「ワイドスクランブル」生放送では語れなかった 半グレの見分け方

  by 丸野裕行  Tags :  

どうもどうも特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。

宮迫博之さん、田村亮さんの涙の会見を発端として、吉本興業の内紛問題が噴出しました。連日ワイドショーなどで取り上げられ、閣僚や大阪の松井市長までも苦言を呈すなど、大問題につながってしまいました。

しかしこの問題、元はといえば、カラテカ入江さんがオレオレ詐欺などを繰り返していた反社会勢力と宮迫さん以下芸人らを繋げたことが原因です。

前日にテレ朝側から出演交渉される

僕はこの件のことで、以前Abema TV『スピードワゴンの月曜The Night』のヤクザSPで一緒に共演させていただいた、ヤクザ社会学者の廣末登先生から紹介を受けたディレクターが担当するテレビ朝日『ワイドスクランブル』に急遽出演することになりました。

主婦がテレビを観る時間帯の生放送番組に僕を呼ぶ……。こんな危険行為に踏み切った番組側の勇気に拍手を送りたいほどです。

宮迫さんが福岡で起こった金塊強奪事件の主犯格である半グレの犯人と写真を撮ったことがフライデーに掲載された7月19日。

どこまでの危険なコメントを言っていいのか、わからないまま、東京行きの新幹線に飛び乗り、初めて足を踏み入れるテレビ朝日本社へ。

半グレについてのコメントを求められる

この番組の中では、

「吉本がマネジメント契約を解消したことについてどう思うか?」

「宮迫さんが金を受け取っていた場合、パーティーの余興ギャラ100万円と写真撮影時5~10万円をなぜ受け取ってしまったのか?」

「半グレとはいったいどのような人間たちなのか?」

「暴力団とどう違うのか、半グレはなぜ芸能界と癒着しているのか?」

などにコメントする大役を仰せつかりました。

半グレとは何なのか?

ここで基本的なお話を……。

“半グレ”というのは、グレーゾーン、愚連隊、グレているの意味で、山口組の密着取材などで有名な溝口敦さんが名付けた造語です。

半グレというのは、昔から腕っぷしに自信があるヤンキーやギャングが、暴対法にがんじがらめになっている暴力団などの暴力組織には入らず、気の合う仲間で集団を形成し、名前を付けてグループ化したもの半グレになります。また、飯が食えない暴力団を抜けてグループに入るという半グレもいます。

暴力団は縦の関係、半グレは横の関係とも言えます。

半グレになる理由としては、幼少期の家庭環境の劣悪さなども要因の一つになるようで、貧困や育児放棄、親の離婚、周囲の影響などで粗暴な性格になり、後先を考えなくなるようです。

半グレのシノギの面

半グレはスカウトマンなどと手を結んで、夜の仕事を生業にすることが多いと言われています。

例えば、美容サロン、イベント代行、キャバクラ、クラブ、裏カジノ、コンパニオン派遣、風俗店経営などです。

その他、芸能関係のシノギも非常に多いようです。モデル事務所、人材派遣、芸能事務所、AV事務所などにも参画しているといわれています。

スカウトマンがスカウトしてきた女の子を、まずはモデル事務所にあてがい、それで売れるわけはないので、次はグラビア、その次はAV出演、そこから風俗店へとシフトするという女の子が足抜けができない状態を作ってしのぎます。

スカウトマン以外の女の子の入り口を作るために、半グレは必ずと言っていいほど、Web制作会社を持っています。ここでは「舐めない」「触らない」「触られない」という軽いアダルト系のバイト募集のサイトをいくつも作り、餌食になる女の子を募るわけです。

さらに、大麻販売、脱法ドラッグ販売、自動車窃盗団、貧困ビジネス、振り込め詐欺などの完全アウトな犯罪にも加担します。それは、半グレ全員が頭がキレたり、人脈があったりするわけではないので、ダーティーワークばかりが回ってくる半グレメンバーもいるということなんですね。

さらに、解体業、産廃業者、不動産業など普通の仕事に就いている半グレのメンバーもいます。しかし、これも裏で不法投棄をしたり、保証人がいないキャバクラ嬢や風俗嬢に暴利で部屋を貸し出したりしているようです。

今回の宮迫さんの写真は脅迫するために撮られたのか?

基本的に、半グレはパリピ(パーティーピープル)で、芸能人を嵌(は)めるために写真を撮るわけではありません。純粋にミーハーなだけです。逆に暴力団員はカタギに迷惑がかかることを考え、写真を取ることは珍しいです。

しかし、彼らも好き放題をずっと続けられるわけではありません。業を煮やした警察は半グレのグループを準暴力団に指定し、今後はなかなか大きな動きはできなくなるでしょう。

知っておきたい軽い半グレの見分け方

様々なところに取材に行く僕がいつも反社会勢力を見分ける方法をここで押さえておきましょう。

1.Web検索で前科を見る

半グレと言えども、やはりシノギをしている上では、名刺を切る機会が多いです。名刺交換をしたときに「ちょっと怪しいな……」と思った相手の名前をWebで検索してみてください。

ネットニュースなどで、すぐに検索できます。また、他にもある漢字(例えば、“眞木義人”と名前があれば、“真木義人”あるいは“眞木義仁”)を変えて検索することも有効です。

僕はこの方法で、前科のある不動産業者やWebサイト制作会社の重役など複数発見したことがあります。

2.地下格闘技との関連があるかどうか

半グレは、腕っぷしに自信があるからか、地下格闘技の集団と親密な関係がある場合があります。すべてがすべてとは言いませんが、これも要チェックです。

3.パーティーの頻度

前述したとおり、半グレはパリピです。やたらと誕生日パーティーをクラブのVIPルームなどで行います。そこにはたくさんの女の子が待機しています。

4.金遣いの荒さ

高級品ばかりを身に着けていて派手。とてもその歳では購入できないような時計などの貴金属、高級車に乗っていたりします。

まとめ

いかがでしたか?
こんな話、深夜番組やネット配信番組、CS番組ならともかく、真昼間のテレビ番組なんかで言えるわけがありません。

あなたの近くに半グレと呼ばれる人たちはいます。余計なことに巻き込まれないように、自己防衛することが大切です。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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