当初、日本のコロナウイルスの感染のニュースをこちらアメリカで見た時『日本も大変だなぁ…』と心配しつつ、しかし、対岸の火事のように思っていました。
対岸どころか私の住むニューヨークからすれば日本はアメリカ大陸を横断して、太平洋を越えた位置関係にあるので、まさかその遠く離れた日本からコロナウイルスがニューヨークに持ち込まれるとは思っていなかったのです。しかし、私の認識が甘すぎました。
アメリカでの感染は一気に広まり、ニューヨーク州ではその半数以上を占め、3月29日時点で感染者60,000人、死亡者が約1,000人も出てしまっています。
そして、日本の最新情報は3月30日現在で感染者数1,866名、死亡者56名です(厚生労働省発表)。
この数字を見た時、日本がいかに優れた国かを認識しました。アメリカに住む日本のタレントが日本の甘さを指摘しており、私自身もそれに同調しておりましたが、改めて数字を見て中国に近い日本がこれだけの感染者、死亡者に抑えられていることにやはり驚くばかりです。
ニューヨークはまさにゴーストタウンと化したようで、人は殆どで歩いていません。そして、その反対に日本ではあまり危機感もなくお花見をする人たちもいることをニューヨーク・タイム紙で批判記事などが掲載されていました。
その記事により日本を憂いたことも事実だったのですが、こうして両国の数字を比較をしてみると、アメリカ国民はこの国を信じていないからこそ自己防衛で自宅待機を積極的にしているのではないかと。逆に日本では自国の清潔さや国自体を信頼しているので『まさか、そこまでの感染者はでないだろう…』と大勢の人が高を括り自宅待機が徹底出来ていないのではないでしょうか。
考えてみれば日本はアメリカと比べて本当に清潔な国で、日本から友人のご家族が何人もニューヨークに来られ、観光地のチャイナタウンに行かれましたが、友人のご家族たちは別々でありながら、一応にチャイナタウンの不潔さに驚かれていました。
私自身、もう慣れっこになっているものだから、日本からの来訪者の言葉により”ハッとさせられた!”のです。確かにニューヨークのチャイナタウンでは、路上でティッシュを使わず手で交互の鼻の片方を抑えて、鼻水を路上に放出させる人がいたり、ゴミ箱があってもゴミは路上にまき散らしと街全体がゴミ箱のようです。清潔さではないですがレジの順番にも隙あらば入り込んだり秩序無き世界です。
日本へ訪れた外国人が驚くのは街の綺麗さ。実際、本当に美しいです。この清潔さの代表格が羽田空港の清掃が隅々まで行き届いていること。まさか、ニューヨークのケネディ―空港であのような清潔な空港を保つ清掃員が律義に働いているとは考えられません。
住まいに関してもニューヨークに暮らす日本人たちは、アメリカにいても靴を脱ぐ生活をしています。今まで日本人のお宅に伺い靴を脱がなかった家は一軒もありませんでした、もう一度申しますが、こちらはニューヨークです。
室内ひとつをとったとしてもアメリカと日本では大きな違いがあります。アメリカ人たちは綺麗な室内で、デコレーションも美しくインテリア雑誌に載りそうな生活をしているのも事実ですが、しかし、室内では土足で生活します。
ニューヨークのマンハッタンには犬を飼う人が多いのです。当然、犬は路上で糞をします。飼い主はキチンと後片付けをしますが、路上はバイ菌だらけですが、その汚い汚い靴底でアメリカ人は帰宅し室内に戻ります。ソファーに足を投げ出したり、疲れすぎた場合は靴を脱ぎ忘れてベッドになだれ込むこともあるでしょう。考えただけでゾッとします。たったこの室内を土足で歩くか否かだけでも、バイ菌の発生具合は違ってくると思います。
日本って優れた国ですよ。そして日本人が自宅待機を自粛していなかったのは、ある意味、日本について信頼しきっていたのではないかと考えてしまうのですね。今は危機感を感じていらっしゃると思うので、それは良い傾向ですが…..
イタリアで、アメリカで、これほど多くの感染者、死亡者が出ているのに、日本は多少世界からお花見で浮かれる一部の人々を批判に晒されましたが、数値を見てください、ニューヨーク州感染者6,000人、日本は1,866名です。これはアメリカと日本ではなくアメリカの一つの州と日本国の数値の比較です。
日本の皆様はむやみやたらに恐れる必要はないと思います。これだけ清潔で感染者を出さない国なのですから。さらに感染者、死亡者を出さないために、自宅待機を暫く続けることが大切に思います。
日本という国は改めて凄い力を持っていると、ニューヨーク在住の日本人は感銘しております。
画像: from flickr
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