近年、全国の書店の万引き被害額は年間約200億円。
1店舗の年間売上高の1%から2%に相当すると言われており、それがもとで閉店に追い込まれる書店も少なくないと言う。
そんな中、ある書店員の男性が、万引きの常習犯と思われるメルカリアカウントを特定し、鎮静化させたというエピソードがTwitter上で話題になっている。
男性は、万引き被害のある棚を定期的に撮影するなどし万引きされた本を特定。
メルカリでその本を検索すると、書店に入荷後に販売履歴のない本も含めて出品しているアカウントを発見したため、書店のアカウントでフォローすると以後、万引きがピタリと止んだという。
この報告に対し、Twitter上では
「転売目的の万引きが増えているため、盗品を換金できる手段を断つことが重要」
「警察に被害届を出せばメルカリは個人情報を開示してくれるので、ぜひそうして犯人を逮捕してほしい」
「ポイントで買った新品の本をメルカリに出品すると「盗品ではないのか?」と質問されることがある」
などという内容のコメントが多数寄せられている。
男性は書籍販売のプロとして、個人販売サイトの出品履歴で、新刊を書店の卸価格以下で販売していたり、同じ新刊を何度も出品しているのを見ると、それが万引きなど違法な手段で入手されたことがわかってしまうらしい。
男性は今後、警察に届け出を出す予定はなく犯人が特定されるような動きが起こることも望んでいないが、メルカリやヤフオクなどの個人販売サイトに対し、小売店が盗難にあった商品情報を簡単にサイトへ報告できるようにして、地域や時期を照合して盗難品売買を防止できるようなシステムの構築を希望している。
※文中で紹介した「書店員の男性」からは匿名を条件に記事制作のご了承をいただきました。その点に配慮し、反響として紹介したツイートについても内容を損なわない範囲で文体を改変しております。