学歴は金で買える! 平然と行われている「裏口入学」の実態とは?

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも、特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。

「大学への大口の寄付金を支払えば、試験の点数を割り増ししてくれる」「私立の医科大学であれば、その大学OBの子供なら必ず入ることができる」などという裏口入学の噂を誰もが聞いたことがあるでしょう。

2018年7月、文部科学省の現役局長が子供を医科大学に裏口入学させ、受託収賄の容疑で逮捕されました。

「今時、裏口入学なんてやっているの?」と思うなかれ、少子化で受験者数が減っている今、なぜか増えているというのです。

今回は“裏口入学”の手口を、某私立大学関係者Gさん(47歳/大学職員歴15年)に聞いてみました。

私立大学のコネ入学は絶対になくならない

丸野(以下、丸)「よろしくお願いします。裏口入学って本当にあるんですか?

Gさん「そうですね、大きな声では言えませんがありますね。というか、今後も裏口入学がなくなることは絶対にないです。少子化の時代、逆に学生の確保のために大学側が高校生に頭を下げて入学してもらう時代がくると思います」

丸「なるほど。点数をちょろまかしたりして、合格したことにするとか……

Gさん「それではバレてしまいます(笑)。大学では入学試験の答案用紙を公文書として5年間保管しています。大学が不正加点して合格させても証拠が残ってしまいます。用紙をみれば、採点者が判明してしまうのでリスクが高いんです。一番楽なのは、推薦入試で便宜を図る方法ですね。

丸「推薦入試ですか!」

Gさん「面接試験と小論文のみでの審査なので、いくらでも合格した口実をつくりだすことが可能です。今の時代は教育活性化など理由をつくって、推薦枠を設ける大学が増加の一途を辿っています。(もし裏口の打診があれば)そこに、割り振るわけです」

丸「お金を渡すと、そんな便宜を図ってもらえるんですね」

Gさん「(推薦で)そのほかには、教授に与えられている“子弟にするための持ち点”を使う方法です。教授は子弟……たとえば准教授などを育てるための裁量権を点数という形で与えられています。その点数をいくらかで売り、子弟にするという形が利用されやすい手口ですね。これは偏差値から見て、少し実力が足りていない子供に有効です」

〇〇がコネをつくっている

丸「いきなり金持っていくわけにもいかないんですが、コネとかどうやって作るんですか?

Gさん「その大学のOBなどいろいろとありますが、懇意にしている進学塾の塾長が多いですね。自分が経営している塾の生徒を大学に送り込んで、キックバックをもらうために繋がってますから……。彼らのコネクションを使って、受講生の親が大金を渡すわけです」

丸「塾長ね……」

Gさん「もしコネクションがなければ、塾長はコネづくりからはじめます。入学案内を送ってきた大学職員を取り込む、受験相談のフリで大学を訪問して、教職員たちと友好関係をつくります

丸「すごい執念だ

Gさん「手土産に忍ばせた万札を持って、頻繁に訪問。信頼関係をつくったところで、入試問題のことを教えてもらうんです。もちろん、問題自体を見せてもらえるわけはないので“毎年こんな問題が必ず出る”といったことがわかれば成功です。その大学に入りたいという子供に、その問題を集中的にやらせればいいわけですよね。大学関係者との関係づくりは、絶対にムダになることはありません。塾長への謝礼もかなり高額ですが……

学長、理事長案件として処理

丸「誰に渡すんですか、金は

Gさん「学校の有力者ですね。学長や理事長案件になっている場合は、だいたいそうです。直接渡すそうです。料亭やクラブのVIPルーム、驚くところでは、学長室で直接ということもあるそうですね」

丸「まぁ、誰も見てないですもんね」

Gさん「金を受け取ると、学長や理事長は面接官を手懐けた人間にやらせて、そっと耳打ちをしておきます。態度が悪い、服装がだらしない、受け答えが噛み合わなかったとしても、“個性豊かで枠にとらわれない人物”と評価して合格にするわけです。これが不正かどうかなんて、面接官自身の主観なので判断つきません

丸「裏口入学を頼んでくるのは、どういう親が多いんですか?

Gさん「そうですね、やはり市町村議員や国会議員などの政治家、中央省庁の官僚、資産家、起業家、弁護士、会計士、医師、芸能人、投資家、ファイナンシャルプランナー、不動産業者などが多いんじゃないでしょうか? どれも富裕層ですから、裏金を渡すことくらい問題ないんでしょう。大金を支払うよりも、自分の子供がいい大学に入ってくれた方がいいと考えているんじゃないですか?」

裏口入学の相場は1,000万円~2,000万円

丸「裏口入学のお金ってどのくらい支払うんですか?

Gさん「相場は、1,000万円~2,000万円と言われています。さらに有名校になると億単位の金が動くと聞いたこともありますよ。受験シーズン前になると、有名私立大学へ子供と親が訪れる“ご挨拶”というのがあって、その場でいくらの寄付金を納められるかの念書を書かされるそうです」

丸「もう、大学中退の僕には理解できない世界です」

Gさん「ちなみに、1口の金額はその大学によってまちまちで、高額なところでは50万円、最低で2口は納めてもらうという鉄則のようなものが存在しています……。これも塾長のコネでの挨拶です。これをやって初めて裏口入学受験のスタートを切れるということです」

いかがでしたか?

もちろんすべての大学が“裏口入学”を行っているわけではありません。一部の大学です。

前述で、医科大学へ裏口入学を行った官僚の話をしましたが、そんなバカ息子が医者になって、メスを握る―なんてことを想像するだけで恐ろしくなってしまいます。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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