松本慎也、天音みほ、花奈澪ら出演 舞台『魔術士オーフェン はぐれ旅』ゲネプロ公演レポ 天音みほ「もっと声の表現力を磨いていろいろなことに挑戦していきたいです!」

8月15日、東京・新宿村LIVEにて、舞台『魔術士オーフェン はぐれ旅』ゲネプロ公演が開催された。当日は、『ミュージカル黒執事 -The Most Beautiful DEATH in The World- 千の魂と墜ちた死神』アラン・ハンフリーズ役、俳優の松本慎也、アイカツスターズ!、Mi☆nAの天音みほ、元宝塚歌劇団花組、女優の花奈澪をはじめとする総勢19名のキャストたちが、舞台上で各キャラクターの演技を披露する。脚本は舞台『家族のはなし』のシナリオ・演出を担当した脚本家の吉田武寛、演出には『ヨルハ』シリーズ、『Wake Up, Girls!青葉の軌跡』などの舞台製作メンバーを務めた演出家の松多壱岱が参画。今回は、ゲネプロ公演と舞台挨拶、キャストインタビューをまとめて紹介する。

25周年記念『魔術士オーフェン はぐれ旅』舞台化決定

1994年、秋田禎信が手掛けるライトノベル作品『魔術士オーフェン』が刊行して25周年を迎える。これまで多くのシリーズを生み出し、累計発行部数は1200万部を突破した。本作の生誕25周年を記念して、2020年1月には新作アニメの放送が予定されており、8月には本作の舞台化が決定。また、11月にはシリーズ舞台化2作目の上演も決まっている。

原作では、『はぐれ旅』『無謀編』『プレオーフェン』『まわり道』など、シリアスなストーリーからコメディ要素のある内容、短編や四コマ漫画などのシリーズが展開した。本舞台では『我が呼び声に応えよ獣』(はぐれ旅)の物語をもとに作られており、これまでの作品ファンだけでなく、舞台観劇を通して初めて本作を知る方にも分かるように構成されている。

オーフェンの世界観で繰り広げるキャラクターたちの魅力とアクションシーンの数々

『魔術士オーフェン』とプロジェクションマッピングを駆使した舞台上の演出に観客たちの注目が集まった。キャストたちの身体を張ったアクションシーンと作中で巻き起こる魔術の演出の数々。

ゲネプロ公演後、舞台挨拶が行われ、主演の松本慎也は「25周年という節目の年に、みんなで本作の舞台化を実現することができたことを幸せに思います。当時は舞台上で表現できなかった魔術が、現在の技術によって放つことができているので、これから舞台を観劇する方は演出にも注目して楽しんでいただきたいと思います」と意気込みを語る。

さらに、これから本舞台を見に来る方たちに「魔術士オーフェンは25周年愛されるほど、魅力的なストーリーとキャラクターたちでいっぱいです。素敵な座組のメンバーと一緒に舞台を作ることができてホントに楽しいです。ぜひ劇場にお越しいただき、活き活きと生きているオーフェンたちの姿を楽しんでいただけたらなと思います」とコメントを残した。

ヒロイン・クリーオウとの出会いから、キャラクターとの”融合”を感じる天音みほの想い

舞台『プロジェクト東京ドールズ』、『クォンタムメモリーズ』など、主演やヒロイン、キーパーソンとなる役柄を演じてきた天音みほ。本作において、ヒロインのクリーオウ役に抜擢され、どのような気持ちで舞台に臨んだのか。今回は、これまでの取材内容を踏まえて、現在の演技に対する心境や自身の意識についてインタビューを行った。

ーーこれまで『クォンタムメモリーズ』、『プロジェクト東京ドールズ』など、去年から多くの舞台に出演している天音さんですが、ご自身の中で演技に対する意識の変化はありましたか?

天音みほ(以下、天音):今回の舞台でヒロインが2回目なんですけれど、舞台『プロジェクト東京ドールズ』でヒロインのサクラ役と性格が違うことに、必要以上に気負わずに臨めたことです。

ーー早くも今までの経験を活かせている発言が聞けました!

天音:『プロジェクト東京ドールズ』、『魔術士オーフェン』のどちらも原作がある作品なので、設定は踏まえつつ、だけど元々のキャラクターに寄せすぎないようにしていました。

ーーそれには天音さんなりの考えがあってのことでしょうか?

天音:私が演じる上で、無理をしたり、頑張って役を作ったりする様子を見ている方に感じ取られたくなかったからです。自分とキャラクターの距離感を考えて、自然にクリーオウになれるお芝居を探しました。

ーーキャラクターを”演じる”ではなく、”なる”という時点で意識の変化を感じます。

天音:私とクリーオウを融合させると言いますか。クリーオウになれるラインを探すことに難しさがありましたが、その中にある楽しさを感じながら稽古に臨むことができました!

ーーこれまで以上に頭を使って表現していることがわかりました。それでは、本日のゲネプロ公演を終えての感想はいかがでしょうか?

天音:そうですね。稽古場では何度も通し稽古をしましたが、実際に劇場に来て映像のある状況で演技をしたことで、やりきったという感覚があります。この勢いを止めることなく、初日の公演に向けてもっと気持ちを高めていきたいと思います!

ーー表現に対する貪欲さが伝わってきます。天音さんの中で、役者としての経験がご自身のその他の活動に繋がった実感はありますか?

天音:私は役者以外にMi☆nAというユニット活動を行っています。ユニットのイベントの際にMCで寸劇をしたことがあります。

ーーここで演劇要素を取り込んだんですね!?

天音:相方(堀越せな)と一緒にお芝居がかった2人の掛け合いを見たいと声をいただくことがあったので、演劇以外のステージでも活かしてみました。何よりも、自分の好きなことが、お芝居という形でユニットのライブと併せてファンの方に提供できるのが楽しいと思ったので。

ーープロ意識の高さも感じられます。演技以外で、天音さんが変わったなと感じる部分はありますか?

天音:今回、稽古場でクリーオウになると、自分も強気になれるというか、元気になれた実感があります。

ーークリーオウとの融合でしょうか!

天音:かもしれません(笑) 以前は、キャラクターを演じている意識が強かったんです。でも、”本当にキャラクターになれる!”と、最近になって知ることができるようになったことがきっかけかもしれません。

ーー天音さんならではの変化、それを少し知ることができたように感じます。天音さんの中で、ご自身の魅力と思うポイントは何でしょうか?

天音:最近は表情が豊かになったねって言ってもらえることが多くなったことです。舞台では表情だけが表現ではありませんが、自分のセリフがないときの表情にも注目してもらえたら良いなと思っています。何よりも、皆さんに見ていただけることで、自分でも意識ができるようになるかなと思うので。

ーー前向きな姿勢に感服します。最後に、2019年で新しいことに挑戦したいことはありますか?

天音:ユニット活動や舞台でお芝居をさせていただいていますが、声の演技にもチャレンジしてみたいと思っています。前説を録ったときに「声が良いね」と褒めていただけることが多くなったんです! これまで、自分の声がコンプレックスだったんですけど、歌や舞台での演技だけでなく、声の表現を勉強して、いろいろなことをやれるようになりたいです。もっと声の表現力を磨いていろいろなことに挑戦していきたいです!

【公演情報】
『魔術士オーフェン はぐれ旅』http://www.orphen-stage.com/[リンク

【上演会場】
新宿村LIVE[リンク

【あらすじ】
キエサルヒマ大陸の魔術士養成機関の最高峰《牙の塔》。
15歳の少年キリランシェロは、そこで黒魔術士として将来を期待されていた。
しかし、実験室で義姉アザリーが怪物に変貌した日から、キリランシェロは名前と将来を捨て、オーフェンとなったー。

それから5年後。
大陸南西部の都市トトカンタで、オーフェンはもぐりの金貸しを営んでいた。しかし、債務者の地人ボルカン持ってきた儲け話に乗って、名家エバーラスティン家を訪れた時、彼は偶然にも一本の古剣と異形の怪物を目にする。

それは、5年前のあの日に行方をくらませた「彼女」だった。
果たしてオーフェンは彼女を見つけ出し、元の姿に戻すことはできるのかー。

【出演】
オーフェン:松本慎也

クリーオウ:天音みほ
マジク:奥井那我人
ボルカン:西尾来人
ドーチン:中村悠希

キリランシェロ:上堂地かんき
フォルテ:小栗 諒
コミクロン:佐藤友咲
ハーティア:佐川大樹
レティシャ:千歳ゆう
コルゴン:木村優良
マリアベル:桃咲まゆ

アザリー:花奈澪

チャイルドマン:冨森ジャスティン

アンサンブル:松田浩毅、樋口拓馬、小田峻平(ASSH-Next)、飯原優(ASSH-Next)、宮ノ尾美友(ASSH-Next)

【上演期間】
2019年8月15日(木)~18日(日)

【上演タイムテーブル】
8月15日(木)19:00
8月16日(金)14:30/19:00
8月17日(土)14:30/19:00
8月18日(日)12:30/16:30

【チケット料金(全席指定・税込)】
S席(前方5列) 8,000円
A席 6,500円

【チケット取扱い】
カンフェティ[リンク

【スタッフ】
原作:秋田禎信『魔術士オーフェン はぐれ旅』(TOブックス刊)
脚本:吉田武寛(LIPS*S/ILLUMINUS)
演出:松多壱岱

美術:照井旅詩
照明:小川幸一
音響:田中慎也
劇伴音楽:菅井裕典 (SASA PRO.)
映像制作:曾根久光(co:jin project)
映像オペレーター:菅井裕典 (SASA PRO.)
衣裳監修:西田さゆり
衣裳:及川千春(とわづくり)
ヘアメイク:青山亜耶
小道具:矢花イサハル(MATE-REAL)
殺陣振付:小栗 諒
振付:新木美優
演出助手:小田峻平、大塚侑子
舞台監督:中西隆雄
宣伝美術:尾花龍一(MONSTERS,INC)
宣伝カメラマン:遠山高広(MONSTERS,INC)
票券:島崎 翼
制作:style office、秋山良介(De-LIGHT)
制作協力:井川楊枝
プロデューサー:米田 基、小宮山薫

【公式Twitter】
https://twitter.com/orphen_stage[リンク

【お問い合わせ】
[email protected]

【主催】
舞台『魔術士オーフェン』製作委員会(style office/ILLUMINUS/ASSH)

(C)秋田禎信/TOブックス/舞台『魔術士オーフェン』製作委員会

野島 亮佑

オンラインライター/ニュース記者。ライブ・イベントレポートをはじめ、映画舞台挨拶、演劇・舞台レポート、アーティストや役者のインタビューを行っています。

Twitter: ryosuke_nojima