ニューヨークのマンハッタンの交通手段は何と言っても公共の交通機関の地下鉄やバスである。ニューヨークの地下鉄に慣れたアメリカ人が東京に行くとさぞかし驚くらしい、それは地下鉄構内、また車内がキレイで、乗客のマナーがいいと言うのだ。
東京の地下鉄、およびJRや数多くの私鉄に乗車の大人の方々は、それでも若者の乗車マナーがなっていない!と顔をしかめる紳士淑女も多いと思う。ただ、もしそれらの方々をニューヨークの地下鉄視察にお招きできるのであれば、きっと『日本は素晴らしい!』と考え方を変えるかもしれない。それほどまでにニューヨークの地下鉄のマナーは酷いのである。
昨日は黒人の中学生らしい生徒2人が地下鉄に乗り込んできた。特に態度が悪いとは思えなかったけど、かといって態度が良いかというと決してよくない。そして、地下鉄車内の騒音の中で1人が突然カァ~ッと言う。タンを吐き出す前の不快音を発したあたりに、周りの乗客の反応が、まさに引く感じ。
ああ、やっちゃった、地下鉄車内でタンを吐き捨てたのである。
その少年達はガラは悪くないのである。だって、その恐ろしき行為を地下鉄車内で終えた後、前に座る私に「これって快速ですか?」と普通に聞いてきた。普通の男の子の態度である、まさか数分前にタンを履き捨てた同一人物とは思えない話し口調である。
市バスでもマナーの悪いのは黒人の中学生なのである。ゴミは平気で捨てるし、耳栓でもしたくなるような大きな声で当たり構わず話している。
家庭の躾がなっていないから、公共でもマトモな態度がとれないのである。そして何がマトモなのかの判断基準がないのだ。これらの子供達は、狼に育てられた狼少年のように動物的である。
山手線に乗り込んだ小学一年生位の男の子の姿を思い出す。大きすぎるように見えるランドセルを背負った男の子はきちんと制帽をかぶり、制服を着ていた。白い靴下、磨かれた皮靴、難関の私立の小学校に通う児童だと思うが、凜としていた。
マナーのなっていないニューヨークの中学生と、東京の良家の坊ちゃんの両極端を比較するのは、マナーの悪い黒人中学生には相当分が悪い。
しかし、一乗客として一期一会かも知れない人たちと同じ車両に乗り合わせる時に、不快に思える回数が圧倒的に多いニューヨークの地下鉄は、ニューヨークの恥部であるのだ。
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