どうもどうも、特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。
昨日12月26日、各メディアからの電話取材などが僕の元に一斉に入るという出来事が起こりました。
危機的な対立抗争が続いている日本最大の指定暴力団・山口組と分裂する神戸山口組が、兵庫県や大阪府、それに愛知県、京都府など6つにまたがる各府県の公安委員会によって、より厳罰化した取締りを行うことができる“特定抗争指定暴力団”に指定されたのです。
来年1月7日には公示され、絶対的な効力が生じるような、組のメインの拠点などが警戒区域に設定されるわけです。
この法律に効力が得られると、一体何が起こるのか
山口組と分裂し、離脱した神戸山口組のあいだでは、先月11月に兵庫県尼崎市で襲撃が起こり、自動小銃などで神戸山口組の幹部が殺害される事件に発展。対立構図はさらに激化の一途を辿りました。
このような事件が起こったために、両組織の拠点がある兵庫県と大阪府、京都府、愛知県、三重県、岐阜県などの6府県の公安委員会では、“特定抗争指定暴力団”の指定に向け、お互いの組織に反論や意見を聴聞する機会を設けたりと手続きを進めてきたそうです。
その後、12月26日に各公安委員会はいずれも、山口組と神戸山口組のふた組織を正式指定することに決定したわけです。
指定された警戒区域では、組事務所自体に立ち入ることや組の構成員が5名以上で集まること、対立組織の構成員などに構う、つきまとう、ちょっかいをかけることが禁じられ、違反者が出た場合は警察がその場で緊急逮捕することができるそうです。
指定期間延長も可能
指定期間は3ヵ月間、この期間を延長することも可能だそうです。
今回のこの“特定抗争暴力団”の指定は、平成24年に九州・福岡県に本拠地を構える道仁会と当時の九州誠道会が初めて指定されて以来、全国で2つ目の事例になります。
この“特定抗争指定暴力団”は暴力団同士の抗争が非常に激しくなった場合に周辺住民に重大な危害が及ぶ恐れがある場合に、全国都道府県の公安委員会が暴力団対策法に基づき、指定するものだといいます。
当時この指定があり、この両組織の中で抗争事件がそのあとに起きなかったこと、また暴力団同士が和解し、抗争をやめることを約束した文書を警察に提出したことで、指定から約1年半後に解除となりました。
今後、山口組と神戸山口組はこの指定とどのように付き合っていくのでしょうか?
警察の目を欺くためのマニュアルも作成しているという噂もある
「“特定抗争暴力団”に指定されることで、それぞれの組織の活動に関するセーブがかかる可能性があるために、組織内でマニュアルが作成されている」という、とある週刊誌や某テレビ局から届いた噂もあります。
活動内容に規制がかかると、どうしても各々の組織の動きが悪くなり、抗争途中にあるのに、何もできない状態になってしまうことになるので、できるだけ、警察に睨まれないための工夫が必要になります。
それが、5人以上の構成員で集まらないや事務所には立ち入らない、密談は電話やWeb上のみ、といったことが記載されたマニュアルです。
このマニュアルの存在により、各組の動きが見えづらくなります。結果的に一般市民にとって非常な脅威となりうるのです。
突然、街中で抗争事件が起きてもおかしくない
果たして両組織の抗争で、一般市民が巻き込まれ、犠牲になるようなことはあるのでしょうか?
答えは、「その可能性は十分あります」
どんどんと表立って行動するわけではなく、裏側で暗躍するようになるので、お忍びで相手側の幹部などが動いたとき、突然発砲事件に発展したりして、一般市民が巻き込まれる可能性が高まります。
先日も前述したとおり、いきなり発砲事件が起こったりしました。流れ弾に一般人が当たるなんてこと、当然ながら起こるうることです。
ヤクザもそんなに拳銃の腕がいい人ばかりではないですし、相手の反撃にあうこともあります。昔は拳銃の練習などが頻繁に行われていましたが、今やはそれだけの予算もありません。
以前テレビ番組出演の際にも解説し、このガジェット通信でも書きましたが、貧困暴力団というジリ貧ヤクザが多いわけです。
『集団万引き、オークションに拳銃……衝撃の事実!あなたが知らない貧困暴力団の世界』
https://getnews.jp/archives/2230212
一発勝負で、鉄砲玉がつっ走ることもありますから……。
ごく一般的な社会に生きる市民としては、絶対に巻き添えを食わないように気をつけなければいけません。
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