7日、大阪市教育委員会が市立学校活性化条例に基づき、平成24年度実施の校長の採用を、原則として公募により行うことを発表した。
大阪市市民の方へ 大阪市立小・中学校の校長を公募します
http://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/page/0000180080.html
これは優秀な人材の確保を目的に橋下徹市長が導入を目指したものであり、来年3月末に定年退職する小学校長約40人と中学校長約10人と同じ、計50人が募集されている。また、民間人以外に現職教員も対象としている。応募資格は日本国籍を有し、過去に逮捕歴や懲戒免職処分等を受けていない人(地方公務員法第16条及び学校教育法第9条)、昭和25年4月2日から昭和52年4月1日までに生まれた人(35歳から応募可能)、民間企業や行政機関、研究・教育機関等において管理職の経験を有する人又はそれと同等以上の経験を有する人、等となっている。勤務期間は3年、実績を考慮しながらの最長5年となる。年収は45歳で約780万円、55歳で約870万円(扶養・住居・通勤手当等は別途支給)が目安になる模様。
文部科学省によると、俗に「民間人校長」と呼ばれる教員出身以外の校長は、昨年4月現在で125人に増加。うち公募で選ばれたのは66人であるという。50人という数字は大阪市全体の校長数の1割に相当し、一つの市が単独で募集する数字としては前例のない規模となった。
「民間人校長」は近年の教育制度が持つ閉塞感の打開策として注目されており、大阪市では橋下市長の下、昨年最年少の校長を民間から採用する等、積極的である。一方では現場の改革を望まない抵抗勢力との軋轢をどう克服していくのが「民間人校長」の最大の課題とも言われており、過去には広島県尾道市の小学校の「民間人校長」が自殺するという事件も起きている。実現に多くの問題はあっても、先日の滋賀県大津市のいじめ問題にも現れているように、現状の教育現場は早急な組織改革を必要としている。行政の中でほぼ同じ問題に直面してきている橋下市長自身が目指し導入した制度だけに、予想される「民間人校長」の苦悩の面でも、“前例”のない対応が期待される。
※写真:Heiwa elementary school 平和小学校 _25(ajari) http://www.flickr.com/photos/ajari/3897869329/