超危険……! 海外の戦闘部隊にいた「傭兵」に話を聞いてみた

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも、特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。今回は傭兵の話です。

日本の自衛隊員というのはあくまでも自衛に動くだけで軍人ではありません。あくまでも防衛庁職員ということで、兵士ではない、ということはご存知の通り。

では日本人は絶対に漫画や映画などで見る屈強な兵士になれないのかというと、そうではありません。

世界各国にはあちこちで紛争が行われていたり、局地的な戦闘が繰り広げられている場所があります。その国の中には、外人部隊を組織しているところもあるわけですね。そこに志願して部隊に入れば、もう立派な兵士になれるわけです。

今回は、海外の外人部隊に“傭兵”として雇われていたF氏(39歳)にお話を聞くことができました。

果たして“傭兵”という職業の真実とはどのようなものなのでしょうか?

思った以上に傭兵の給料は安い

丸野(以下、丸)「どんなキッカケで傭兵になったんですか?

F氏「そうですね。やっぱり、ミリタリーマニアで銃器や兵器、戦車に興味があったことがキッカケですかね。キッカケはみんなバラバラですよ。戦闘技術を学びたい、合法で拳銃を撃ちたいとか。人を殺すのが好きだから傭兵になったという人間もいました。職業といっていいのかどうかわかりませんが、傭兵として、欧米や東南アジア、アフリカなどの紛争に参戦していました

丸「儲かるものなのですか? 下世話な質問ですが……」

F氏「儲からないですね。命張っても、月収平均で30万円程度じゃないですか? 僕たちは職業軍人とは違うので……」

丸「そんな薄給で、命をかけるんですか?」

F氏「高給が欲しいという人間は、民間の警備会社に入って戦場に来ます。警備会社と言っても、実態は“傭兵派遣会社”ですね。社員たちは、元特殊部隊にいた根っからの軍人ばかりです。会社に所属した方がいろいろな手当てや保証なども付いて、より多くの報酬を手にすることができますよね。アメリカのブラックウォーター社なんかは、その代表格です。2004年にイラクのファルージャで民間人が射殺された後、丸焼きにされて街中引き回しにあった事件、―実はその民間人はアメリカの傭兵だったという話。まぁ、すぐに死んでいるので、そのあとバラバラにされても別に問題ないんですが……。とにかく凄惨だったということです」

丸「ええっ! リスク高すぎるでしょう!

外人部隊に入隊すれば、即退路を断たれる

F氏「日本って刺激が少ないじゃないですか。安全だし。だから特殊な傭兵の世界を選んだという部分が強いのかもしれません。ダラダラと平凡な日々の中で生きながら死んでいくよりも、自分が生きていることを実感できる環境を選んだという感じですね。常に“非日常”ですから……」

丸「仕事の流れって教えてもらえますか?」

F氏「初めて傭兵として入った中東の部隊では、入隊できるのは17歳~40歳の男性兵士のみの募集でした。契約期間は3年。入隊した途端に、財布や航空券、パスポートなどをすべて没収されます。それで兵士も覚悟を決められるわけですね。退路を強制的に断たれるわけです」

丸「怖い……

F氏「ちなみに、湾岸戦争など大きな戦場で名をあげたフランスの外人部隊は、5年勤めて任期を終えると、フランス国籍がもらえるそうです。いいでしょ?」

丸「それって、いいんですか?」

F氏「話が逸れましたが、それから銃を渡され、戦闘が行われている地域へ行く。移動中に、戦闘状態になっている関係性や敵味方の見分け方、戦闘シミュレーションの打ち合わせをして、戦場へ送り込まれます」

傭兵ならではの厳しさ

丸「サラッとおっしゃってますけど、怖くないんですか?」

F氏「そりゃ、怖いですよ。一旦戦場に飛び込めば、弾丸と迫撃砲が飛び交う中で不眠不休の戦いに挑まなければいけないわけですから……。戦場の恐怖に耐えられなかったり、興奮しすぎて冷静さを失ってしまう兵士は、すぐに死にます。いくら高い戦闘能力があったとしても、それを発揮できずに死ぬ奴は死にます

丸「映画とかである、軍人同士の友情とかはあるんですか?」

F氏「僕らは金で雇われた兵士なので、正規軍の兵士との友情なんてありません。だって、ただただ信用できない怪しい存在なので、危険極まる場所には率先して出向かなくてはいけないわけです。死んだら金ですぐに別要員を補充できるわけで……」

軍隊ならではの特典、しかし……

丸「お休みの日とかはあるんですか?」

F氏「戦いが終わって次の戦闘を待ったり、上で話し合って休戦状態になったり、休みもあります。そんなときには駐屯地にある軍公認の娼婦の館に行ったり、無料のパブやバーに行ったりして、時間を潰します。戦地には、それしかストレス解消の方法がないんです」

丸「休みのときのお給料は?」

F氏「食費や寮費などの面倒は看てもらえますが、戦闘のないときは給料が10万円程度です。ヒドいもんでしょ? 外人部隊なのに死なずに年数を重ねられれば、有給休暇ももらえます。でもパスポートがないので、ただヒマな時間を過ごすだけなんですが……

なぜ傭兵を続けるのか?

丸「なぜ、そんな職業を続けるんですか?」

F氏「理由なんてないんですよ。傭兵の誰に聞いてもそう答えると思います。肌がヒリつくような戦闘はとにかく面白い。日本に帰ってくると、腐った国だと思ってしまう。もう、名誉も地位も金もいらない。ただ戦って、生き残る。続ける理由はそれだけです

普段、知ることのない傭兵の世界。

なんの理由もなく、ただ人のために自分の命を削り続ける彼ら。ハードボイルドの極みと言っても過言ではなのかもしれませんが、僕には怖いだけの世界でした。

※写真はイメージです
(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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