表面だけを見る危険性を考えなければと最近思います。例えばインスタなどに彩りあざやかで、高価な食器に盛り付けられた手作りの料理。美しいですね、それはまさに上流社会で庶民とは違うな!と思いがち。
しかし、過去、自分で作った料理やパンと紹介しながら、それらが偽りであったことがありました。
海外生活、ニューヨークなどもそうですが、お洒落な写真をアップする芸能人もいます。その人の名は避けましょう、しかし、ヒントは男性芸人です。現地で暮らす私などから見ると、とてもウソっぽいのですね。
ニューヨーク生活も四半世紀を超えると、カッコいいとか素敵なんて賞賛より、現実世界ですよ。どこのスーパーの玉ねぎが安いとか、ドラッグストアーのチラシを見つつ日用品の買い物を上手にこなすとか、どこで暮らそうがニューヨークでも、”何もない春です”の襟裳岬近くでも同じだと思います。
↑の写真をごらんください。
こちらはグランド・セントラル駅と言いまして、マンハッタンの中心部にある大きな駅前の風景です。駅としては大変珍しいのですが東京駅と姉妹駅を2013年に提携しています。駅としても優美で美しく、構内には星座の描かれた天井絵、レトロな真鍮の時計、名店オイスターバーもあります。
夜、散歩をしました。新型コロナウイルス感染拡大で深刻なニューヨークは、夜も人手が少なく、こんな光景はこれから先なかなか見ることはないだろう…. 丁度、人の少ない渋谷のスクランブル交差点が閃き、カメラに収めました。
このようなライトアップは珍しく、街自体はコロナで疲弊していてもライトアップは美しかったし、写真を撮る前に右側のイエローキャブを入れた方がニューヨークらしいだろうと、構図を考えシャッターを切りました。
散歩から帰りパソコンに画像を取り込むとき、大きく映った写真を見てオドロイタのは左側から足がニョキッと出ているのです。撮っている時は全く気づきませんでしたし、通り過ぎた時点でもわかりませんでした。
もし、ニューヨークの風景をポスターにするとして、この写真は足がなければOKで、足が映り込んでいるのでNGになるではないかと勝手に妄想しました。しかし、写真の出来としてはこの足が出ている方が現実のニューヨークを映し出していると思うのです。
ニューヨークの住民は生活者です。ですから、綺麗な面だけを見るより、どちらかと言うと裏側を知ることにより、ニューヨークの深みがわかってくるような気がするのです。
このところ、ホームレスの方々が増えています。しかも、以前は高齢の黒人の人たちが多かったのに、白人の若者、女性すらも増えてきています。
観光客の方々はあえてホームレス方が映り込むような写真は撮らないだろうけど、コロナ感染拡大で緊張を強いられるニューヨークで、ホームレスの方々は、厳しい環境の中で耐え抜いているのです。
たった一枚の写真、そこに移り込んだホームレスの片足。
何か、心打つものがありました。
やなせたかしさん作詞の『手のひらを太陽に』の中から、♪手のひらを太陽に すかしてみればまっかに流れる ぼくの血潮(ちしお) ミミズだって オケラだってアメンボだってみんな みんな生きているんだ友だちなんだ….
こういう気持ちが現実に実現できれば貧困も差別もなくなるんでしょうけどね…..