芸能界は甘くない! 新人モデルが“万年金欠状態”の理由

  by 丸野裕行  Tags :  

どうもライターの丸野裕行です。最近では、モデル出身だという芸能人が非常に多くなってきましたね。

航空会社や化粧品の会社などの大企業のCMやポスターのモデルとしてデビューするという正統派のモデルよりも、ファッション誌で顔が売れた読者モデルインスタグラムなどですごい数のフォロワーを持っている自称モデル、ショー中心で活躍していてトークが面白いからとテレビに引っ張りだこになっているモデル、ユーチューバーからのモデルなど、さまざまな“モデル”のテレビ起用が増えてきました。

華々しい世界だと思われがちなモデルですが、駆け出しから中堅になるまでは常に金欠状態にあるということを、あなたは知っていますか?
今回は、新人モデルが金欠になっている理由一部の事務所がモデルから金を巻き上げる手法を解説していこうと思います。

そこそこの売れっ子になるまでにいくらかかるか

モデルというのは、ただ背が高い、スタイルがいいというだけでは勤まるものではありません。立ち振る舞いのセンスや見られることへの想像力はもちろんのこと、あちこちでオーディションやコンテストを受けなければいけませんし、SNSなども工夫して注目されるような毎日の更新といった細かい努力も怠らないようにしなければいけません。

モデル志願者の多くが、とりあえずモデル事務所に所属して業界入りさえ果たせば、手っ取り早くエレベーター方式でメジャーになれると勘違いしています。

こう言ってしまうと夢も希望もないのかもしれませんが、名前を売るためには“高額の元手”が必要になるんです。金がなければ売れっ子モデルにはなれない、といっても過言ではありません。

様々なレッスンをこなさなければいけない

まずは所属費用として5万円~10万円を支払い、入所。

それぞれのモデル事務所によってモデルの育成パターンはまちまちですが、レッスンが義務付けられている場合が多いです。

プロの講師をスタジオに呼んで、基本のウォーキングやポージング、ボイトレなどをキチンと習います。

そのレッスン料は誰が支払うのか……それはモデル志願者本人です。優良なモデル事務所であれば、レッスン料を折半にしてくれるところもありますが、よろしくない事務所だと、全額負担になってしまうんですね。

これだけであればいいのですが、事務所外でもスタイルを整えるためのストレッチやリズム感を養うためのダンスレッスンなど、身銭を切って通わなければいけません。

プロフィールや写真撮影代も支払わなければいけない

その他の出費としては、売り込みのためのプロフィール(宣材)と呼ばれる売り込み資料の作成にも大金がかかります。

プロカメラマンを雇い、正面と横顔、立ち姿などの写真を撮影。売り込みを成功されるためには、写メやスナップ写真ではいけません。しっかりしたスタジオを借り、様々なパターンの写真を撮るわけです。

このように夢のために大枚をはたいてようやくプロの仲間入りができたとしても、モデル事務所からくる仕事はたいてい安いギャラばかり。そのうえ、ギャラの数十%を事務所経費として差し引かれ、本人の元には半額が入れば御の字だといいます。

収入にかかわらず、インスタグラムなどのSNSを毎日更新なので流行の服を常に購入しなければなりません。新人時代は、いつになればモデルとして売れるのかを心配しながら、“華やかな生活”をアピールし続けなければいけないのです。

年齢を重ねれば仕事も減っていくことも考えられるので、いち早く売れたいと焦るばかりなのです。

悪徳モデル事務所の社長にインタビューしてみた

次に紹介するのは、モデル志願者から金を巻き上げる悪質なモデル事務所経営のY氏。

丸野(以下、丸)「新人モデルのときにはかなり出費させられることはわかったんですが、彼ら、彼女たちはその後どうなるんですか?」

Y氏「スカウトに声をかけられてホイホイ付いていくような奴らだから、そこからは“仕事を回す”と言って、永遠に騙され続けるよね。イベントコンパニオンやアイドルのバックダンサー、パチンコ店でのキャンペーンガールの仕事を回して夢見がちになったら、そのあとは水着撮影会の仕事、クラブでのコンパニオン、友人のパーティーで際どいランジェリーを着ての接待、着エロDVD、接待用の性処理要員etc……

丸「セクシービデオ出演までやらせるというイメージがあったんですけど

Y氏「そこはサジ加減。やっぱり華々しい世界にいきたいと考えているから、そこまではやらないね。何か口答えしたら、“ここは、芸能デビューするための方法を学ぶための学校なんだぞ。仕事をもらいながら通って学べるんだから、辛抱しろ。普通の芸能スクールに行ってもデビューなんてできない”と言い包めて……。それでも、事務所を辞めたいといえば、芸能界で仕事ができないようにする

丸「どうやって?」

Y氏「あらゆる手を尽くすね。“あの女はシャブ中だ”とか“セックス依存症”だとか、“躁鬱で大変”とか、雑誌社や広告代理店、同じモデル仲間なんかに吹聴するよ

丸「男性モデルはどうですか?」

Y氏「ゲイのイメージビデオやセクシーDVDの業界に放り込む。男も女も金に困っているから、若いモデルを囲いたいパトロンを紹介してやるね。そうすりゃ、贅沢に暮らせるんだから……。感謝してほしいくらいだよ

いかがでしたか?

Y氏の話、聞きしに勝る悪質さでした。さらに「事務所をどうしても辞めたいという場合は、違約金として20万円取られる」そうです。

こうした悪い話が一部のモデル事務所に限られるとは言え、どうやって優良か悪質かを判断すればいいのでしょうか?

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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