOYAG』などのポータルサイト編集長、文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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