裏社会とのつながりも!「白タク運転手」に話を聞いてみた

どうも特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。

首都圏や地方都市の各沿線で最終電車に乗って帰ってきた人々に声をかけてくる、“白タクシー”、通称“白タク”といえば、もう名物といえるのではないでしょうか。

午前様まで飲む機会が多い方の中には、お世話になったことがある人もいるかと思います

しかし、この白タクという営業行為、実は立派な犯罪行為なのです。この白タク、タクシー各社が台数を増やせども、まったくなくならないんですね。

白タクの定義は、一般乗用旅客自動車運送事業で届け出をした緑色のナンバーを取り付けたタクシーとは違い、白いナンバーのごく普通の乗用車で営業している違法タクシー。

今回話を聞けたのは、白タク営業をして11年になる的場欣一氏(仮名/53歳)。彼が語る白タクの闇営業の実態とは?

「はい、中野方面ないか、高円寺で行きますよ~」

丸野(以下、丸)「なぜリスクを冒してまで、白タク営業をしているんですか? 普通にタクシー会社に勤めればいいのに……」

的場氏「理由は簡単やん。正規のタクシーに勤務するのと違って、会社への納金がいらんやん。料金は丸々自分の懐に入ってくるのに、なんで分けないとアカンのん。だって、白タクのうまみって、乗り合いなんよ。だから、一度に3人ぐらい乗っけて走れば、ひとり3千円やったとすれば、小一時間で9千円が入ってくるんやで。おいしいがな

丸「なるほど、儲かりますね

的場氏「だいたい、タクシー事業を行うのに道路運送法という悪法があって、それに基づいて役所への届出をして、許可取りつける必要があるんやで。個人タクシーやろうと思っても、タクシーの法人会社で長年、無事故・無違反の実績積まなあかんねんで。そんな面倒なことをしてる時間も金もないわ。オレも元々は自営で細々仕事してたんやけど、某広域暴力団に所属している知り合いから紹介受けたわけよ。“白タクはじめない? ウチの縄張りで白タク営業やらせたんだけど、そいつ辞めちゃって。毎日10%納めてくれたらいいから”って。夜からできる、運転するだけの仕事やから、即飛びついたよ。だって、一晩で1万とか2万とか儲かるんやからね

丸「どんな風にご商売されてるんですか?」

的場氏「え、終電間近の主要駅の前に車止めて、“はい、中野方面ないか、東中野経由、高円寺まで行くよ~”って掛け声上げるわけ。改札口を出た客たちに向かってね。で、向こうから“阿佐ヶ谷まではいけませんか?”って声かけられたら、“ほうほう、3千円でええで。ほんならちょっと待っとってな”と客を車の前に待たせる。やっぱり人数欲しいからな。ワンボックスやからMax5人まで客を一度に取るね。オレらは、正規のタクシー料金よりも安くして、3~5人集まるまで待たせるの

料金は言い値で!駆け引きしないと勝てない商売!

丸「料金って一律で決まっているんですか?

的場氏「いや、決まってない。基本的には料金の駆け引きをする口約束商売。タクシー待ちに長い列ができていれば、2千円のコースを2千5百円から3千円程度に値上げする。暇でどうしようもない日は、正規のタクシー会社よりも安く設定せなね。だって、勝負の時間は週末以外であれば、1日たったの1時間やで。目の前の金を逃がすわけにもいかんのよ

丸「ほほう。駅待ちするだけなんでしょうか、お客さんを掴むのは?

的場氏「いや。基本的に毎週月曜から金曜日まで駅が終わると、ウチのカシラが回してくれる“まだ店で飲んでいるお客の送迎”が入るわけ。それまでは、東京駅近辺で路駐して待機。LINEとかメール、電話で連絡を取るんやけど、今は中国のチャット『We Chat』を使ってる。それやったら足がつかんし、証拠も残らんしな。で、カシラからの指示にしたがって、客がいる店へ迎えにいくわけよ。カシラは、得意先のスナックやラウンジ、キャバクラのママやマスターと繋がってるから、直接連絡をもらう。ほとんどの客は常連さんやね」

警察関係者は無料!

丸「警察関係者とか紛れてることもあるんじゃないですか?

的場氏「あるなぁ

丸「いや、あるなぁ~って」

的場氏「私服警官の知り合いもいてるし、もちろんタダで乗車してもらうけどな。“的場、今〇〇駅にいるから迎えに来い”っていうのもしょっちゅうよ。でも、便利な存在やし、目こぼししてはもらってる

丸「そうなんですね。ところで白タクに乗る人の見分け方ってありますか?」

的場氏「あるよ。改札出るときに、乗り越して精算してる人いてるでしょ? そういう人からは絶対に目を離さずに、積極的に声をかけにいってる

丸「東京だと、どのあたりに白タクが多いですか?」

的場氏「そやねぇ~、総武線の終電が終わった時間の御茶ノ水駅、銀座八丁目のタクシー乗り場とか、一番多いのはやっぱり新宿駅やね。狙いドコロとしては、中山競馬場なんかの公営競技場。最終レースが終わると、作業員を現場に連れて行くみたいにウチのバンに乗せる。まぁこれは勝った客目当てやね」

いかがでしたか? あなたの知らない白タクの世界。でも、決して参入しませんように……。やはり裏社会との繋がりがありますし、カスリも毎月取られますから……。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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