腫瘍内科医の勝俣範之さんと朝日新聞社広報のTwitter上でのやり取りが話題になっている。
11月12日、勝俣さんは朝日新聞に掲載された書籍「イタリア人医師が発見したガンの新しい治療法」(現代書林)の広告についてTwitter上で「このような治療法ががんに有効という科学的根拠はありません。」と指摘。
「本日の朝日新聞の広告。このような治療法ががんに有効という科学的根拠はありません。」
https://twitter.com/Katsumata_Nori/status/1194212554752397312
本日の朝日新聞の広告。このような治療法ががんに有効という科学的根拠はありません。 pic.twitter.com/Cxyk2xOd1Y
— 勝俣範之 (@Katsumata_Nori) November 12, 2019
これに対し13日、朝日新聞社広報のアカウントが「この広告については、患者の死をめぐってイタリア人医師が有罪判決を受けたとの報道があることがわかり、確認中です」と応じたのだ。
「ご指摘いただきありがとうございます。この広告については、患者の死をめぐってイタリア人医師が有罪判決を受けたとの報道があることがわかり、確認中です」
https://twitter.com/asahi_koho/status/1194525431052947462?s=19
ご指摘いただきありがとうございます。この広告については、患者の死をめぐってイタリア人医師が有罪判決を受けたとの報道があることがわかり、確認中です https://t.co/gScqBT2sS5
— 朝日新聞社 広報 (@asahi_koho) November 13, 2019
この書籍は、重曹ががん治療に有効であると主張して患者の死を招き、有罪判決を受けたイタリアのシモンチーニ・トゥリオ医師の主張をつづったものだったのだ。
両者の一連のやりとりにTwitter上では大きな反響が起こっている。
「新聞社も急に翻弄されて大変だなぁ。」
「これだけデカくて広告費が高いから特に調べもせず載せた、ってことでしょ」
「いろいろ批判があるようだけど、間違いを認めただけでも半歩前進か。」
「記事ではなく広告である、とはいえ、その内容にガイドラインはないのでしょうか?反社会的、非常識、命にかかわるものなどは精査が必要なのでは?」
「新聞のこの広告欄はトンデモ本の宝庫なのでニヤニヤしながら見てりゃいいだけだと思ってましたが、実家の母が広告見て本買って送り付けてきたことがあって、それ以来新聞の影響力は侮れないものだと認識を変えました。」
なお14日に朝日新聞社は当広告の表現に疑念があるとする見解をまとめ、広報部コメントとともに同社コーポレートサイトに公表している。
「朝日新聞社は、朝刊に掲載した『イタリア人医師が発見した ガンの新しい治療法』の書籍広告の表現に疑念があるとする見解をまとめ、広報部コメントとともにコーポレートサイトに公表しました。ご指摘いただき、誠にありがとうございました。」
https://twitter.com/asahi_koho/status/1194910704731484161
朝日新聞社は、朝刊に掲載した『イタリア人医師が発見した ガンの新しい治療法』の書籍広告の表現に疑念があるとする見解をまとめ、広報部コメントとともにコーポレートサイトに公表しました。ご指摘いただき、誠にありがとうございました。https://t.co/OYQBLyq6Of
— 朝日新聞社 広報 (@asahi_koho) November 14, 2019
今回、朝日新聞社の対応がスピーディーだったことは賞賛に値するが、新聞の広告欄には他にも真偽の判断のつきがたいキャッチコピーや商品説明があふれている。広告の審査には厳正な態度であたっていただきたいものだ。
※画像はTwitter(@asahi_koho)から引用しました