【動画あり】JTの加熱式たばこPloomシリーズ3製品を全部試してみた!

  by 古川 智規  Tags :  

日本では多くの加熱式たばこが普及し、喫煙者にとっては選択肢が多くなり逆に迷う機会もあるのではないだろうか。
今回は日本たばこ産業(以下JTという)が販売する加熱式たばこPloomシリーズ3製品を同社に取材して話を聞き、すべてを使用してみたのでレポートする。使用したのはPloom TECH(以下、プルームテックという)、Ploom TECH ⁺(以下、プルームテックプラスという)、Ploom S(以下、プルームSという)である。

本稿は喫煙に関する記事であるので未成年者と非喫煙者には不向きな内容で、喫煙を推奨するものではなくあくまでも喫煙者に向けての記事であることをお断りしておく。

さて加熱式たばこは火をつけて燃焼させる紙巻きたばこと比較して、たばこの葉を燃やすことなくたばこの成分を喫煙することができることはご存知の通り。
その加熱式の中でもごく低温で抽出する「低温加熱型」と高温で抽出する「高温加熱型」の2種類がある。どちらにも特徴があり甲乙つけがたいが、たばこはコーヒーやお茶と同様にし好品であるので、それは純粋に喫煙者の好みで構わないと考える。よって、どの製品が優れているのかを論じるのはナンセンスだと考えるので、それぞれの製品の特長と記者が実際に喫煙した感想を述べたい。

まずは、3製品のパッケージ内容と実際の喫煙状況を動画でご覧いただきたい。

■JTの加熱式タバコ3製品を紹介
https://youtu.be/WmfW4_4bkbw

では、それぞれの製品について紹介する。

Ploom TECH

低温加熱型のプルームテックは、この形式においての老舗ともいえる。発売から時間が経過し、すでに普及している感があるのでご存知の方も多いだろう。
加熱温度は摂氏30度であるが、この加熱温度とは喫煙時のカプセル内温度が30度という意味である。紙巻きたばこと比較して喫煙時の「温度」を感じないがために物足りないと思う向きには後述のプルームSがおススメだが、低温加熱型にはある特徴がある。
デバイス起動から喫煙開始までの待機時間がなく、基本的に何らかの操作をする必要もなく、好きな回数だけ吸って、好きな時に喫煙を中断でき、あるいは再開できることである。これは次に紹介するプルームテックプラスも同様だが、喫煙スタイルが限られる喫煙者には最適の選択であるといえよう。

本体の中身としてはごくシンプルで、バッテリー部と充電部が入っているだけである。たばこカプセルとリキッドの入ったカートリッジは、購入するたばこに依存するので、デバイス自体はシンプルなのである。
また、たばこの種類が多いのも特徴で、これは長く発売していることも関係するだろうが、リキッドにも秘密がある。

写真は、同社の紙巻きたばこの最高峰ともいえる限定発売だった「ピース・アロマ・ヴィンテージ」と大きさを比較するために置いたものである。ピース・アロマ・ヴィンテージは100s、つまり10センチメートルである。
さて、リキッドに秘密があると書いたが、喫煙するのは霧化されたリキッドがたばこカプセルの中を通った水蒸気である。紙巻きたばこでは葉のブレンドやフィルター内のカプセルあるいは巻紙に工夫をしてフレーバーを出すが、本品ではリキッドそのものにフレーバーを付けることができる、よって、各パッケージに同梱されているリキッドはそのフレーバー専用品なのである。もちろん、別のフレーバーのリキッドとカプセルを組み合わせるのは自由だが、同社が提供したい本来の味わいは同じ銘柄のリキッドとカプセルの組み合わせにより得られる。
これらのことから多くのフレーバーを提供することができ、たばこには珍しい「季節限定」物も提供される。気分や季節に合わせて選択肢が多いことは喫煙者にとっては悪いことではない。

Ploom TECH +

プルームテックプラスは、前述のプルームテックの後継機種かと思えばそういう面も否定はしないが、それだけではないようだ。
本品もプルームテックと同様に低温加熱型ではあるが、加熱温度は摂氏40度。プルームテックよりも10度高いだけである。よって、プルームテックの後釜なので、そのうち切り替わってしまうのだろうと考えていた。しかし、JTに取材したこところ「形式は同じだが温度が10度違うことで味わいも変わるのでまったくの後継機種ではなく、より紙巻きたばこに近い感覚を求める喫煙者に向けた低温加熱型として、プルームテックとは別の製品として併売し、統合する考えはない」とのことだった。

とはいえ、プルームテックからデバイスが強化されているのも事実で、これまでリキッドの残量がわからず、たばこカプセルカプセルを余らせてしまったり、あるいは逆のパターンも存在したようだが、本品ではリキッドカートリッジが透明になっておりボディーの窓から残量が可視化されている。また充電はねじ込み式ではなく、ケーブルによりマイクロUSBで行う方式に変更されたことにより自由度が高まった。

たばこのパッケージはプルームテックのものと似ているが、カートリッジの形状が異なるので専用品である。
カートリッジもその銘柄専用品であるのはプルームテックと同様である。

紙巻きたばこやプルームテックと比較して、リキッドを本体に内蔵する形式になったことからボディは若干太く、大きくなっている。しかし、あくまでも個人の感想ではあるが、細すぎてどこにいったのか分からなくなる記者のようなガサツな人には少々大きい方が都合がよいと感じた。
喫煙した感じは、プルームテックとの比較では幾分しっかりとした味わいでプルームテックほど蒸気の「冷たさ」は感じずパワフルに吸っても耐えられる感じはした。紙巻きたばことの比較では透明感のある味わいで、いわゆる「軽い」と表現されるたばこに似ているが、燃焼した煙ではなく水蒸気なのでのどに抵抗感なく思いっきり吸えてその分だけ満足感は高い。ちなみに本稿での味の比較は発売されているもののうち最も強いメンソール系のたばこパッケージを使用しての感想である。

Ploom S

プルームSは、前2製品と異なる高温加熱型で加熱温度は摂氏200度。
紙巻きたばこ同様にボックスから1本を取り出してデバイスに差し込み加熱する。
この方式のために、途中で喫煙を中断することや再開することはできない。動画でご覧いただいたと思うが、たばこスティックのパッケージは非常に可愛らしく、チョコレートでも入っていそうな感じがする。

本品のパッケージにはデバイス本体の他に充電器やケーブルが同梱されているが、メインテナンスのための道具も入っている。
ただし、実際の加熱形態は加熱ブレードにたばこスティックを差し込む方式ではなく、周囲から加熱する方式なので焦げる部分もなければ焼き付きをする部分もなく、ほぼメインテナンスフリーといってしまっても過言ではない。こぼれ落ちたたばこ葉を出す程度だろうか。

動画でも説明はしたが、デバイスの差込口をスライドさせて開くと電源インジケーターが点灯するので、スティックを差し込み起動ボタンを長押しするとバイブレーションで準備に入ったことを通知してくれる。と同時に、4つあるインジケーターが順次点灯し喫煙可能になると再度バイブでお知らせ。準備インジケーターはそのまま喫煙可能時間の残量インジケーターとなり、4つ点灯から順次滅灯していく。残り時間がわずかになるとバイブでお知らせ、2度目のバイブで終了である。
デバイスの出来が良く、インジケーターが豊富でほぼすべての動作状態が可視化できること等、非常に丁寧な設計になっている。
意外にも煙(水蒸気)は少なくその意味では吸っているのかな?という疑問が最初にあったが、それを打ち消すがことく強力なたばこの味(メンソール系なので主に清涼感)が感じられるので、煙が少ない割に紙巻きたばこと同様の喫煙感が得られたのにはおどろいた。実は加熱温度が低いほどにおいが少ないと言われているが、同社発表のデータでは紙巻きたばこのにおいを100とした場合のプルームテックとプルームテックプラスは1パーセント未満、またプルームSは5パーセント未満とのことだったがその違いは分からないというよりも、記者の嗅覚では喫煙中のにおいそのものが検出不能だった。また吸い殻のにおいもほとんど気にならなかった。

選択はズバリ好みで!

以上、JTの加熱式たばこ3製品を使用してみたが、喫煙スタイルや味わい、満足感等の度合いにより選択すれば良いのではないかと考える。また多く選択肢が提供されることにより、個人のし好にぴったりと合うデバイスとたばこの組み合わせはきっと見つかるだろうと信じる。
取材を通して、非常に多くの銘柄やアクセサリーが提供されていることもわかったが、とても1回では書ききれないので改めて別稿で紹介することとしたい。
同社のPloom Shopでは多くの組み合わせの中から自分に合うものを見つける手助けをするためにテイスティングサービスをしているので、一度訪ねてみてはいかがだろうか。

※写真および動画はすべて記者撮影・収録

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