実録! コロナ感染したヤクザのリアル闘病記

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。

新型コロナウイルス感染が、とどまるところを知りません。有名人や著名人も多く感染し、日々テレビや新聞・雑誌で取り上げられています。その中には志村けんさんや岡江久美子さんのような犠牲者も出ているほどです。

このウイルスの厄介なところは、症状もまちまちで、どこで感染してしまったのかの感染経路がわからないところです。

読者の方々もマスクが手放せない状態だと思います。もちろん筆者も家族も、必ず清潔なマスクをつけてから日用品の買い物など必要な外出だけをしています。

この新型コロナウイルスですが「自分が感染してしまったらどうなるのか……」という恐怖と隣り合わせの状態にあるわけです。

今回、実際に感染し発症、そして重症化、そのあと奇跡的に回復した某広域指定暴力団に所属する皆川泰氏(仮名/52歳/某県在住)の取材に成功しました。

果たして、コロナに罹患してしまうとどのようになってしまうのか……綴っていきたいと思います。

第1フェーズの症状とは?

丸野(以下、丸)「どのように感染されたんですか?」

皆川氏「暴力団の資金源がどんどん絶たれていって、とりあえず今残ってるみかじめ料を徴収するために、やっぱり多くの店に顔を出さないとアカンわけよ。忘れもせん、2月17日の夜に体の節々が痛んで、寒気が出てきよった。ちょうど愛人の家にいて、家族はおらなんだわ。熱を測ったら38度1分の熱があって、“こりゃ風邪やわ”と愛人が持ってきた風邪薬飲んで、とりあえず体を温めるためにスウェットを2枚着込んだ。でも、熱が全然下がらへん。そこで解熱剤を飲んだんやけど、40度2分の熱は出たままや」

丸「熱高いですね」

皆川氏「でも仕方がないわな、とりあえず仕事に行かないとアカン思うたんやけど、体が動かんのよ。それからは仕方なく女の家で療養。ホステスやから、ママに言うて店休んで、いろいろと甲斐甲斐しく世話してくれる。いろいろと作ってくれるしなぁ。でも、どれ食べても味が全然せんのよ。鼻がとりあえず利かなくなる。それは、初めて熱が出てからずっと。2月時点で、それがコロナの症状やなんて知らんがな」

丸「知らなくて当然です。3月下旬くらいからみんな騒ぎ出したんで」

刺青を入れているために肝炎があり、重症化

皆川氏「トイレにも歩いて行けんくらい体がだるくって、もう限界やとなったわけ。クソも小便も漏らして大体熱が出だしてから、4日くらい経ってた頃やね。で、女が救急車呼んで……。救急車の中では、インフルエンザが重症化したものと言われた。総合病院に着いたんやけど、そこからは目が回って憶えてないんやわ。それからは、どうもまた救急車に乗せられて感染症指定の医療機関に搬送されとったみたいや。数時間して目が覚めたときには、目の前に防護服姿の医者が立ってて、PCR検査を受けろと言われたんや。採血もCT検査も尿検査も全部終わっとった。もうコロナの症状に間違いない、と医者は踏んだんやろな。“風俗店や夜のお店に行っていませんか?”と言われたから、そんなもん、“それが商売や”と答えるしかないわな。あとは、海外渡航歴のあるナシ、他府県に出かけてないかも聞かれたわ

丸「PCR検査ってどんなことするんですか?」

皆川氏「問答無用に、喉と鼻の奥まで綿棒みたいな器具を入れられた。それでわかるらしいわ。結果は1日後。トイレと洗面所、風呂が付いた個室に隔離されて、結果待ちや。そしたら、あの防護服姿の医者がオレの病室にきて、“皆川さん、新型コロナウイルスの陽性反応が出ました。このウイルスは治す方法がないので、2週間ご自身で病気と闘ってください”て」

丸「怖い

皆川氏「治療法がないから、栄養剤と解熱剤を点滴して、あとは自然治癒を待つしかないって言われたわ。それからやん、地獄の数日間がはじまったのは……。全然出てなかった咳が止まらんようになった。もう気管が潰れるというくらい咳が出て、だんだんと肺と気管にムリがかかってるのか、血痰が出て。でも、咳するしかないわな。医者は咳止め出してくれたけど、全然効かん

丸「重症化してる

皆川氏「そしたら医者は“皆川さんは刺青が入っていて、肝臓が悪いかもしれないし、喫煙者なので重症化するかもしれません”(※)って言われて、初めて自分の生き方を悔いたよ。ホンマに死ぬかもしれんと思って……。そのうち呼吸ができんようになってきた。そこで酸素吸入器の登場よ。ちょっとはマシになるかな、って思ったけど、やっと息ができるっていうだけ。咳は止まらない」

※2月時点の医師判断です

丸「どのくらい続いたんですか?」

皆川氏「そやな、それから4日くらい続いたんちゃうか、咳が。誰にも会えんし、組に連絡入れてもらえるように女に伝えてもらって。1日に数回、点滴を変えに医者がやってくるだけで、怖かったわ。孤独も怖いし、死の恐怖もあるし、散々や」

丸「食べるものとかはどうしていたんですか?」

皆川氏「弁当。病院食の。それが、入り口の台に滅菌の袋と一緒に置いてある。弁当食べたら、その容器を袋に入れて、外に出しておくわけ。その病院病院によってまちまちやろうけど。酒が飲みたいとか女抱きたいとかそんな欲求はなかったな。もうとにかくしんどいだけで……。だから処置としては、栄養剤と解熱剤の点滴、酸素吸入器、1日3回の検温、肺の機能を確認する血中酸素濃度を測るのみ。で、病状が回復した2週間後に2度のPCR検査をして、陰性が出たら退院やったというわけ」

丸「今は症状らしきものはまったくないんですか?」

皆川氏「うん。もう時間が経ってるから。でも、退院後は毎日2度検温してから保健所に報告を入れないとアカン。2週間くらいやったな。ようやく退院できたけど、仲間内で嫌な目で見られないかと心配したよ。なんせ、未知の病気やからね

いかがでしたか? ヤクザも恐れおののく新型コロナウイルスの脅威、あなたもマスクをつけて、“3密”の回避を徹底し、感染予防に気を配りましょう!

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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