水玉模様のカボチャのオブジェなどで知られる草間彌生さんの作品の1つが、アラブの石油王に買収されていたことが分かった。
件の作品は、現在フロリダ州マイアミの現代美術館で展示されている『南瓜へのつきることのない愛のすべて』(2016年)。LED照明で照らされた鏡張りの部屋に入ると大量の水玉カボチャが配置してあるという体験型展示だが、同美術館の公式サイトにある作品紹介文を見ると、最後に「この作品はアルウラ王立委員会のコレクションから貸し出されています」の一文が。
このアルウラ王立委員会とは、古代ナバテア文明の世界遺産が点在するアルウラ地区を保存・開発するために設立されたサウジアラビアの政府機関であり、会長を務めるのは同国の実質トップであるムハンマド・ビン・サルマン皇太子その人。彼の所有する豪華ヨットには、2017年に美術品の史上最高落札額となる4億5030万ドルで落札されたレオナルド・ダ・ヴィンチの『サルバトール・ムンディ』が飾られているともウワサされ、美術品への投資を積極的に行っているようである。
事情通によると、この作品がアルウラ王立委員会の手に渡ったのはおよそ半年前。以前の所有者であるドイツの美術商はこの作品を2017年に330万ドルで購入し、目標価格500万ドルで作品を保存、販売、再販する権限があったという。ただ、このドイツの美術商と、売却したマイアミの美術商の間で売買契約を巡る訴訟が起きており、今後の所有権の行方は不透明な様子。ともあれ、2020年1月までは予定通り美術館で展示されるそうだ。
最近では都庁ピアノが人気となっている草間彌生さんの水玉模様作品。このピアノにもとんでもない値が付きそう?
画像とソース引用:『ICA Miami』及び『bloomberg.com』より
https://icamiami.org/exhibition/yayoi-kusama/[リンク]
https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-10-25/saudi-prince-behind-450-million-da-vinci-also-got-pumpkin-room[リンク]