映画初主演の松井愛莉インタビュー「明るい楽しそうなイメージとよく言われますが、悪く言うと思考的にネガティブなほうです」

  by ときたたかし  Tags :  

映画『フォルトゥナの瞳』やNHK総合ドラマ『これは経費で落ちません!!』など、数々の作品で表現の幅を広げている女優の松井愛莉さんが、映画『癒しのこころみ〜自分を好きになる方法〜』で映画初主演を務めました。松井さんは、心と身体を癒す新米セラピスト役です。

ブラック企業を辞めてセラピストを目指す主人公・一ノ瀬里奈(松井さん)が、前職で挫折したことで心が折れてしまうも、セラピストという職業と出会い、一緒に働く仲間や顧客の人生模様を通じて、いくつもの「ありがとう」を知っていくというヒューマンドラマです。一口にセラピストと言っても、心理セラピストやリラクゼーションセラピストなど、“心”にアプローチするセラピストや、理学療法士や鍼灸師など国家資格を得て施術する、“身体”にアプローチするセラピストなど、たくさんのセラピストが存在していて、その職業の素晴らしさにも気づかされます。

このほど松井さんにインタビュー。映画にまつわるお話を聞きました。

●セラピストの主人公でしたが、自分と共通点などはありましたか?

自信がない、自信をなくしてしまうところはわたし自身もそうですし、頑張っているけれど、なかなか成果が出ないところとか、必死に食らいついているところとか、わりと自分と似ているし重なっていると思いました。

●なかなか自信家にはなれないですよね。

自信は日々ないですね(笑)。明るい楽しそうなイメージとよく言われますが、悪く言うと思考的にネガティブなほうです。変えたいですけれど、本当の性格は変えられないので、徐々に少しずつ自信がつけばいいなあと思っています。

●劇中では藤原紀香さん演じるカリスマセラピストが登場して、主人公は刺激をもらっていくわけですが、そういう人は身近にいたりしますか?

はい、そういうことはたくさん経験あります。さまざまな先輩方と共演をさせていただいていますし、どのエピソードを挙げればいいかわからないですが、ひとついま思い浮かんだことで、以前、中谷美紀さんと現場でご一緒したことがありまして。中谷さんは、わたしにまで気を使ってくださったと言いますか、主演だったので毎日毎日大変だったと思うんです。それなのに気を使ってくださって。イスがあるから座りなさいとか、たわいのない会話をしてくださって、そういうところはすごく影響を受けました。本当に尊敬できる女優さんなんです。

●いずれ自分も???

そうですね。思います。そこまで余裕があればいいのですが(笑)。
あと女優さんでは、江口のりこさんが大好きです。すごく色があると言いますか、その人がその作品に出るだけですごく面白くなると言いますか、すごく独独の世界観を持っていらっしゃるので、いつも観ちゃいます。すごく不思議な魅力がありますよね。

●映画はお好きなのですか?

わたしは恋愛ものが苦手なので、家族愛だったり、ミステリーとか大好きです。好きな映画何って聞かれると、『ワンダー 君は太陽』(17)、『ルーム』(15)、『湯を沸かすほどの熱い愛』(16)、そういう作品が好きです。重くて暗い映画も大好きです。『チョコレートドーナツ』(12)も大好きです。

●恋愛映画はなぜ苦手なのですか?

なんでだろう。説明が難しいです(笑)。

●今日はありがとうございました!最後に一言お願いいたします。

お客様と接するリラクゼーションという意味で言うと、ありがとうと言われることが、すごくうれしいことなんだなって、改めて実感しました。セラピストという職業の役柄を通して、実際に自分が施術をしてお客様に感謝をされると、最初は怒られたりもするので、モヤモヤとすることもありましたが、それを乗り越えてお客様にほめられた時の気持ちは、やっぱりすごくうれしかったです。こちらもありがとうと伝えたいと思いました。そのすごく大事な気持ちを、映画を観て感じてくださっていただけたらうれしいです。

スタイリスト:倉田強 /英文表記: TSUYOSHI KURATA
ヘアメイク:相場清志(Lila)

公開中

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo