令和の日本酒ブームは女性が作る?注目の女性醸造家たちがジュリアナ東京に集合

近年、人気ブランドの台頭や海外出荷量の増加で注目を集めている日本酒業界。

活況を呈している業界だけあってさまざまな切り口の魅力があるが、中でも興味深いのが女性の活躍。

業界は古来より圧倒的な男性社会だったため、製造の根幹に携わる女性は今なおけっして多いわけではない。

ほんの数十年前まで”不浄”と言う理由で女性を入れない蔵もあったと言う。

しかしそんな窮屈な環境を少しずつ切り拓きながら、確実に彼女たちの努力と才能は全国の飲み手をうならせる逸品を醸し続けているのだ。

5月12日、大阪のジュリアナ東京大阪店でそんな女性醸造家が一堂に会する日本酒イベント『乙女の日本酒プロモーション2019』が開催された。

乙女の日本酒プロモーションは全国の酒蔵と交流がある日本酒バイヤー、作家の中野恵利さん主宰で、日本酒文化PRのために定期的に催されているイベント。

美味しいお酒が揃っているのはもちろん、強力なチームワークで毎回さまざまに趣向をこらしている。

今回も往年のディスコナンバーにあわせた酒造りダンス、トークショー、鴨料理、餃子などなどコンテンツは盛りだくさん。

今回も、モデル役をお願いした女優の三枝雄子さんと共にアリサワ酒造(高知)の文佳人、向井酒造(京都)の京の春、町田酒造(群馬)の清りょうなど美酒の数々をいただきながら食べて、観てたっぷり堪能させていただいた。

女性が醸したお酒はけっして女性的な線の細いタイプばかりではない。

ふくよかでどっしりしたタイプ、斬新で攻めたタイプなど”女性”だからという理由でおさまらないさまざまなタイプがあり、かつ素材やテーマ性にこだわった上質なものが多い印象だ。

日本酒はその名の通り日本の歴史と共にある国酒だが、近年は女性に好まれる傾向が強くなったり、海外で和食以外の料理と組み合わせて注目されるなど楽しみ方の幅が広がっている。

このイベントのようにディスコで踊りながら飲むというのも一昔前にはなかなか無かった発想だろう。

日本酒らしくない場所に日本酒の可能性が隠されているのだ。

そういう点で女性の醸造家がどんどん参入しているという現象もこれからの日本酒業界にとってはたいへん好ましいことではないだろうか。

中将タカノリ

■シンガーソングライター、音楽・芸能評論家 ■奈良県奈良市出身 ■1984年3月8日生まれ ■関西学院大学文学部日本文学科中退 2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。 歌謡曲をフィーチャーした音楽性が注目され数々の楽曲提供、音楽プロデュースを手がける。代表曲に「雨にうたれて」、「女ごころ」(小林真に提供)など。 2012年からは音楽評論家としても活動。さまざまなメディアを通じて音楽、芸能について紹介、解説している。

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