ニューヒーロー“ミステリオ”がヤバい! こちらも集大成!『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ネタバレなしのやんわりレビュー

  by ときたたかし  Tags :  

6月28日(金)に日本で世界最速公開となったスパイダーマン最新作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の<戦い後の世界>を舞台にした<MCUフェーズ3完結作>ということで、ある意味『アベンジャーズ/エンドゲーム』以上の注目を集めていたといっても過言ではない一作に! そしてオドロキの内容だった!

http://www.spiderman-movie.jp/


スパイダーマン最新作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』での出来事の後、<永遠に変わってしまった世界>で、トム・ホランド演じるピーター・パーカー=スパイダーマンが、新たな脅威に立ち向かっていく姿を描いていく物語だ。開巻直後、正直なところ「このノリのまま行くの???」と焦ったものの、途中途中にトラップのようにさまざまな展開が。言ってみれば実験作的な意味合いも濃く、“親愛なる隣人”であるスパイダーマンことピーター・パーカーが、ヒーローの師匠であるアイアンマンの“鉄の意志”を受け継いで真のヒーローになるため、はたしてどういう試練が待っているのか。予想を裏切るストーリーであるとは思うので、後は早めに映画館で観てほしい。

ここで一点注目したい要素は、アカデミー賞候補俳優にて、MCU作品初参戦となるジェイク・ギレンホールが演じるニューヒーロー、ミステリオ(=クウェンティン・ベック)だ。元S.H.I.E.L.Dの長官ニック・フューリーは、新たなる脅威と戦うためにスパイダーマンの力が必要だとピーターに告げ、彼は別の地球からやってきたというミステリオと共闘することに。このミステリオについて前作『スパイダーマン:ホームカミング』に続いてメガホンを握ったジョン・ワッツ監督は、「コミックの中では魅力的なヴィランだった。だからヒーローとして描かれる彼は、今まで誰も見たことがないんだ」と今作では新たな側面を強調していると発言。「スパイダーマンとミステリオとニック・フューリーがチームとなって、全世界に対する脅威と戦うというアイデアがエキサイティングだ」とも語る。

確かにメンターであるアイアンマンを失い、まだ若く自分のことを誰よりも信じてくれた人がいない世界にいるピーターにとって、ミステリオは新たなる指導者的なポジションにもなり得る。そして資料によれば(それ以前に映画を観ればわかるが)ミステリオのスーツは、コミックブックのミステリオやアイアンマン、ビジョン、ドクター・ストレンジ、マイティ・ソーなどのMCUキャラクターたちへのオマージュ祭りにもなっている。そういう意味でも本作を象徴するようなキャラクターの彼がスパイダーマンの活躍をねぎらうと、ピーターの目はかつてアイアンマンに向けていたリスペクトの眼差しのようにも受け取れ、ふたりの関係から目が離せない。

そしてMCU作品では毎度毎度だが、クライマックスの衝撃が本作にも待ち受け、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で感じた集大成的なカタルシスが、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』にも待っているというオドロキ! そして、あのオチを受けると、この夏アメリカで開催する予定のイベント群で何か大きな発表があるのではないかと期待もしちゃう。ここはネタバレを喰らう前に、ネット断ちして映画館へと急ぎましょう!

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、大ヒット公開中!
(原題:Spider-Man:Far From Home)

ときたたかし

映画とディズニー・パークスが専門のフリーライター。「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長を経て、現在は年間延べ250人ほどの俳優・監督へのインタビューと、世界のディズニーリゾートを追いかける日々。主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦娯楽作『シベリア超特急5』(05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)など。instagram→@takashi.tokita_tokyo