たかが寒天、されど寒天

  by あおぞら  Tags :  

寒天とゼリーでは、子供の頃には完全にゼリーの方が好きだった。なんか寒天は田舎臭い感じがしたし、ゼリーに比べ垢抜けない気がした。

 

時は流れて私はアメリカに暮らしている。

 

寒天は買えないこともないが、一般のスーパーでは見たこともなかったが、チャイナタウンにて日本でよく見た乾燥した棒状の寒天を見つけたときは即買い物かごに取り入れた。ただ、チャイナタウンの昔ながらの棒状寒天は、綺麗に洗って水につけてもどうも小さなゴミのようなものが見えたし、火にかけてそのゴミを取り除いて、丁寧に時間をかけて溶かせていったつもりでも、完全に溶け切れなかった。冷蔵庫に暫く置いた完成品も思ったほど良くなくて、時間と手間ひまと思い入れをこめた割には

ちょっと残念でしたぁ…の無念の結果であった。

 

しかし、日本のみなさまには「何をいまさら…」と言われそうだが、粉末寒天とやらを使ってみるとこれが見事に仕上がった!よって、成人しすぎた私は子供時代と違い寒天の方が好きになったのである。

 

ゼリーはアメリカではJELL-Oという黒船演歌歌手のジェロとほぼ同じ発音の商品が子供達のおやつの定番で、小さな小さな箱に入った袋入りの粉末味付けゼラチンを250CCの熱湯で溶かせて、溶かし終わったら更に250CCの水を入れて混ぜ合わせ、容器にいれて冷蔵庫で冷やし固めるものが特に夏のおやつなのであるが、このゼラチンは寒天のように容器からスルリと綺麗にお皿に乗せることができなくて、わざわざ容器をお湯で温めてはがれやすくしてからお皿に乗せる面倒なことをしなくてはならない。

 

まぁ、アメリカのお母さん達はそのまま容器にスプーンを入れて食べさせているので問題はないのだが、日本の寒天はその点容器から取り出しやすいし、おやつとして出すにしても容器とスプーンで直接食べさせるより、お皿に乗せてスプーンで食べさす方が余程マナーとしていい。ゼリーと寒天の容器から取り出しの違いが子供達へのマナーにまで発展するのはちょっと行き過ぎ?とも思えそうだが、それも一理あるとは思っている。

 

それに寒天の方が受け入れ態勢がいいのである。

 

寒天に受け入れ態勢?と思われるだろうが、ゼリーの場合フルーツを入れても受け付けないフルーツがいくつかあるのだ。その代表格はキウイ。私はキウイ入りゼリーを夏涼しく頂こうと嬉しがって作っては見たところ一向に固まる様子はない。そこでゴミ箱の上の方にあるゼリーの小箱の注意書きを読んでみると「キウイは使用できません」とあるではないか!

 

しかし、寒天はそんな果物拒否などをして、緑の愛らしいキウイを泣かせたりしない。ゼリーではものにならなかった敗北のキウイが寒天により勝利した!

 

もうゼリーの方が寒天より好きなどは思わない!

 

しかし、成人している私は好き嫌いよりも財布の紐は緩められない現実があるので、割高の粉末寒天を日本食料品店に買いに行くより、手近にあり、また割安のゼリーを買ってしまうのだ。容器から取り出しにくたっていいじゃないか、安いに越したことはない、…….しかし、こういう風潮が中国経済を活性させているのかもしれないと、寒天を考えるだけでアメリカのマナーのことや中国の経済にまで考えを飛ばしてしまった。

 

たかが寒天、されど寒天なるぞ….

 

画像: from flickr YAHOO!

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