売掛金の着服、取り込み詐欺etc…不正行為は全部やる「悪徳カーディーラー」!

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。

トヨタに日産、本田にマツダetc……その販売を担うカーディーラーは営業職の中でも特に厳しい職種だと思います。

笑みを常に絶やさず、顧客からの相談やクレーム処理に日々奔走している彼ら。

今回話を聞けた木庭健司氏(仮名/43歳)は、その中でもかなりの売り上げを誇るカーディーラーのひとりです。ところが、この仕事、やり方次第ではさらに“黒い金”を稼ぎまくれるそうなのです。

中古車の不正下取り架空修理、パーツの横流しなどなど新車ディーラー業界の裏側を紹介したいと思います。

正攻法では車は売れない

丸野(以下、丸)「知恵ひとつで、儲けることができるというカーディーラーのお仕事だと聞きましたが……」

木庭氏「普通に自動車の買い替えを勧めても、イマドキのお客は車なんて買いませんよ。大切なのは知恵と、知恵をひねり出す努力です。先輩との同行営業で教わりましたが、自分のアイデアもだいぶ出るようになってきました

丸「勤務されて何年ですか?」

木庭氏「もう17年になります。自分が務めている『X自動車』の営業所は関西で1、2を争うほどの売り上げをあげています

丸「具体的にはどんな手法で自動車を売るんですか?

木庭氏「いろいろとありますが、僕は常にカバンの中に水鉄砲を入れています。これは、ガレージの隙間から車体底に向けて、水を発射するためです。とりあえず水をかけて、“すいません、『X自動車』のメカニックの者ですが、お宅のお車から水漏れが見受けられまして、よろしければ見てさしあげられますよ”と所有者と話すキッカケをつくるわけです。所有者は寝耳に水といった具合に、車庫へと飛び出してきますね。そこで、名刺とパンフレットを渡すんですよね。あとはちょくちょく顔を出すだけで、買い替え時期には電話をくれます。ちょっとペテンを利かせれば、一発ですね

丸「へぇ~」

本人が社員割引きで買ったことにする

木庭氏「さらに使えるのは、“社員割引き”ですね! カーナビやオーディオ機器、エアロパーツなど正規ディーラーから購入すると1台平均で20~25万円はくだらないわけです。そこで、オプションの購入費用を普通に処理はせずに、自分の社割20%で僕自身が購入したことにすれば、浮いた3万円弱を懐に入れることができます。普通、車のセールスマンは平均5台、トップクラスになれば15台を売るので、単純計算で毎月15万円以上の副収入が生まれます。これは尊敬する先輩から教わりました」

丸「でも、そのことって上にバレたらどうするんですか?」

木庭氏「僕らは200万円の車を正規に売っても、取り分は数千円です。このようなことは、カーディーラーでは黙認です。さらに、お客から下取りした中古車を顔見知りの中古車買い取り業者へ持ち込みます。お客に告げた下取り価格25万円だとして、40万円くらいで売ったとすれば15万円もの鞘を抜くことになります。オプションと併せ、都合23万円もの副収入が生まれます

丸「なるほどね」

〇〇を轢き殺した車が修理に持ち込まれて……

木庭氏「新車販売店には通常2つの部署が存在します。僕が所属するセールス部門と修理を手掛けるサービス部門です。彼らとの付き合い方次第で、錬金術の幅がいかようにも増えますね。例えば、愛車で事故って新車を購入したお客がいるとします。ここで重要になってくるのがサービスの人間です」

丸「はいはい」

木庭氏「彼らは板金や電装、カーフィルムに解体屋と、多種多様な関連業者とツーカーの仲。彼らを仲介に立て、事故車をパーツ屋に売り叩いて利益を折半にします。さらにお客からは処理費用として解体代金をせしめるわけですね。これを“二重取り”といいます。ですから、入社後4年が経った頃になってくると、お客が金づるにしか見えなくなってきます」

丸「車買うのが怖くなってきました

木庭氏「とにかくお客は、“異音がする”だの“車体にゆがみがある”、“説明を受けた燃費よりも悪いような気がする”などなどありえないクレームをつけてきます。だから、ちょっとした小遣いをもらわないとやってられないんですよ。一度なんて、フロンガラスが割れ、フレームがひしゃげた車を持ち込んで、“なんでもええから、早よ直さんかい!”と怒鳴られて、よく見てみると、フロントガラスの破損部分に頭髪が巻き込まれていて、血痕がひどいんですよ。絶対人を轢いたな、と。そのお客は箕面(※大阪北部)でサルを轢いたと言っていましたが、修理を断ると逃げるように走り去り、2日後に幼稚園児を引いたひき逃げ容疑で逮捕されました。お客なんてそんなもんですよ」

丸「ええぇ~

クルマを「溶かして」〇円を懐に入れる

木庭氏「こんなことばかり続けて、月80万円の副収入を得るようになった頃には、展示車から拝借したラジエーターホースを新車に流用したり、長期在庫の格安車を通常価格で高齢者に販売したり、初期不良の車両を素知らぬ顔で販売したりと考えつく限りのことは全部やりました。個人客の売掛金(ツケ)を着服したこともありますよ

丸「それはどういうことですか?」

木庭氏「お客から預かった車両代金の一部や修理代金を自分の懐におさめて、上司には一旦支払い滞納という報告を入れます。後日別のお客から預かった金を、その代金に充てて回します。それを繰り返していると、1年に1度くらいの割合で行方不明者が出ることがあるんで、そいつに罪のすべてをなすりつけるんです」

丸「めちゃくちゃじゃないですか

木庭氏「ですが、極めつけの不正の手口は、“取り込み詐欺”ですね。手口としては、名義だけのダミー会社を顧客に仕立てて、頭金の1割を先に徴収。これは自分の財布から出します。残りを“納車時払い”として上司の了解を得ます。あとは納車時に車を横流しして、現金化。会社も飛ばして、回収先を完全に消滅させてしまいます。業界ではこのことを“クルマを溶かす”と呼ばれる手口です。それで200万円を手にしたことがありますよ」

もちろんすべてのカーディーラーがこのような不正行為を行っているわけではありませんが、一部の人間たちが木庭氏のような手口を使い、悪銭を手にしているというのです。

このインタビューの後、行きつけのディーラーへ行くのを少し躊躇ってしまいました。

(C)写真AC
※画像はイメージです

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『丸野裕行の裏ネタJournal』や『初めての不動産投資マガジン』『神戸製薬株式会社present's NEOYAG』などのポータルサイト編集長、文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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