『快傑えみちゃんねる』を自ら閉じた上沼恵美子を褒めよ!

  by あおぞら  Tags :  

関西テレビの名物番組『快傑えみちゃんねる』があっけなく番組を終了した。年数にして25年、放送回数にして1000回を超える長寿番組、終了する必要など微塵もないと思っていたのが大方の人の見方ではなかっただろうか。

最終回を見た。まさかこの回が最終回になるとは、司会の上沼恵美子も、太平サブローも思っていなかっただろう。

最終回のゲストは20年ぶりの小堺一機。安定感バッチリで巧みな話術は上沼恵美子を笑わせていた。そして常連のアンタッチャブル柴田、武田修宏、上島竜平、ゆきぽよ、そして初出場はクセメン俳優と呼ばれる坂口涼太郎。この方の存在はこの最終回で初めて知った。

上沼さんご自身が仰る”えみちゃんねる”は”縁起のいい番組”。よって、この番組に出演すると売れるようになると言うのだ。今回は最終回だから、その言葉は聞けなかった。おそらく編集でカットしたのかもしれない。ただ、上沼の予言通り坂口涼太郎はブレイクするだろう。

この番組は最後の最後で世間に問題を問いかけた。レギュラーだった梶原を番組内で20分間も罵倒し、番組そのものをお蔵入りさせた。そして梶原が6月に降板し、わずか一か月後に人気長寿番組だった『快傑えみちゃんねる』が番組自体を終了。

確かに上沼恵美子の冠番組で視聴率も高ければ、関西テレビは演者に気を遣って当たり前だし、マスコミで言われる女帝のようになっていたかもしれない。しかし、上沼恵美子は取り巻きを大事にし、スタッフを労い食事会にはお金を惜しまなかったという。

番組を終了までに導いてしまったのは、梶原のケチさ加減だったと思う。拾ってもらい、チャンスを与えてもらい、ずっとご馳走になりっぱなしで、普通の神経をしていれば、師匠と言えるようなお世話になっている上沼恵美子の年収を超えるくらいの稼ぎがあるなら、上沼恵美子が梶原やスタッフにしている大盤振る舞いを成長した証としてすべきだったのである。

それをしなかったことを番組中に叱責された。番組自体はお蔵入りになったが、ことあるごとに上沼にご馳走をお願いされていて、全く返礼をしていなかった梶原の無神経さと、ケチさ加減には呆れるばかりだが、しかし、そのような人間に肩入れしていた上沼恵美子も自分の目を見誤ったと反省はしていたほうがいい。人前で罵倒して縁を切るより、黙って疎遠になるように持っていく方が両者にとっても傷は広がらなかったと思う。

『快傑えみちゃんねる』によく出演していた花田虎上は、番組終了にあたって、個人的に交友のある番組司会者の太平サブローと話し泣いたと言う。デイリースポーツの記事から知った。これはいい話だ。

上沼恵美子は義理人情、そして礼儀を重んじる。花田虎上はまさに上沼恵美子のお眼鏡にかなった人物だった。

花田虎上の番組終了の涙を知ることにより、上沼恵美子の大きさがわかってきた。テレビで名前こそは出さないが、無礼な人たちの話をよくしていた。今回のこの騒動で、新たに知ったことだが、一緒に仕事をしたことがあるアナウンサーの結婚式に花を贈ったのだが、お礼がなくてブチ切れたと。

これ、普通に聞けばブチ切れる上沼恵美子がオカシイとなりそうだが、仕事を一緒にさせていただく立場のアナウンサーは、上沼恵美子より下の立場にいるわけだ。テレビ局の社員が人気芸能人から結婚式で花を贈られてお礼をしない非常識は言語道断!そのアナウンサーの名前は言ってはいないが、言われても仕方ないほどの無礼ではないか。

世間に知らしめなければ、世間も気づかないことがある。それに今の世の中、礼儀知らずがいても、それをイチイチ口にする人が少なくなっている。大物芸能人から結婚式に花を贈られてお礼を言わないとは、そのアナウンサーにアナウンス技術があったとしてもアナウンサーとして失格と言える。

アナウンサーで礼を言わないから、アナウンサー職失脚と言っているのではないが、しかし、やはりおかしいだろう?

上沼恵美子の口うるささは、大阪人の誇りなのである。世間で言いにくいことをキチンと言ってくれているのである。関西のおばちゃんの代弁者なのである。だからこそ人気があるのだ。

しかし、なぜ関西テレビの長寿番組「快傑えみちゃんねる」がいきなりの番組終了?物事がうまく行かないのには勿論理由があるのだ。

上沼恵美子の口が過ぎたことが一番の原因だと思う。

ただ、口うるさい人が世の中にいないと、世の中が乱れていくのも事実。ご意見番は本当は必要。上沼ご意見番は暴走し過ぎたけど、大阪のおばちゃんと言うか、マダムと言うか、浪速の女性達の”過激な癒し”であったことは事実だし、番組終了の知らせを残念がる人は多いことだろう。

元号は令和。
平成、昭和は今は昔の物語。

上沼恵美子は令和に迎合することなく、唯一無二の芸風でいいのだ。『快傑えみちゃんねる』を愛し、そして自らその番組を終わらせる型破りな男前な女なのだ。

画像: from flickr
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