月亭八方さんが吉本芸人の世代間のギャップを指摘 「昔は奉公人の感覚」

7月27日放送の情報バラエティー番組「特盛!よしもと 今田・八光のおしゃべりジャングル」(読売テレビ)で月亭八方さんが、吉本興業への印象について所属芸人達に世代間のギャップがあることを指摘した。

番組中で、一連の闇営業問題への対応や“9対1”とささやかれる過酷なギャラ制度について若手芸人から会社への不満が噴出していることにふれた八方さん。

八方さんは司会の今田耕司さんの

「八方師匠の世代なんかはやっぱり林正之助さんというカリスマがいて、恩があったりとかいろんな複雑な思いから、もう“有難い”しかないんですよ、ベテランの方って。“会社ありがとう、おおきに”って。」

という言葉に続き

「それは劇場があるから有難いんですよ、もちろん。劇場という毎日勉強しながら訓練、鍛錬しながらいただく頂くもん頂ける場所をね、吉本は提供してくれる。そう思うと、やはりこの劇場で鍛錬、訓練するところを生活しながら持ってるということに対しての感謝やから、何を言われようがもう奉公人の感覚ですよ。

でも今はそれぞれの個性でテレビとかでもっともっと一気に商いしてるから、つまり吉本がそれをただカスリを取ってるみたいになってきてるから。我々の時はカスリじゃなくて場を与えてもらってる。テレビも出さしてもらえるかもわからん、この舞台で面白かったら。そういう時代やから我々のはかりとは全然違うから。今回(の闇営業問題を)見てたら……落語に『三方一両損』ってあるんですけどね、宮迫も亮も吉本もマスコミもみんな一歩引いてシャンシャンにならんかなと思うねん。」

と発言。

会社の構造や芸能界のシステムが大きく変化したことが会社に対する意識の違いにつながっていると分析した。

また八方さんは徒弟制度が色濃かった時代から吉本を知る芸人として

「師匠がおったらね、師匠に言うねん。“ギャラを上げてもらいたいんです。こんなんですねん。”ってね。“それは言うな”とか“言ってこい”とか“まだ待て”とかアドバイスがあるねん。アドバイスするのは先輩ではないねん。言って上がるんやったら“俺らも言いにいこか”っていうやつが出てくるから、様子見るために“行くだけ行けや”となる。僕なんかの時代はギャラなんてことを師匠に言うたら“それは会社が見てるから。上げるもんは上げるんや。上げへんってことはまだアカンねん。”というようなものの教えやから。

僕の担当したマネージャーで偉なってる子がね“八方さん全然ギャラのこと言わへんから会議で、八方さんのギャラ全然上がってない、なんぼなんでもおかしいと言って上げておきましたから”ということで“ほんまかいな”と見たらちゃんと上がってんねん。そんなこともあるねん吉本は」

と回想。ギャラに渋いとされる吉本も、実際には芸人に活躍に応じた待遇ができるよう努めており、個人的には不満を抱いていないことを明かした。

八方さんは1948年生まれの71歳。1968年に月亭可朝さんに弟子入りして以来吉本興業の所属芸人として活躍し、今では押しも押されぬ大ベテラン。八方さんが感じてきたような恩義を今の若手芸人も感じられるような状況になればいいのだが。

※画像は吉本興業公式サイトから引用しました
https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=701

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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