新型コロナの感染は落ち着いてきたニューヨークですが、街の様相は一変しました。五番街のいつもなら観光客で溢れる大通りに立ち並ぶブランド店の中には、平日、店を閉めている店舗もあります。
コロナ禍で大打撃を受けたのは1818年にニューヨークで創業した世界最古の洋服屋、ブルックス・ブラザーズが先月7月8日に経営破綻したことです。ニューヨークで創業したということもあり、多くの店舗がニューヨークにあり、アウトレットにも出店していました。
↑上記写真はエンパイアー・アウトレットの店舗ですが、経営破綻して暫くすると店舗はもぬけの殻になっていました。なんとも寂しい風景でしょう。
老舗洋服屋の経営破綻は想像もしていませんでしたが、犬の総合施設も空き家となっていました。下記の↓写真はアッパーウェストサイドと言われる、お洒落な地域で地価も高い場所にあるアメリカケネルクラブ経営の、犬のしつけやトレーニングを行い、またグルーミングも行う”犬の幼稚園”的な、総合施設も既に空き店舗です。
飲食業も店を閉めるレストランが続出です。↓以下のレストランはDos Torosと言うメキシコ料理のチェーン店でマンハッタンには何店舗もありますが、ダウンタウンの金融街ウォールストリート近くの店舗でこの状況です。コロナ禍で金融街のサラリーマンたちはリモートワークに切り替わり、人がいなくなったことが影響していますが、まだ、このような大手のチェーン店は余力があるのか、ホームページでこの店舗を調べると”一時的に閉店”となっていました。
個人経営の飲食業は、その点キツイです。空き店舗が悲しい位に増えていき、ニューヨークのいつもの光景と違い、これほど覇気のない、みすぼらしいニューヨークの姿を見るのは悲しいですし、それより、こんな状況が起こってしまったのが信じられません。誰もこの時代に疫病にやられるとは想像もしていなかったでしょう、しかも、それは世界規模でです。
ホテルも営業はストップのままで、観光客がいないので仕方ないですが、ホテルの従業員たちは既に失業保険を受給しているのでしょうか?ホテルを眠らせておくことの無念さ、このマンハッタン閑古鳥の状況は一体いつまで続くのでしょうか?
ニューヨークタイムスによるとマンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、スタテンアイランドのニューヨーク市は、3月から5月で人口の5%にあたる42万人が流出し、その傾向は止まらないとのことです。
地価が世界のトップレベルのマンハッタンの流出が一番多いことでしょう。こんな状況下の中で高い家賃を払い続けるのは無理で、何より失業者がこれほど増えれば、物価の高いニューヨークから人が離れていくのは自然の流れでしょう。
ただ、どの街もどの都市もどの国も、予想外の新型コロナ感染と戦って、今の暮らしを維持していかなくてはなりません。数多くの空き店舗を見て気落ちしますが、それでも、何かしら這い上がる気持ちは持ち合わせ、大変だから慎重に生きていこうと感じています。