戦慄! クマネズミが急増中「ネズミ駆除業者」に話を聞いてみた

  by 丸野裕行  Tags :  

クマネズミといえば、都会に急増しているネズミ科の哺乳類、イエネズミの一種になるそうです。
ここ数十年前から害獣クマネズミによる被害報告がテレビで頻繁に報道されるようになりました。

体長は平均18センチ程度。体重も小さく平均150グラムほど。大きな耳と目、尖がる鼻先に愛くるしい顔。胴が非常に細く、しっぽは身体よりも長いという、全世界に分布するネズミになります。どんな隙間でも楽々侵入し、天井裏や屋根裏、冷蔵庫の裏、タンスなどにも入りこんみ、巣をつくります。

このような状態が続き、クマネズミは日本中で爆発的に増えています。

今回は、日々この厄介者のクマネズミと闘う害虫駆除業者の林建夫さん(仮名/33歳/勤務歴7年)に、全国的な被害をもたらすクマネズミとの攻防戦についてお話を聞きました。

伝染病や寄生虫を媒介し、電線などをかじるネズミ

丸野(以下、丸)「よろしくお願いします」

林さん「どうも」

丸「具体的にクマネズミが増えるとどのような被害が出るのですか?

林さん「そうですね、被害としては、農作物の食害や飲食店の食品汚染、伝染病や寄生虫病の媒介などですね。管理会社のビルなどではケーブルを喰いちぎって電源が停止したり、コンピューターもダウンします。電線なんかもかじるので、火災やガス爆発なども起きますね」

丸「随分と物騒ですね」

林さん「ええ。寿命は2、3年ですが、3匹から10匹くらいの子ネズミを2ヶ月に1回産みますから、爆発的に増えますね。それに、賢いクマネズミには、有効な駆除方法がないんです。奴らが巻き起こす騒動って、僕たちの想像をはるかに超えています」

丸「現場には何人ぐらいで向かうんですか?」

林さん「現場主任と作業員が2~3人でチームを組みます。定期調査の契約店舗を回るわけですね。クマネズミは雑食で、食料品店なんかは店内をメチャクチャにしていることもあって、手当たり次第にチョコレートやガム、靴や石鹸にまで かじりついています。包装紙を小さく破り、中に入り込んで食品をむさぼるわけです」

ちょっとずつ弱っていくのを待つ作業

丸「やっぱりクマネズミの仕業だとわかるわけですか?」

林さん「壁でわかりますね。商品が並ぶ棚を凝視してみると、引きずったような黒く汚れた部分がありますよ。ネズミの通り道を探し、殺鼠剤(さっそざい)を置いていきます」

丸「殺鼠剤というのはどんなものですか?

林さん「小型ミキサーでネズミの好物の薄揚げを粉砕して、極微量の殺鼠剤を混ぜます。で、その餌をネズミの通り道に置いていきます。なぜ微量かというと、多量の毒を一気に食べて狂い死にした仲間をみて、他のネズミが警戒するんですよね。クマネズミはそれくらい頭がいいんです」

丸「ちょっとずつ、弱っていくのを待つわけですか……。根気がいりますね。実際食べるんですか?

林さん「いえ。あいつらは、店の中でも一番の高級チョコレートなどを選んで喰べます。既存の駆除業者の方法ではクマネズミはなかなか駆除できませんね。狡猾になっているので……。しかも大規模な防鼠工事をしないと、他からもすぐに入ってきます」

うなぎ屋のタレにネズミが……

丸「なにか、印象深かった現場のお話はありますか?」

林さん「そうですね。関西にある有名な老舗うなぎ店で駆除作業を行っていたときの話なんですが、それは起こりました」

丸「ほほう、どんなことが?」

林さん「創業百年は経つうなぎ蒲焼専門店だったのですが、ちょうどクマネズミの歯型が家の梁(はり)まで入っていたんです。やつらは、1週間に2~3ミリ前歯が伸びるので、歯がかゆいんです。だから、そこらへんのものをかじり倒します。徹底的に殺鼠剤攻撃を毎日やったときに、効果を実感していたのも束の間、予想以上の効きでネズミどもにボケが発症したんです。すると、厨房近くの炭火焼コンロの隣で音がしました。“ボチョン!”と。すると、創業以来継ぎ足してきた秘伝のタレに、クマネズミのサルモネラ菌とかダニ湧いてる体が浮いてたんです」

丸「うわわわぁぁぁ~

林さん「“もう使い物になりませんね……”といったんですが、大将が息をのんで“先代から受け継いだ宝やから……、熱入れるから大丈夫……”と。僕の知る限り、その店は現在も絶賛営業中です」

強欲ババアの宝物も赤ん坊の唇も食いちぎるクマネズミ

丸「そりゃキツいわ」

林さん「そのほかはですね、最近はテリトリーを広げた街の周辺の住宅地であったんですが、70歳くらいの婆さんの独り暮らしで、家がえらく汚かったんです。強烈な歯槽膿漏の臭いを撒き散らしている婆さんは、万年床の布団の上に札束を隠していたみたいで……。数百万の札束をクマネズミに食われてました。5千万円くらいあったんちゃうかな。猜疑心の塊みたいな婆さんで、銀行が信用できなかったから、現金を自宅に溜め込んでいたみたいです」

丸「本当に何でも食べるんですね。他には?」

林さん「柱をかじられすぎて倒壊した家や照明の電気コードをかじられて出火した風俗店なんかもありましたね。一番ひどかったのは、呉服問屋の旧家で昔からクマネズミ被害が頻発していた家ですね

丸「なにがあったんですか?」

林さん「1枚3,000円のお約束の粘着ネズミ捕りシートを部屋全体に貼って、1台12万円の超音波ネズミ撃退も設置したんです。それと、主成分がハッカ油の忌避剤を散布。たいして効きもしなかったのか、夜に、生後3ヵ月の赤ん坊にクマネズミが襲い掛かったみたいなんです

丸「うわわぁぁ~

口からこぼれでたミルクにつられ、競うようにかじりあってたみたいで……。下唇は歯茎がむき出しになるほど、喰いちぎられたようでした。まさに背筋も凍りましたね」

クマネズミの被害というのはかなり深刻で、各保健所へ寄せられる相談件数は増加しています。大切なものを食い尽くしてしまうクマネズミ。
あなたも被害に遭う可能性もあるので、ご注意ください。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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